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2012年1月

2012年1月31日 (火)

映画の話・465 「 スラムドッグ$ミリオネア 」

20081218004fl00004viewrsz150x1 2008年のアメリカ映画です。アカデミー作品賞受賞作

 なにかしら、不思議な映画でありました。インド映画っぽくもあり、アメリカ映画っぽくもあり、どちらかの映画に傾倒されている方の中には、物足りなく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、私にはなかなか斬新で、楽しませていただきました
 
 お話も「クイズ・ミリオネア」を中心に据えながら主人公の人生を描くということで、なかなかよくできているなあと思いましたよ。ただ、インドの下層の人々の「生きていくことの大変さ」には時折胸が痛くなりましたが。インドの人々が生命力にあふれているのは、この「生きづらさ」に裏打ちされているからでしょうねえ(いえ、差別的な意味ではありません。もちろん生きていくことが大変なのはどこの国でも同じ。けれど、インドの下層の人々の生きにくさは、たとえば日本の多くの人々のそれとは比較にならないでしょう)

 生きていくのが困難な状況でも、決して希望を失わず、前向きに生きていく。単なるラブ・ストーリー枠を超えた人間賛歌、十分に堪能させていただきました

 

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2012年1月30日 (月)

『 ジェノサイド 』(高野和明・著)読みました

2012012011410000 前回紹介させていただいた『さよなら渓谷』を読んだ後、なにを読もうかなあと探しておりましたら、「このミステリーがすごい 2012版 第1位」ほか、そうそうたる評価の言葉をいろいろなところで目にしましたので、この本を読むことにしました。

で、感想ですが、いや~、本当にすごかったですわ~。「このミステリーがすごい ichi-papa版」でも、今年の1位になりそうです。基本的に私、あまりミステリーは読みませんが

 でもね、ふざけているわけでも茶化しているわけでもなく、本当にすごかったです。単行本にして600ページ弱、そして内容も決して簡単なものではありません(用語が難しい)から、なかなか読み応えがありました。以下、できるだけネタばれしないように書きますね

 「ジェノサイド=大量殺戮」というタイトルがついていますが、どちらかといえばお話の内容とはちょっと違うかなあという気がします。私がつけるなら「GIFT」かなあ(読んだ人にはわかりますよね)。

 「合衆国・全世界の危機」「コンゴ内戦・アフリカ大戦」「新薬の開発」「”新”人類の誕生」などなど、これらの一見なんの関係もないようなテーマが並行して描かれていき、最後にはひとつに結びつく。舞台も「アメリカ(ホワイトハウス)」「コンゴ共和国およびアフリカ各国」「日本・東京」とさまざまな場所での人間の活動を描きながら、最後にはそれがひとつのところに収まっていく・・・。お見事です

 読み始めたとき、あまりにも細かい内容が続くので(たとえば新薬の合成についてとか、軍や国防のことについて)、それらに興味のない私は「読むのをやめようか」と思ったくらいでしたが、やめなくてよかったです。いろんなことに関する詳細な説明も、乱暴な書き方をすれば「話半分」ぐらいで読み進めていけば、十分お話についていけます。それほど神経質にならなくても大丈夫です。あ、でもね、途中、かなり「グロい」表現が出てきますので、そのあたりは覚悟が必要ですよ。でも、感動を得るために、目をそむけないでいただきたいですが

 (ここからはちょっとだけネタばれです。これから読もうと思っておられる方は、読み飛ばしてください。)

 ずっと読んでいって、私、これ、最後に「イヤな」終わり方、すっきりしない終わり方になったらどうしよう、と思っていたのですが、最後までいい終わり方(つまりハッピーエンド)になってよかったです。やっぱり、絶望的な終わり方より、希望の持てる終わり方のほうがいいですから

 日本にいる「援助者」も、よかったですね。なるほどといった感じでした。

 読み進めるうち、私は、「李正勲」と「坂井友理」がどちらの味方なんだろう(もしくは、どちらも敵?)と疑問を持っておりました。特に「正勲」が最後に裏切ったらいやだなあと「疑心暗鬼」の気持ちで読んでいたのですが、これもそうならなくてよかったです。正勲くん、疑ってごめんなさい

 (ネタばれ、ここまでです

 ページ数も多く、難解な語句の多い内容でしたので、読み終わって「時間の無駄だった」となることを恐れていたのですが、そんなことはまったくありませんでした。なかなかの読み応え、途中の「えげつなさ」に反比例して読後のさわやかさ。本当に面白かったです。読むのにちょっと「気合い」がいりますので、誰にでもお勧めできるという代物ではありませんが、本を読むのがすきとおっしゃる方には、ぜひともお勧めしたい作品です

