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2020年1月 8日 (水)

2019・読んだ本、個人的ベスト10

Img_4411_20200106191201  それでは今年も、これもやっておかなくてはいけませんね。昨年(2019年)読んだ本の極私的ベスト10です。昨年は『朝が来る』から『祝祭と予感』まで、漫画を除いて35冊読みました。その中でのベスト10です。それでは10位から発表させていただきます。それぞれ寸評を加えさせていただきましたが、もし興味を持っていただければ、それぞれの作品の記事(過去の記事)も読んでいただければ嬉しいです。

 10位・・・ノーサイド・ゲーム(池井戸潤)
       言わずと知れた池井戸潤さんの作品です。昨年、そして今でもラグビーがこんなに盛り上がったのは、このドラマのおかげだと思っています。ラグビーファンとして、本当にありがたかったです。本の方は、池井戸さんの王道です。

 9位・・・愛なき世界(三浦しおん)
       ちょっと変わった恋愛物語です。でも、いわゆる「普通じゃない」ところが好感が持てるんですよね。おもしろかったです。

 8位・・・吉祥寺の朝日奈くん(中田永一)
       中田永一さんらしい、一筋縄ではいかない恋愛物語です。吉祥寺、住んでみたいなあ。

 7位・・・彼方の友へ(伊吹有喜)
       戦前・戦中の出版社を舞台にした作品。セピア色が目に見えるような気がします。切なくて、いい作品です。

 6位・・・いとみち(越谷オサム)
       三巻まとめての評価です。青森を舞台に、一人の少女が「いいひとたち」に出会って成長していく物語です。とっても爽やかで、読後感もすっきりです。

 5位・・・まつりのあと(花房観音)
       いつもはかなりエロい作品が多く、ほかの人にはなかなか紹介できずにいるのですが、この作品はなかなかバランスよく、平安神宮での結婚式に参列した様々な人々の、それぞれの人生をうまく描いています。人生いろいろ、です。

 4位・・・ライフ(小野寺史宜)
       小野寺作品では「ひと」とどちらをランクインさせようか迷いました。世間では「ひと」の方が評判がいいようですし。でも、私はこちらの方がしっくりきたかな。読み終わると「人生っていいな」と思えるようになります。

 3位・・・彼女が好きなものはホモであって僕ではない(浅原ナオト)
       この本は、私に新しい目・考え方を開かせてくれた本です。人間って、ほんと様々です。様々で、それでいいんです。NHKのドラマでよかったです。

 2位・・・東京會館と私(辻村深月)
       これも上下巻合わせて、です。東京會館を舞台に、そこに交錯する様々な人の人生を描く物語です。心が温かくなります。

 さあそして、昨年の1位は・・・蜜蜂と遠雷(恩田陸)
       同じ年に直木賞と本屋大賞を同時受賞した本作。時間ができてから読もうと置いてあったのですが、昨年末、ついに読むことができました。う~~ん、素晴らしい。さすがの作品でした。映画もぜひ見てみたいです。

 さあ、2020年も始まりました。今年はどんな作品に出会えますやら。映画もそうですが、人生に楽しみを与えてくれる本に、一冊でも多く出会いたいです。いい作品があれば、教えてくださいね。

2019年12月18日 (水)

『 祝祭と予感 』(恩田陸・著)読みました・・・の巻

Img_4769  『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ作品集です。どの作品もコンパクトにまとめられているので、とっても読みやすいです。正直に書きますと、「蜜蜂・・・」を読まずにこの作品だけを読んでもそれほど心に響かないのではないかと思いますが、「蜜蜂・・・」を読んだあとでこれを読むと、あの感動がいい感じでよみがえってきます。素敵なアンコール作品です。
 個人的には「袈裟と鞦韆」が秀逸でした。特に最後の一行には心を持っていかれます。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年12月12日 (木)

