フォト
無料ブログはココログ

« 映画の話・1168 「 怒り 」 | トップページ | 人間は、二度死ぬ。 »

2016年9月27日 (火)

映画の話・1169 「 聲の形 」

Img_4229

 2016年の日本映画です。

 原作未読。内容は全く知りませんでした。物語の舞台になっている岐阜県大垣市が好きで、どんな風に描かれているのかなあと、大垣市観たさで観に行きました(笑)。映画の中では特にどうということもない描かれ方でしたが、作品としてはよかったです。

 障がいを持っている人を取り巻く問題、いじめの問題、友人間のトラブルの問題、過去の失敗をいかに取り戻すかの問題、などなど、様々な問題をはらんでおりました。どこに焦点を当てて観るかは、観る人によって違うということでいいんじゃないでしょうか。
 でも、どの問題もリアルに描かれていました。もっと「きれいごと」「表面的」に描いているのかなあと思ったりしていたのですが(そういう作品が割と多いので)、けっこうリアルでしたねえ。小学校時代の石田将也に対して「どうしてそんな意地の悪いこと、するんだ?」と腹が立ったりしますが、当時の本人は特に悪気はないんでしょうね。「そう」思うから「そう」する、というだけなんでしょう。でも悪気がないから「いい」というものではありません。その言動によって傷ついている人がいるのだから、やっぱりそういう言動はダメです。そこに「いじめ」の本質があるように思います

Img_4243


  「いじめ」の問題に関していえば、もう一人興味深い人物がいました。川井みきさんです。HPのキャラクター紹介でも「まじめで正義感が強い」と紹介されていますが、違いますよねえ。映画の中でもズバリ言われていましたが、彼女は自分が可愛いだけですよね。自分が大切なだけ。彼女は「その他大勢」「特に先頭に立っていじめたりはしないけれど、助けたりもしない、その他大勢の生徒」の象徴として描かれていたように思います。本当は彼女のような存在が一番悪いような気がします。いえ、いじめるやつが悪いのですけれど、彼女のような立場も同罪だということです。

Img_4242


 いじめのことばかり書いてきましたが、この作品(原作は知りません。この映画は、ということです)は結局のところ、石田将也の成長物語ですよね。様々な「失敗」をいかに乗り越えるか、というところでしょうか。中学・高校世代の若者っていうのは残酷ですから、そこでの友人間のトラブルをリカバーするのはなかなか難しいことだと思います。ただ、人間は失敗する生き物です。失敗しない人はいません。そういう視点で考えると、将也がどうやってリカバーしていくか、失敗を取り返していくかというのは、とっても興味深いです

Img_4237


 原作はまだ読んでいませんが、純粋に一本の映画としてこの作品を観て、とてもよかったと思います。顔に貼りついた×がはがれていくところは、なかなかに感動的でした。重いテーマをもったいぶらずにそれなりに観やすく描いた、なかなかの好作品でした

 ここで追伸:登場人物の中では佐原みよこさんも好きだったのですが、一番よかったのはなんといっても永束友宏くん。彼のキャラクターは本当によかった。映画では多くは語られていませんでしたが、彼は将也によって救われたんでしょうね。そして将也も彼によって救われる。これが友達の姿なんでしょうね。楽しくも重要な役を担っておりました。いいキャラでした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

« 映画の話・1168 「 怒り 」 | トップページ | 人間は、二度死ぬ。 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 映画の話・1168 「 怒り 」 | トップページ | 人間は、二度死ぬ。 »