 本作、読んでいて何かしら映画を観ているような気持ちになってきたのですが、作者の高野さんは映画の勉強もされておられるようです。読んでいて頭の中に映像が浮かびやすかったのは、そういう理由だったのですねえ。

 この作品、アメリカ・ハリウッドあたりで映画化してくれないかなあ。日本でやったらチンケな作品になりそうでちょっと怖いのですが、ハリウッドなら娯楽大作に仕上げてくれそうです。ありそうな話だと思うのですけどねえ

 私の評価:文句なく☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です)

2012年1月29日 (日)

ミュージカル”ボニー&クライド”大千秋楽観てきました(2012.1.29)

2012012912370000 今日はお昼から、大阪・上本町にあります新歌舞伎座まで、ミュージカル”ボニー&クライド”を観に行ってきました。大阪公演最終日、先に行われました東京公演を含めましても、大千秋楽です

 一番のお目当ては濱田めぐみさん。劇団四季を突然辞められて(ご結婚のためですので、喜ばなければなりませんが)とっても寂しく思っておりましたので、今日久しぶりにその演技&歌に再会できることを楽しみにしておりました。

 開演時間が来て客電が落ち、舞台には女性の人影が・・・。誰だろうと思っているとその方が歌い出しました。その一声目でわかりましたよ・・・「濱田さんだ」。一気に興奮は最高潮に達しました

 その歌は、本当にさすがでしたね~。もしかしたら四季の時よりもうまくなっているのではと思わせるぐらいの、太くて高い声。大迫力で、大満足でした。それに、付け加えて書きますと、演技が可愛いんです。いままでわたしが観ていた役としては、まず「アイーダ」のアイーダ王女、それに女スパイ・川島芳子・・・。しっかりした女性の役が多かったんですね。でも今回は大人になりきれない「少女」の役。甘え2012012912370001
たり駄々をこねたりの演技が、とっても可愛かったです

 お話の方は、私、映画「俺たちに明日はない」も観たことがありませんし、史実の方も知りませんでしたので、まったく「さら」の状態で観せていただいたのですが、とっても悲しかったです。行き場のない思いを抱えた「ボニーとクライド」が、徐々に破滅に向かっていく様子は、本当に切なかったです。そしてあのラスト・・・

 私、今日はパンフレットなどは買わずにおこう(いつも、買ってはそのあとまったく見ずになおしてあるだけですので)と固く心に誓っていたのですが、観終わって帰るときに・・・やぱり買ってしまいました。それぐらい感動しました

 カーテンコールが何度もあって、客電がつき、終了アナウンスがかかっても、拍手が鳴りやまない。これはもう一度出てこられるのでは・・・と思ってしつこく待2012012916300000っていると、最後にもう一度出てこられました。そして、濱田さん・田代さんから生のご挨拶が・・・。これはいいものを見せて・聞かせていただきました。まさに「感動」のカーテンコールでした

 一年以上ぶりの「濱田さん」でしたが、本当に素敵でした。次、いつ会えることやら・・・。せっかく四季を辞められたんですから、これからもどんどんいろいろな作品に出演して、私たちに感動を与えていただきたいと思います。あ~、今日はいいものを観せてもらったな~




YouTube: ミュージカル『ボニー&クライド』 ボニー(濱田めぐみ)ダイジェスト

2012年1月26日 (木)

最後にもう一度・・・

Pa110207 ・・・実は、前回の記事「ちょっと切ない恋のおはなし」には続き、といいますか、それに関連した「別のお話」があります。今回はそれを書かせていただきます。

 前回のお話に登場したUくんの想い人だった、数年前に亡くなられたKさん。彼女は高校時代の一時期、Tくんという男子とお付き合いをしておりました。このTくん、なかなかいい奴なのですが、ちょっと不良っぽい。(彼は先日の同窓会にも出席しておりまして、私も旧交を温めました。お互いの職場もかなり近いと聞き、うれしくも思いましたよ。今は恰幅もよくなって、「いい感じの中年男性」になっておりましたが。)

 楽しく、高校生らしい交際をスタートさせた二人ではありましたが、その交際が彼女(Kさん)のご両親に知られるところとなり、その猛烈な反対を受けて、結局二人は別れさせられることになります。そのしばらくの後、Tくんは別の女子と交際をはじめました。Kさんのその後の恋のことは、私は知りません。