『 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 』(Jam・著)読みました

Img_4732  いわゆる自己啓発本です。この手の本は信用しすぎず、頼りにしすぎずに読むのがコツです。そういうスタンスで読むと、心に響く言葉が、けっこうたくさんあります。もしかしたら元々自分でも知っていた言葉かもしれませんが、言ってもらうと心が少し軽くなります。

 この世で生きていく限りは、誰かと関わらずに生きていくことはできませんよね。そして、時にはその人間関係に疲れてしまう。悪意が自分に向けられたわけではないのに、自分で勝手にそんな風に解釈して、勝手に疲れてしまうことすらあります。そんなときにこの本を読むと、少しラクになれる気がします。

 人間関係を少しでも好ましいものにしたいとき、相手に変わってもらうことを期待してもダメですよね。とすると、自分が変わらなければ。その「変わっていく勇気」が少しもらえるような、そんな本です。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年12月 7日 (土)

『 蜜蜂と遠雷 』(恩田陸・著)読みました

Img_4734  第156回直木賞、そして2017年の本屋大賞受賞作です。ダブル受賞というのは”まれ”で、それだけ期待が高まります。ただ、分厚い(苦笑)。ですので、読みたいなあとは思いながらも、あまり時間がなさそうな時には手を出しにくく、ここにきてようやく読むことができました。読みだしたら、一気読みでしたよ!

 音楽を愛した、音楽に愛された若者たちの群像劇。それぞれの方に、それぞれのドラマがあります。一人ひとりの心の機微、そして彼ら彼女らが紡ぎだすリズム・旋律、そして世界観をこんなにまで見事に描き出す恩田陸さんに感服しました。本当にページから曲が聴こえてきたようでした。風間塵くん、栄伝亜夜さんも素敵でしたが、私は高島明石さんに感情移入しました。

 読み終わってから「蜜蜂と遠雷」というタイトルを味わうと、なおさら感慨も深くなります。本の表紙の絵も、いいですよね。

 本当にもう、すべてが圧巻でした。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です)

『 ライフ 』(小野寺史宜・著)読みました

Img_4731  今年度(2019年度)の本屋大賞で2位だった「ひと」の作者、小野寺史宜さんの作品です。今回も小野寺さんらしい作品でした。

 「自分には何もない」と感じ、さえない日々を送っている主人公・井川幹太。その彼の日常を、淡々と描く物語。どちらかといえば他人とコミュ二ケーションを取るのが苦手で、自分から積極的に動こうとはしない幹太。けれど「特に何もない」日常のなかで、少しずつ周囲の人とかかわりを持つようになり、そこから人生が広がっていく。特に刺激的なことは起こらないんですが、それでも「人生っていいな」と思わせてくれる物語です。私もどちらかというと、他人とコミュニケーションをとるのは苦手な方なのですが、少しだけ積極的になってみようかなと思わされました。

 読後感は極めて爽やか。人生を肯定したくなる物語です。この作品でいくつか名言に出会ったのですが、それはまた、次の機会に。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年12月 4日 (水)

『太陽はひとりぼっち』(鈴木るりか・著)読みました・・・の巻

Img_4700  「さよなら、田中さん」で衝撃的なデビューを飾った鈴木るりかさん。今作はその続編です。あの花実母娘、そして三上君にまた会えるということで、とっても楽しみでした。

 今回は3編の作品が収められています。本の半分以上を占める、花実のお母さんの生い立ちが語られる表題作、そして高校に進学した三上君を描いた「神様ヘルプ」、そして中学時代の担任・木戸先生の家族のことを描いた「オーマイブラザー」です。個人的には表題作よりもあとの2編の方がよかったです。どちらもなかなか深かったですし、特に「オーマイブラザー」は現在よく取り上げられる人権問題(ここではネタバレを避けるために、この表現にしておきますね)をテーマに、心を打つ作品に仕上がっていると思います。

