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2019年6月13日 (木)

『 よもつひらさか 』(今邑彩・著)読みました・・・の巻

Img_4170  以前から気になっていた本作、ようやく読むことができました。先日、BOOK・〇FFで見つけたものですから😃。

 日常に潜む恐怖を描いた短編集です。昔好きでよく読んだ、阿刀田高さんの作品に似た印象でした。途中で「オチ」がわかる作品も何作かありましたが、それでもどの作品にも楽しませていただきました。どぎつい描写もなく、少し昔(いわゆる「昭和」)の感じで、安心して読むことができました。ミステリーなのに「安心して」というのはほめ言葉にはならないかもしれませんが(笑)。

 特に私は表題作「よもつひらさか」、そして「ささやく鏡」「茉莉花」「遠い窓」あたりがよかったです。「時を重ねて」はまた違った趣で、高橋治さん(「風の盆恋歌」)や宮本輝さん(「錦秋」)を思い出しました。

 短編集ですのですぐに読めますし、後味もそれなりによし。おすすめです。

 追伸:今邑彩さん、私今まで読んだことなかったのですが、この方、すでに亡くなられているのですよね。57歳で亡くなられたのですね。今更ですが、ご冥福をお祈りいたします。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年6月 3日 (月)

『殺戮にいたる病』(我孫子武丸・著)読みました

Img_4130  本格ミステリーの金字塔といわれる(と、帯に書いてありました・笑)本作、読んでみました。ラストのどんでん返しがすごいと、いろいろな書評で書かれていましたので、どんな結末が待っているのだろうと期待しながら読んだのですが、正直個人的には今一つでした💦。

 お話はかなりグロ。そしてエロ。そのあたりのことも、ラストにある程度回収してくれるんだろうなあと期待していたのですが、なんとなくそのまま・・・。そしてお話の方、ラストのどんでん返しは理解できるのですが、個人的には「ふ~~ん、そういうことでしたか~」というくらいの感想でした。終わり方もとってもグロでしたしね~💧。

 読む人を選ぶ、といいますか、賛否両論ある作品のように感じました。読みたいとおっしゃる方には、まず「グロいけど、大丈夫?」と聞かなくてはなりませんね。

 追伸:実はこの本、うちの次男に薦められて読んだのです。でも、父親にこんなエロ・グロな本を薦めるなんて、恥ずかしくないのかなあ・・・と思いました。でもさすがに母親(私の奥さん)には薦められなかったみたいです(笑)。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年5月28日 (火)

『 生きてさえいれば 』(小坂流加・著)読みました

Img_4109  少し前に「余命10年」で文学好きの若者のみなさんの心に衝撃をもたらした、小坂流加さんの新作です。新作とは言いましても、小坂流加さん、もうすでにお亡くなりになられているんですけどね。この本の最後に添えられていたエピソードによりますと、前作を発売した後、出版社の方がご遺族に「もし新たな原稿が見つかったらご連絡ください」と言っておいたら、最近になって「見つかりました」との連絡があり、読んでみるとなかなか良かったので出版することにしました・・・とのことでした。前作とどちらを先に書かれたのかは、定かではありませんが・・・。

 で、この作品を読んで、まず、「粗削り」だと感じました。それはお話自体に対してもそうですし、表現についても、です。ただ、作者の境遇を考えると、推敲等をする時間がなかったのでしょうねえ。そう考えると、その「粗さ」も含めてすべてがこの作品の「味」ということになるのでしょうねえ。

 ということだとすると、もうこの表現を評価する、ここをもう少しこうした方が・・・などというのは野暮というものです。ありのままの、前作、そしてこの作品自体が彼女の「生きざま」「生きた証」ということになるのでしょうね。

 彼女の作品を、もっともっと読んでみたかったなあ・・・。今更ですが、ご冥福をお祈りいたします。

 余談ですが、表紙イラストが、これまたいいのですよ。作品に合ってます💡。
 
 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年5月23日 (木)

