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2016年9月27日 (火)

映画の話・1167 「 オーバー・フェンス 」

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 2016年の日本映画です。

 『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く佐藤泰士さん原作による函館三部作の最終編です。相変わらず、「さいはての地」としての北海道・函館に生きる人々の「生きづらさ」、そしてその「生きづらさ」の中で何とかもがきながら生きていこうとする姿を描いています。前二作の熊切和嘉監督・呉美保監督も佐藤泰士さんの世界をよく表現されていたと思いますが、今作の山下敦弘監督も、前二作のお二人とはまた違った感じで、つまり閉塞感の中にも希望を持たせるような感じで、その世界観をよく表現されていたと思います

 出演されていた方々も、みなさんよかったですね~。訓練校のみなさん、本当にクセのある方ばかりで、自分としてはあの中で訓練したくないとは思いましたが(笑)、人それぞれいろいろなものを背負って生きているんだなあということをみなさんよく表現されていたと思います。そしてその中でもやっぱりオダギリ・ジョーさん、クールに生きていながら時々欝々としたものが抑えきれなくなるその演技、お見事でした。そしてもうひとりの主役・蒼井優さん。彼女は本当に見事でしたね。あそこまで思い切ったお姿!を見せてもらえるとも思っていませんでしたが、とにかく心に傷があり、ときどき自分で自分が抑えきれなくなり、そして苦悩の中でどうしようもなくなっていくというその演技、さすがは蒼井優さんという演技でした。『そこのみにて光輝く』の池脇千鶴さんも見事でしたが、今作の蒼井優さんも負けていませんでした。

 函館三部作は最初にも書きましたように、「人間の生きづらさ」そしてその「生きづらさの中でもなんとかもがきながら生きていこうとする姿」が真摯に描かれているのですが、前二作はその「もがいている姿」により焦点が当てられていたように思います。ところがこの「オーバー・フェンス」は「その先にある希望」により焦点が当てられていたように思います。観ていて苦しくなる場面もありましたし、切なくなる場面も多かったですが、それでも最後まで観ると、何かしら爽やかな風が心の中に吹き去っていきました

 生きていくのはやっぱり苦しいことですよねえ。けれど、「毎日」と誠実に向き合って、「しんどいこと」の中に「ちょっとした楽しみ」「幸せ」を見つけて生きていきたいですよねえ。人間はそれほど強くない、けれどそれほど弱くもない。一人ではしんどいことも片寄せあっていけばなんとか生きていける。そんなことを教えてくれたような映画でした。観終わって心の片隅が少し温かくなりました

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

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