 ただ、ここからはちょっと辛口なことを書きますが、正直、やっぱり「さよなら、田中さん」の方がよかったかな。鈴木るりかさんは「さよなら、田中さん」「14歳、明日の時間割」そして本作と3冊の本を出されていますが、ちょっとずつグレードが下がってきている感は否めません。この感じは、あくまでも個人的な感想なのですが、吉本ばななさんを読み続けた時にも感じたことです(吉本ばななさんの本も、個人的にはデビュー作「キッチン」が一番好きです)。鈴木るりかさんは現在まだ高校1年生、その成長とともに、なくさないものはなくさないで、いい作品を書き続けていただきたいと思います。花実のその後、そして個人的には三上くんのその後を見守っていきたいです。

 でもね、面白かったことは間違いないのです。悪くはなかったのですよ。おすすめの一冊であることは、間違いありません。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年11月28日 (木)

『 きのうの影踏み 』(辻村深月・著)読みました・・・の巻

Img_4689  普段はそれなりに長い小説を書く辻村深月さんの、言ってみればホラー短編集です。一つひとつのお話が本当に短い。けれどそれゆえ、無駄な表記がなく、余韻を残してそれはまた怖い。そして単にお化けが出てくる・・・などではなく、日常に潜む恐怖を描いているので、本当に怖い。辻村さん、こういうお話も書けるんだなあと、これまた感心しました。
 どのお話もおもしろかった(怖かった)ですが、私は特に「手紙の主」「ナマハゲと私」「七つのカップ」がよかったです。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年11月21日 (木)

『 くちびる遊び 』(花房観音・著)読みました

Img_4587  ”性をとおして生を描く”作家、花房観音さん。彼女が描く、文豪シリーズ第2弾です。今回は「舞姫」(森鴎外)、「高野聖」(泉鏡花)、「駆け込み訴え」(太宰治)、「人間椅子」(江戸川乱歩)、「みだれ髪」(与謝野晶子)、の五作品を元に、花房観音さん独特の味付けでその世界を再構築しています。どの作品も、それなりに面白かったですが、私はもともとの作品が大好きな「悦楽椅子」がよかったかな。
 でも、その第1弾「花びらめくり」の方が正直、面白かったです。実はすでに第3弾も発売されているとのこと。そちらの方にまた期待しましょう。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年11月11日 (月)

『 百瀬、こっちを向いて。 』(中田永一・著)読みました

Img_4482  以前から気になっていました中田永一さんの短編集を、ついに読むことができました。タイトルもいい感じですし、映画にもなっていますしね。

 実際に読んでみますと、青春時代の一シーンを切り取ったような、きらきらとした作品が4編。でもね、よくある作品とはちょっと違い、中田さんならではの一筋縄ではいかない感じがとっても心地よかったです。

 特に個人的には表題作と「小梅が通る」がよかったです。『吉祥寺の朝日奈くん』もよかったですが、こちらも甲乙つけがたいほどよかったです。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年10月22日 (火)

『 花びらめくり 』(花房観音・著)読みました

Img_4425  「性によって生を描く」花房観音さんの著書であります。今作は近現代の有名な小説作品にインスパイアされて書かれた、言ってみればスピンオフ作品のような短編小説集です。元になった作品を列挙しておきますと、「藪の中(芥川龍之介)」「片腕(川端康成)」「卍(谷崎潤一郎)」「それから(夏目漱石)」「仮面の告白(三島由紀夫)」です。どの作品もおもしろかったですが、個人的には「藪の中の情事」「片腕の恋人」そして「それからのこと」が面白かったです。どれも真理だなあと感じさせられました。「卍の女」も「仮面の記憶」もそれぞれに谷崎・三島らしくて、原作を読んでみたくなりました。

 同じような趣旨の、有名作品を花房観音さんが味付けした作品がほかにもあるようですので、また読んでみたいと思います。あまり大きな声では言えませんが、花房観音さん、やっぱりおもしろいです。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

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