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2016年9月27日 (火)

映画の話・1168 「 怒り 」

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 2016年の日本映画です。

 原作既読。あの重い原作をどのように映画化するのかと、楽しみにしておりました。そして不安も半分・・・。結果、うまく映画化したなあと感心しました。内容はほぼ原作通り。監督さんの細かい心配りが随所にみられ(時折出てくる犯人の写真が疑わしき男三人=松ケンさん・森山未來さん・綾野剛さんの三人を合わせたような顔だったのはちょっと笑いました)、また出演されているみなさんの力の入った演技もあって、重厚な作品に仕上がっておりました

 東京のある街で殺人事件が起こり、犯人は逃走中。そして東京と千葉、そして沖縄にそれぞれ犯人と思しき男が出現。周囲の人は「この男がもしかしたら犯人か?」と思い始める。
 例えば自分の身体に調子の悪いところが出てきたとき、その症状や病名をネットでいろいろ調べたりします。そうするともう自分はその病気だと思えてきて、やがてその病気以外ではありえないと思うようになってきます。人間って疑いだすと、そうとしか思えなくなってくるものなのですよね。この作品もそういう人間の心理をうまく表現しております。3人の怪しい人物・・・けれど確実にそのうち2人は違うのですけれどね。
 この作品、犯人は誰だ?と思いながら観るのもありだとは思いますが、監督さんが本当に伝えたかったことは別のところにあったのではないかと思います。つまり「信じることの難しさ」「疑い始めると、そうとしか思えなくなってくる」などなど。
 本当に、人を信じるのは難しいですよね。特に人間関係がより希薄になってきている現代においては、本当に難しいと思います。信じたいと思いながらも信じ切れず、疑ってしまった自分を責める・・・。人間関係って、本当に難しいですね。そして信じると裏切られたりするので、本当に本当に難しいです

 こういう人々を実力派のみなさんが力の入った演技でまさに「魅せて」くださいます。渡辺謙さんも宮崎あおいさんも広瀬すずちゃんも森山未來さんも妻夫木聡さんも綾野剛さんも、そしてそのほかの方々も、人間の「業」とでもいうべき切ない姿を見せてくださってます。それぞれにお見事です(妻夫木くんと綾野さんのシーン、はじめは「うわ~」と思って目を半分伏せながら観ていたのですが、最後には普通に観られるようになりました。そしてその「切なさ」「悲しさ」を普通に感じられるようになりました)。

 この作品を観て、人と人とのかかわりの中で「生きる」ということを考えさせられました。だまされても信じるか?だまされるのが嫌だから信じないか?この映画を観て何を感じるかは人それぞれだと思いますが、私は「人を信じられることの幸せ」「信じてもらえることの幸せ」を強く感じました。裏切られるのは嫌ですけれど、人を信じられなくなるのはやっぱり悲しいです。裏切られても信じたい・・・なんてきれいごとを言うつもりはありませんが、それでもやっぱり信じて、信じられて、生きていきたいです。この作品、まさに力作でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

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コメント

私も見ましたよ〜^ ^
原作がかなり面白かったので、映画楽しみでした!
上手く作ってありましたね、皆さん熱演で飽きなかったです。
信じること、信じてもらえること…色々考えました。
DVD出たらまた見たいくらい面白かったです!

もぐさんへ

 原作も読まれてたんでしたね~。原作の世界観を壊さず、いい作品に仕上がってましたね。本当にいろいろ考えさせられました。

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