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2019年10月17日 (木)

『 アイネクライネナハトムジーク 』(伊坂幸太郎・著)読みました

Img_4527  先日映画を観に行きましたら、この作品が映画化されていると知り、それならまずは原作を読んでみようと思いまして、図書館で借りてきました。

 う~~ん、ちょっとハードルを上げすぎましたかね~。基本的には短編集。でも、登場人物がつながっており、それぞれがそれぞれの物語で主人公になっているのは好みの構成です。でもね、最後まで読んでもちょっと悶々としたものが残りました。すべてのお話がつながって「すっきり~」という感じではなかったんですよね。私が知りたいことの結末が書いてなかったり・・・。

 面白くないことはなかったのですが、個人的にはちょっと消化不良かな。映画はもう少しすっきりしてそうですし、時間があれば観に行きたいです。主役はお気に入りの多部ちゃんですし。

 追伸:実は、映画よりも先に本を読んだのですが、ここにアップする順番が逆になってしまいました。なにか、すみません。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年10月 9日 (水)

『 あきない世傳 金と銀 第七巻 』(高田郁・著)読みました・・・の巻

Img_4448  前巻の第六巻から一年待ちました(笑)。でも、待った甲斐はありました。今回はほとんどひやひやするお話はなく、努力が報われ、読後感さわやかといった巻になりました。

 本当にこのお話、いや、このお話だけではなく高田郁さんのお話は、登場人物、特に主人公がほかの人の気持ちを大切にしようと常に考えています。それを世間では「誠意」「誠実」と呼ぶのですが、この巻ではそれが際立っています。このお話で、人間としての生き方を再確認させられました。

 五十鈴屋江戸店、ますますの発展を期待したいと思います。そして、妹・結ちゃんの淡い恋も応援したいですね。次の第八巻はいつ出るのでしょうか。またまた待ちきれません。


 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年10月 2日 (水)

『 まつりのあと 』(花房観音・著)読みました・・・の巻

Img_4308  花房観音さんといえば、まずは強烈な性描写が特徴的な作家さんです。そのあたりにアレルギーがおありの方も、いらっしゃるんでしょうね。でもねその作品は単なる「エロ小説」ではなくて、しっかりと人間を、人生を描いてらっしゃる。ですので、私にとっては大好きな作家さんなのです。「大好きだ」と声を大にして言うのははばかられますが(笑)。

 ただし今作「まつりのあと」は今までの作品とはちょっと違った印象です。「性」を中心に描いてはいますが、その描写が他作品に比べて極端に少ない。そしてその代わりといっては何ですが、「人生の機微」みたいなものを多めに書いてらっしゃるように感じました。

 平安神宮で行われた結婚式に出席した方々の、それぞれの人生をそれぞれに描いています。みんな、その場では「にこにこ」と笑っていますが、それぞれにいろいろな人生を抱えているんですねえ。そしてこの作品集では、やはり盛りをちょっと過ぎた、人生の寂寥感・寂寞間みたいなものが描かれています。やっぱり人生はさみしいものだなあと、知らない間にそこそこの年齢になった私も共感したりしました。

 追伸ですが、この作品集なら、ほかの人に勧めることができます(笑)。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年9月25日 (水)

『 のび太の月面探査記 』(辻村深月・著)読みました・・・の巻

Img_4295  たしかこの春だったでしょうか?映画ドラえもんの脚本を本屋大賞を取られた辻村深月さんが書かれて、話題になっていましたよね。その原作小説を読んでみました。

 う~~ん、ドラえもんマニアだけあって、辻村深月さんのお話、まったく違和感がありませんでした。映画はまだ見ていないのですが、どの場面も想像に難くない、といいますか勝手に頭の中に映像が浮かびました(笑)。

 正直に書きますと、もっともっと辻村色が出ているのかなあと思ったのですが、それほどでもありませんでした。いいお話でしたが、言われなければ辻村深月さんが書いたとは思わなかったと思います。そういう意味では、もっと独特の「色」を出してもらってもよかったかな。

 ドラえもんの世界観を壊さず、辻村色が隠れている・・・そんなお話でした。よくできたドラえもん映画といった感じでした。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年9月12日 (木)

『 ボクたちはみんな大人になれなかった 』(燃え殻・著)読みました・・・の巻

Img_4290  どちらかというと、最近はやりのラノベのような印象の作品です。ですので、気軽に読めます。けれど、主人公がいわゆるアラフィフ、そしてその彼が若かりし頃を懐かしむ・・というお話ですので、50歳を超えた私も、感情移入しながら読むことができましたよ(笑)。

 本当に、こういう、過ぎ去りし日々を懐かしく、切なく思う。もっと言いますと、別れた彼女に対する思いを、いつまでも持ち続けてしまう・・・というのは、ある意味鉄板ですよね(苦笑)。新海誠監督の「秒速5センチメートル」しかり、山崎まさよしさんの「いつでも~さがしているよ~どこかに君の姿を~」然りです(笑)。私もしっかり切なくさせられてしまいました。
 現在はそれなりに幸せに暮らしている、昔の彼女を思い出しても別にどうしようということはない・・・どうしようということはないけれど、それでも時々思い出してしまう。まだ、何者にもなれなかったあのころ、将来何者になれるか不安だったあのころ、そのころを支えてくれた彼女・・・。言い残した言葉も、やり残したことも山ほどあるけれど、今となってはもうどうしようもない・・・。そんな、特に男性ならだれでも心の中にあるような思いを、しっかりと描いています。

 巻末に寄せられたあいみょんさんの文章も、よかったです。切なさを倍増させてくれました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年9月 3日 (火)

