映画の話・1096 「 百円の恋 」
日本アカデミー賞、最優秀主演女優賞受賞記念。
2014年の日本映画です。
まあどなたもおっしゃっられますように、安藤サクラさんに尽きます。以前から彼女の存在感はすごいなあと思っていましたが、この作品を観て、その思いはますます大きくなりました
。
オープニングシーン、TVゲームをするサクラさんの後ろ姿、そのはみ出したおなかに、彼女のダメダメさが象徴されておりました。ここからして名演技なのですけれど、映画が始まったあたりの彼女はほんとダメダメで、見ていて腹が立ちました。お姉さん(妹?)が腹をたてるのもよ~くわかります。
でも本当は彼女自身も変わりたかったんですよね。でも、どうしていいかわからない。とりあえず一人暮しを始めて、とりあえずアルバイトを始めて・・・。でも、とりあえずなにか始めるっていうことは大切だと思います。なにかを始めなきゃ、なにも始まりませんから。
そんな日々のなか、ボクシングと出会い、ここから人生が変わりはじめます。ダメダメな人に囲まれて、ダメダメな日々を送るなかで、だんだんとボクシングが自分の中心になっていきます。変わっていく安藤サクラさんがこの映画のひとつの見所です。また、「ここ」というときに流れる音楽がかっこいいんですよね。ユーライア・ヒープかもっと古くはフラワートラヴェリンバンドかと思いました(笑)。
最後、試合には・・・・・・ですが、彼女は「大切なもの」をつかんだように思います。今まで負け続けてきた人生の中で、「一度勝ちたかった」と号泣しますが、勝ちたいと思って挑戦し続けるかぎり、なにかしらの「手にいれるもの」はあるのだろうと思います。
ラストも今後の希望を予感させる終わり方。人生はまだまだ続くけれど、頑張っていればいいことあるよ、そう感じさせてくれた作品でした。
追伸:ダメダメな人が多く出てくる本作ですが、特にダメダメに感じたのが百円コンビニで働いていたあのおじさん。もうほんと、いちいち腹立ちました。最後もあんなだし。まあ、観ているものをこんなに不快にさせるということは、あの俳優さんが上手いということなのでしょうけれど、それでも私は関わりたくない・・・といいますか、そばにも来てほしくないです。ほんま、気分悪い!
私の評価:☆☆☆☆☆(本当は4.5くらいですが、安藤サクラさんの名演に満点です)
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