『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(浅原ナオト・著)読みました

Img_4157  現在見ているドラマの中で、フジTV系「パーフェクトワールド」の次に気に入ってみているドラマが、NHKの「腐女子うっかりゲイに告る」なんですよね。で、ドラマがとっても面白いので、原作も読んでみたくなり、手を出しました。

 う~~ん、おもしろい。いや、おもしろいと言っては語弊がありますが、非常に興味深い。そして考えさせられる。現代に生きる私たちにとっては、ゲイやレズビアンなどのLGBTのことはもうどこか遠い世界のことではありませんよね。周囲にもふつうにそういう方はいらっしゃいます。その方々の気持ちを理解し、ともに幸せに生きていくためには・・・という感じで、ドラマも観、原作も読ませていただきました。

 「普通」を追い求めて苦悩する、主人公「ジュン」。彼が「普通」でありたいと思えば思うほど、「普通」から遠ざかっていき、そのことがさらに彼を苦しめる。その彼の気持ちを考えると、本当に切なくて切なくて涙が出そうでした。
 周囲の人々は、本当にいい人たちなんですよね~。いえ、もちろんそうでない人もいますが。いい人の代表は亮平君。そして三浦さん。三浦さんは本当にいい人ですよね。

 ネタバレになってはいけませんので、詳しくは書きませんが、ラストもとってつけたようなものではなく、なかなかリアル。でも、希望を感じさせられるものでした。

 続編、読みたいなあ。ジュン君が、そして周りの人が幸せになる姿がみたいです。「男」だとか「女」だとかにとらわれず、「人間」として理解し合える、そんなふうになっていきたいです。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年5月16日 (木)

『 青空チェリー 』(豊島ミホ・著)読みました

Img_4079  久しぶりの豊島ミホさん。なにか、いつもの感じとちょっと違うなあと思っておりましたら、デビュー作及びその頃の作品らしいです。どうりでちょっと粗削りなのね💡。でも、心の機微や、ひだの部分をうまく描くところは、いかにも豊島さんです✨


 3篇の作品が収められていますが、私は特に最後の「誓いじゃないけど僕は思った」が特に好きです。共感が持てました。こういう情けなさ、男子はたくさんの人が経験してるんだろうなあ。新海誠監督の「秒速5センチメートル」に通じるものを感じました✨。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年5月 5日 (日)

『 続 横道世之介 』(吉田修一・著)読みました

Img_4126  数年前に大いなる感動をくれた「横道世之介」、その続編が出たということで、私もさっそく読んでみました。はじめは図書館に予約していたのですが、順番が回ってくるのが待ちきれなくて、買ってしまいました😃。ちなみに前作は、本も映画も、その年の「極私的ベスト10」の1位でした。

 今作も、世之介らしいですね~。自分はダメダメな人生を送っているのですが、その「ダメダメ」な中にも他人に対する優しさにあふれていて、周囲の人を幸せにしていくんですよね~。自分に関わった人を幸せにしていくって、本当に理想の生き方です✨。

Img_4127  今はもうこの世にいない世之介(これは前作の段階で、そうなっていましたよね)。世之介を思い出すとき、切なさとともに温かい気持ちがあふれてくる。自分も本当にそんな生き方ができたらいいなあと思いました。

 後の写真は、初版本についていた、作者のメッセージカードです。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年4月25日 (木)

『 本日は、お日柄もよく 』(原田マハ・著)読みました

Img_ いや~、このお話、実は2年ほど前から気になっていたのです。職場の読書家の同僚に進められておりまして、いつ読もうかな~とは思っていたのですよ。ただ、私が通っている町の図書館にこの本がなく、愛用している大手古本チェーン店にもなかなかおいてない・・・ということもあって、なかなか手に取る機会がまわってきませんでした。ところが最近、そのお店でようやく見かけまして、買ってみた・読んでみたというわけです


 原田マハさんの作品は久しぶりなのですが、相変わらずの切れ味。なかなかよかったです。なんといっても読後感が爽やか。クールミントのガムでも噛んだような感じです。あの、ペンギンの包みの・・・

 


