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2013年11月16日 (土)

映画の話・695 「 かぐや姫の物語 」

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 *本作品、公開前でありますが、私昨日試写会で観てきました。で、大感動いたしました。その感動を伝えるべくレビューを書かせていただいたのですが、なにせ、大きく「ネタばれ」と成ってしまいました。まだ内容をお知りになりたくない方は、また後ほどお越しください。それでは・・・。

 2013年の日本映画です。

 


 このように有名すぎる作品を改めて映画化する場合、「新しい視点」を意識するあまり原作から大きくかけ離れて「とんでもないこと」になる場合がちらほら。本作に関してもそのことをまず心配していたのですが、杞憂に終わりました。私、職業柄(なんの職業かは秘密ですが・笑)原作を細部までよく知っており、原作自体に惚れ込んでいるのですが、本作はほぼ原作通りで、そのことにまず安心しました

 ただ、ほぼ原作通りのお話に高畑監督の「解釈」を加えて、新しい物語として再構築してあるんですよね。いえ、何度も書きますが、、ほぼ原作どおりなのです。解釈を加えてある部分はごく一部なのです。けれど、その「ごく一部の『解釈』」によって、ほぼ原作通りの物語に新鮮味が加えられているのです。このあたり、ジブリの底力といいますか、高畑監督の力量を感じました



 で、その「解釈」なのですが、何についてかといいますと「なぜかぐや姫は地球に来たのか」「月で何の罪を犯したのか」についてです(原作で天人が「罪を犯したから地球に贖罪のためによこした」と言う場面があります。罪を犯したことまでは明白です。けれど原作では「どういう罪か」までは言及していません)。


    ☆☆ここからネタばれです。注意してください☆☆


 高畑監督の「解釈」・・・あくまで映画を見て、わたしがそう感じただけですので、違っているかもしれません。みなさん、突っ込まないでくださいね(汗)。突っ込まれても、応対しませんので


 かぐや姫の「罪」・・・静寂(もしくは「死」)の世界である「月」に住みながら、先に地球に行っていた人の影響で「生」に興味を持ち、「生きたい」と考えてしまったこと。
                  ↓

 その「贖罪」のために、いわば「懲役刑」のような感じで、天人はかぐや姫を地球に送る。そして「生きることはこんなに辛くしんどいことなのだ」と感じさせようとする。

                  ↓

 かぐや姫は地球で、確かに「生きることは辛いこと」だと感じる。「生きることは難しい」と感じる。「幸せな時間はとても短く、そのほとんどは辛く苦しい」と感じるようになる。しかしそれでもほんの少しの「幸せ」のために、長い時間「辛い思い」をしてもいいと考えるようになる。辛い思いもしたけれど、地球に来られたことはやっぱりよかった。地球での日々はしあわせだったと感じるようになる。

                  ↓

 迎えの天人の持ってきた羽衣を着たことにより、地球上でのことをすべて忘れる。けれど、心の奥底の部分で(今でいう、DNAレベルで・笑)地球でのこと・「生きるということ」をおぼえている・・・

 
    ☆☆ネタばれはここまでです。スミマセンでした☆☆


 このテーマは結局、今を生きる私たちにも通じるものですよね。特に、生きるのが難しくなってきた現代において、「なんのために生きているのか。毎日辛いことばかりなのに・・・。」という疑問は、誰しもが一度は抱くものではないかと思います。その疑問に対して、高畑監督は監督なりの考えを「かぐや姫の物語」を通して私たちに示してくれているのではないでしょうか。

 「生きる」ということ。それは簡単なことではありません。けれど、長い人生の中では短時間ではあるかもしれませんが、確かに「生きていた」という充実した時間を持つために、その他の長い時間「耐える・辛抱する」時間があってもいいのではないかと思います。このように考えていけば、どんな人生であれ「生きていること」自体に意味があるようにも思えてきました。


 あと、いままで話の内容についてばかり書きましたので、それ以外のことについて少しだけ書かせてください。絵の方ですが、これまたとても美しかったです。水彩画のような、日本昔話チックな絵、本作にとても合ってました。高畑監督らしく、時折「ハイジ」の面影が感じられたりして、それがまたほほえましかったです


 長々と、拙い感想を書いてしまいました。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。普段、出来るだけ長い文章は書かないように心がけているのですが、感動のあまり長くなってしまいました(苦笑)。とにかく、大人向けの作品であることは間違いないと思いますし、この作品も賛否両論を巻き起こすと思いますが、私としてはあの「竹取物語」をここまで仕上げたなあと、賛どころか感謝の念まで抱いてしまいました。

 私の評価:敬愛する「竹取物語」をよくここまで完成させてくださったなあという感謝をこめて、もちろん☆5つであります。☆☆☆☆☆(5つが満点です)

 

 

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コメント

深い話やってんね。
そうか〜
私、キチンと読んでなかったとichiさんの感想読んで分かったわ。
そうよね、辛いこと一杯あるけど
少しのちいさな幸せ一個あったら
やり過ごせてる。
生きることは苦しいけど楽しいか〜
深いぞ。
感想、ありがとうございました。

エチュさんへ

 本文、かなり長くなってしまいましてすみません。でも、最後まで読んでくださってありがとうございます

 原文では、文中の「解釈=生きるということ」までは言及されていないのです。この部分は高畑監督の創作ですね。でも、これによって「なぜかぐや姫が地球に来たか」ということがよくわかります。あくまで一つの「仮説」ですが。

 でも、いいお話でしたよ。ちょっと難解ではありましたが。私はかなり気に入りました

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