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2015年1月28日 (水)

『夜のピクニック』(恩田陸・著)読みました

Img_0883 以前映画を観ていたく感動し(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2009/10/post-4541.html)、原作も読んでみたいなあとずっと思っていた本作品、ようやく読むことができました

 主人公たちが通う学校の行事「歩行祭」。ただ夜じゅう歩くだけなのにこんなにも切なく、「青春」がきらきらしているのはなぜでしょうか。でも本当に、取り立てて大きな事件が起こるわけでもなく、劇的な出来事があるわけでもないのに、読んでいるうちにどんどん引き込まれていき、最後には甘く切ない気持ちが胸の中いっぱいに広がります。それは読んでいるうちに誰しもが自分の高校時代・青春時代を思い出すからでしょうか。

 いえ、「劇的な出来事があるわけでもない」と書きましたが、主人公たちの置かれている状況は、けっこう劇的です。それは「宿命」と呼んでもいいものかもしれません。その「宿命」ゆえ素直になれず、心の中にわだかまり・引っかかりを持っている主人公、貴子と融。その二人の気持ちが「歩いている」うちにだんだんとほぐれていきます。心に引っかかりがある時のすっきりしない感じ、それからそれがほどけて言った時のすっきりした感じ、よくわかります。そのあたりの心の動きが、本当によく描かれています。本当に自分も一緒に歩いているような気持ちになってきます

 それから主人公二人を取り巻く友人たちも、いいんですよね~。「こういうやつ、いるいる」って感じで。学生時代の、なんの損得もなく付き合えたあの感じ、本当に懐かしいです

 あととにかく本作品の魅力は、青春時代にありそうなこと・・・ちょっとしたことにこだわったり、悩んだり、喜んだり、凹んだり。そういうことがうまく切り取って表現されているところにあるんでしょうね。それに学校行事の高揚感、非日常的な感じ・・・。文化祭や修学旅行の前になにかしらみんな盛り上がってカップルができたり、行事が終わるとそれがまた別れたり・・・よくありましたよね。

 その「高揚感」の中での生徒一人ひとりの心の機微が描かれている、それが見事なんだと思います。

 本作を読んで、改めて映画を観てみました。ほぼ原作通りに空気感を壊さずに描いているところに、改めて感動しました。それに、貴子の役は本当に多部ちゃん、ぴったりでした。芯が強そうで、心の中でいろいろと苦しみも抱えていながら顔に出さない感じが

 本当に、本作品、ザッツ青春です。青春小説の傑作・名作と呼んでも過言ではないと思います。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。でも本当は満点を出してもいいくらいです)

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コメント

これ、いいですよね~ おっしゃる通り、学校行事の高揚感と、思春期の若者の心情がベストマッチ。
たしか第二回の本屋大賞受賞作だったと思いますが、この頃の本屋大賞はほんとうに『売りたい本』を誠実に選んでいたと思います。
最近はすでに売れてる本、売れる予定の本ばかり。
つまらなくなりました。

生ハムメロンさんへ

 この作品を読むと、高校時代を思い出しますよね。私は特に修学旅行とか、文化祭とかを思い出します

 本屋大賞、私は今でもわりと頼りにしている賞なんですけどね。でも言われればそうかも。

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