 主人公は、スピーチライター。いわば政治家や社長さんなど、人前でスピーチをする人の原稿を書く人です。なかなか珍しい職業の人を主人公に据えているので、そのあたりにも興味がそそられます。でもね、この作品を読んで結局思うことは、「仕事や他人に対して誠実に接する人はやっぱり魅力的だ」ということです。

 

 このお話のなかで、野党が政権交代を叫ぶシーンがあるのですが、現実の世の中では、政権交代のあと、その政党がどんな政治をおこなったかを知っているので、どうしてもそれが物語を読んでいても思い出され、ちょっと「しらけてしまった」ところもありました。でも、「お話」は「お話」ですよね


 うまくしゃべりたい、人の心を動かす話がしたい。私もそう思います。私はやっぱり、しゃべりが下手なもので。でも、そんな私にもヒントになるようなことがたくさん述べられていました。マハさんらしい、爽やかな、いいお話でした。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

 

 

2019年4月18日 (木)

『 愛なき世界 』(三浦しをん・著)読みました

Img_4040 2019年の本屋大賞候補作です。本屋大賞は4月9日に発表され、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」が受賞しました✨。でも私もノミネート作を何作か読んでみたいと思い、「ひと」に続いて読んでみました。ちなみにこの作品は7位でしたね~。

 

 う~~ん、非常に三浦しをんさんらしい。『舟を編む』や『風が強く吹いている』同様、何かに打ち込む人を描いています。この作品では植物の研究です


 でもね、基本的には恋愛小説だと理解していいと思います。でも、ちょっと変わった物語です。一筋縄でいかない、ラストも一見、ハッピーエンドではない・・・。でも、それでも読後感は爽やか。なかなか珍しいタイプの作品だと思います。


 まだまだこの続きを読みたいなあ。お話にちょっと触れますが、本村さんと藤丸くん、お似合いだと思うんですけどね~。恋愛の形も一つじゃないし、結婚の形もひとつじゃ、ない。二人で「二人の形」を形作っていけばいいと思うんですけどね~


 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年4月12日 (金)

本屋大賞2019・・・の巻

Img_4023  少し前のお話になりますが、去る9日、今年の本屋大賞が発表されました✨。今年の1位・大賞は瀬尾まい子さんの「そして、バトンは渡された」に決まりました。う~~ん、読んでない(笑)。
 数ある文学賞の中でも私が最も信頼する「本屋大賞」。信頼する、というのは、受賞した作品を読んで「おもしろい❗」と思う確率が高いということです😃。それに、2位に大差をつけての1位、これは読んでみなくてはいけませんね💡。

 2位は、私も読んでしみじみとした感動が広がった、小野寺史宜さんの「ひと」でした。そしてそれよりも感動した三浦しおんさんの「愛なき世界」は7位でした。う~~ん、そうですか~(苦笑)。

 最近は忙しくて本を読む時間もなかなか取れませんが、今年度もいい作品にたくさん出会いたいと思います✨。

2019年4月 1日 (月)

『 ひと 』(小野寺史宜・著)読みました

Img_4023_2 2019年本屋大賞ノミネート作品。私が参加させていただいている某読書SNSでも高評価の本作品、図書館に予約をしてしばらく待ち、ようやく読むことができました。で、その感想は・・・。


 う~~ん、いいお話なんですけれど、大感動とまではいかなかったかな~。ラストも、「えっ、これで終わり?」というものでしたし。ここから本当のお話が始まるんじゃ、ないの~?」って感じで。


 でもね、このお話、読み終わってすぐに感動の嵐が来るというよりは、しばらくしてからじわじわと感動が心に広がっていく・・・といった作品ですよね。読み終わって一日ほど経つ今の方が、読み終わった直後より、感動が染みわたっている気がします


 人間、思いもよらぬことが起こったりしますが、その時々の「すべきこと」を誠実にこなしていくと、道は開けるんですよね~。そういうことを強く確信させていただける物語でした。でも本当に、続きが読みたいな~


 余談ですが、私、優先座席の件にしても信号待ちの件にしても、青葉と同じ感性だなあと、ちょっとホッとしました


 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

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