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2013年12月17日 (火)

映画の話・702 「 曽根崎心中 」

33_4572361 1978年の日本映画です。

 有名な有名な近松門左衛門の作品に、映画でではありますがようやく触れることができました。大阪生まれ大阪育ちの私にはなじみ深い作品・・・のはずなのですけれど、タイトルは知っていたものの、内容についてはいままで全く知らなかったんですよねえ。お恥ずかしい。けれどこれで「お初天神(露の天神社)」や曽根崎界隈を通るときに、また違った思いを持つことができそうです



 で、本作。う~~ん、こういうお話だったのですねえ。確かにここで描かれた二人=お初・徳兵衛の「思い」「生きざま(いや、死にざま、かな)」は凄まじく、江戸当時の庶民に多大な影響を与えたというのもうなずけます。本当に観ている私たちの心に、ビンビンと響いてくるような物語でした



 そのように本作が「観ているものの心に響く作品」となりえたのは、もちろん監督さんやその他スタッフの方々の力量もあるのでしょうが、私は「お初」を演じた梶芽衣子さんの演技の素晴らしさが大きくかかわっているように思います。普通のお芝居ではなく、浄瑠璃を意識したような、まさに「芝居がかった」せりふ回し・演技。それを嫌味なく演じ、そのうえ「お初」の情念を表現する。特にラストの「心中」の場面ではその情念が溢れすぎて、私は目を背けたくなるほどでした

 もう一人、今作の中で光っていたのが「油屋の久平次」を演じた橋本功さん。もう見事な悪人ぶりでした。だいたい出てきたときから「こいつ、絶対悪い奴屋やで!」と思いながら見ていたのですが、本当にとことん悪い奴でした(笑)。そして、あの高笑い!吉本新喜劇の池野めだかさんが悪人を演じるときにする高笑い(ぎゃはははは・・・)は、この方のマネだったのだな・・・と思わせるほどの、見事な悪人笑い。参考になりました(なんのかはわかりませんが)。この方がいなければ「お初・徳兵衛」の「切なさ」、「この世での浮かばれなさ」は半減していたのではないかと思うくらいです。見事なヒールぶりでした。この方の悪役ぶりを観るだけでも、本作を観る価値あり!だとすら思ったりします。(観ている方としては、最後に久平次の悪事がばれて、ちょっとすっきりしました。あのまま徳兵衛が濡れ衣を着たままでは、観ている方も後味が悪いですので。)

 宇崎竜童さんは、正直に言いますとあまり演技がお上手ではありませんでしたね。特にせりふ回しがどうしても平板に聞こえました。けれども、本作ではそれがかえってよかったのかもしれません。もともと「芝居がかった」大げさなセリフが多い本作、たぶんこれは意図してのことだとは思いますが、宇崎さんの素人っぽさと先述のような本作の特徴がうまくマッチしていたように思います



 死んであの世で幸せになろう・・・というような、死を賛美するような内容には必ずしも共感はしないのですが、この作品が書かれた当時、現世でどうしようもない思いを抱えていた人々が本作の内容に惹かれたのもよくわかるような気がします。「江戸という時代」についても考えさせられたような、なかなか深い内容の作品でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

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