『 凍原 』(桜木紫乃・著)読みました

Img_4265  久しぶりに桜木紫乃さんの世界を堪能したくて、読んでみました。う~~ん、相変わらず暗い(笑)。場末としての北海道の、閉ざされた行き詰った雰囲気。息が詰まりそうな空気の中、どうしようもない生き方を強いられた人々が、それでも何とか生きていく。特に、樺太から引き揚げてきた十河キクの生き方が、すごすぎて圧倒されます。

 正直、「ラブレス」ほどには心を動かされませんでしたが、それでも桜木紫乃節は健在。その雰囲気は十分に堪能できました。主人公、松崎比呂さんがなかなか魅力的な人でしたので、この方を主人公にしたシリーズを書いてもいいのでは・・・と思いました。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年8月25日 (日)

『 花酔ひ 』(村山由佳・著)読みました・・・の巻

Img_4223  「おいしいコーヒーの入れ方」あたりを白村山だとすると、これは完全なる黒村山。かなり激しい性愛の世界を描いています。もうね~花房観音さんですか?って感じです。
 でもね、花房観音作品ほどは、人間の業を描くところまではいってないんですよね~。性の深淵を描くって感じではあるのですが。なかなかハードな性描写。けれど、正直読みどころはそれだけかなあ。あと、京都、そして江戸の伝統的な味わいは感じられるんですけどねえ。お話としては正直、いまひとつといったところでした。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2019年8月21日 (水)

『 ノーサイド・ゲーム 』(池井戸潤・著)読みました・・・の巻

Img_4411  現在日曜日夜9時よりTBS系で放送されているドラマ「ノーサイド・ゲーム」。ここでも時折書かせていただいておりますように、毎回観ては泣いております。ラグビー関係者の私としては、思い出すこともたくさんありまして、どうしても泣いてしまうのです。
 その原作本をぜひとも読んでみたいと思い、私がいつも利用させていただいている近所の図書館に予約していたのですが、ようやく順番が回ってきましたので(1か月ほど待ちました)、読んでみました。ほとんど一気読みでした。

 池井戸作品としましては、他の作品に比べて企業内の人間関係とか、どんでん返しとか、勧善懲悪といったものはちょっと「薄め」でした。その点においてちょっと物足りないと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、その分、ラグビーの魅力を描くところに力点が置かれていますので、私としましては、十分(いや、十分以上に)楽しむことができました。

 ラグビー大好き、そしてラグビー関係者の私としましては、本当に「よく書いてくれました!」とお礼を言いたい気持ちです。ラグビー界を取り巻く現状も含めて、ラグビーの魅力、そして今後の進むべき道筋を描いてくれています。

 本当に、行動の基本は「フェアであるかどうか」なんですよね。それは試合中もそうですし、試合を離れても、そう。人間、生きていくうえで絶対に忘れてはいけないことだと思います。そしてラグビーというスポーツは、そういう生き方を教えてくれるスポーツなのです。

 もうすぐ日本でラグビーワールドカップが開かれます。この本そしてドラマによって、少しでも多くの方にラグビーの魅力が伝わればいいなあと思います。そして、ワールドカップが終わってからも、ラグビーがひとつの文化として(プロ野球やサッカーのように)日本に根付いてくれればいいなあと、本当に思います。ラグビーは本当にいいスポーツです。生き方を教えてくれます。そういうことを描いてくださった池井戸潤さん、本当にありがとうございました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2019年8月 6日 (火)

『 平場の月 』(朝倉かすみ・著)読みました・・・の巻

Img_4287  第161回(2019年上半期)直木賞にノミネートされていた本作、以前からかなり気になっていましたので、読んでみました。

 主人公はいわゆるアラフィフの”青砥(男性)”と”須藤(女性)”。人間50歳近くまで生きてきましたら、いろんなことがありますよね。そして、良くも悪くも物分かりがよくなってしまい、我慢強くもなってしまう。若い時だったらちょっとぐらいの障害にぶつかっても「何とかなるだろう、何とかしてやる」と思ったりもするのですが、このぐらいの歳になると、どうにかできるものかどうか、すでに分かってしまう・・・。

 

 その「分別盛り」の二人の「恋愛」を滋味にあふれた目線で描く本作、お若い方が読んだらどのような感想を持たれるのかは想像つきませんが、ちょうど主人公たちと同世代の私が読むと、もう本当に切なくて何とも言えませんでした。特に、読んだ直後よりも、数日たってからの方が心に”ず~ん”とくる。もうね~、やっぱり悲しいですわ。いろんなことを飲み込んで生きていくのが人生だとは思いますが、”須藤”にはもう少しわがままになって、甘えてほしかったな~(ちょっとしたネタバレです)。

 結果、直木賞は逃しましたが、滋味にあふれたいい作品でした。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

 

2019年7月26日 (金)

『 吉祥寺の朝日奈くん 』(中田永一・著)読みました・・・の巻

Img_4218  私、個人的には短編集はあまり好きではありません。一つひとつのお話が短いがゆえに、あまり深く感動できないことが多いからです。けれどこの作品集、短編が5作品収録されているのですが、どのお話もなかなか良かったです。「短編集」ということになると、面白くない作品も当然あったりするのですが、この本の作品は表題作をはじめ、どれもよかったです。

 「交換日記はじめました!」は、途中からどんどんちがう人が出てきて、どこに決着するのか、とっても興味深く読めました。「吉祥寺の朝日奈くん」は吉祥寺愛にあふれていて、私もその街で住んでみたかったなあと思いました。お話の肝であるどんでん返しも面白かったです。それ以外の散策も、それぞれに先が気になり、結果としてこの本自体、一気に読んでしまいました。

 「ダンデライオン」は個人的にはあまりはまらなかったのですが、この作品集は、さすが中田永一!と思わされました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

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