 それからずいぶんと年月が経ったある日、大人になったTくんのところに、思いもよらない人から連絡が来ます。それはなんとあのKさんのお母さんからだったのです。

 「実はうちの娘(Kさん)が長い間病気で苦しんでいる。もしかしたら(余命は)そう長くないかもしれない。その娘が最近、どうしてもTくんに逢いたい。Tくんにひと目あって話をしたいといっている。私からこういうことをお願いできる筋合いではないが、どうかあの子のために、逢いに来てやってもらえないだろうか・・・。」

 Kさんは数年前から腎臓が悪く、ここ数年は入退院を繰り返し、最期は寝たきりの状態だったそうです。Tくんはとっても悩みます。実は、高校時代、Kさんのあとに付き合ったUさんと(その後も順調に交際は続き)結婚する寸前だったからです(じつはこのあたり、曖昧です。もしかしたら結婚した後だったかも知れません。ちなみに私、このUさんももちろんよく知ってます)。

 いろいろな思いが胸に去来し、行くべきか行かざるべきかTくんはとっても悩むのですが、結局は・・・・・・Kさんに逢いに行きます。病床のお二人の間にどのような会話がなされたか、TくんはそしてKさんはどんな気持ちだったか、それは私にはわかりません。ただ、Kさんのお母さんはこのこと(来てくれたこと)を大変感謝されているとか・・・。そして、その数年後(もしかしたら数ヵ月後?)にKさんは旅立たれたというわけです

 前回の記事のUくんは、たぶんこの話を知らないと思います。わたしは言いません。でも、前回の話の裏で、実はこういう話もあったわけです。

 はっきり書きますが、この話をして、Uくんを笑いものにしようなどという意図は、まったくもってありません安っぽい恋愛ドラマを作り上げようという気持ちでもありません。

 ただ、自分の身の回りで確かにあった、ピュアな恋愛に関するお話を、自分なりに留めておきたかったのです。Uくんも素敵、Kさんも素敵、Tくんも素敵、です。(ついでといってはなんですが、Tくんの奥さんのUさんも素敵ですよ・笑。)

 平凡な毎日ですが、身の回りには、いろんなことが起こるもんですねえ。でも、。それでも私たちは、笑ったり泣いたり怒ったりしながら、日々生きていかなければなりませんねえ。

 前回の話・今回の話、ちょっと記憶に曖昧な点もあり、もっと事情を知っておられる方からお叱りを受けるかもしれませんが、ご容赦ください。また、私の高校の同級生で、登場人物が特定できてしまう方、お話の扱いは慎重にお願いしますね。私自身、面白がってここで紹介させていただいたわけではありませんので。

 それでは長文におつきあいいただきまして、ありがとうございました。写真は、以前私が行った、「セカチュー」ロケ地めぐりより。

2012年1月24日 (火)

ちょっと切ない恋のおはなし

2012010416330000
 *今日の記事はご本人の了解を得て書いております。

 昨年末、高校の同窓会(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2011/11/post-516f.html)があってから後日、その幹事の一人でもあった同級生がやっているバーに行きました。で、その夜のことを話題にすると、「ごめんichi-papa、俺、あの夜のことほとんどおぼえてへんねん。」とのこと。どういうことかというと・・・。

 その夜の同窓会は、高校を卒業してから現在までの間に亡くなった同級生十数名に対して「黙祷」を捧げるというところから始まりました。読み上げられたほとんどの人のこと(亡くなったということ)を私は知っていましたが、なかには亡くなった事を知らなかった人もいて、びっくりすることもありました。その会場にいた人のほとんどが同じような感じだったのだろうと思います。一人ひとり亡くなった人の名前が読み上げられるたび、あちらこちらでひそかやかな驚きの声があがっていました

 で、実は、その読み上げられた名前の中に、その友人であるバーのマスター(Uくんと呼びます)が「ずっと好きだった女の子」の名前があったそうなのです(ややこしくなりましたが、Uくんが、その女の子のことを好きだったのですよ)。

 その子が亡くなったことは、私は知っていました。また別に、高校時代そのUくんが大好きで、何度も何度もアタックしては振られた女の子がいたことも知っていました(Uくんは高校3年間でたぶん7・8回はアタックして振られたと思います。でも、ストーカー的なことではなしに、Uくんはずっと好きだったようです)。ただ、その二人が私の中ではつながらなかったのです。そうか~、あの亡くなったKさんは、Uくんの大好きだったKさんだったのか~

 で、Uくんいわく、「俺な、会の最初にKさんが亡くなったことを知って、で、ショックでショックですぐに酒をあおるように飲んでしもたから、あの会のこと、まったくおぼえてへんねん・・・。」とのことらしいのです。

 続けてUくんが言うには、「俺な、高校を卒業してからも、ず~~~っとKさんのことが好きで、今度会うことがあったら素敵な男になってて、俺を振ったことを後悔させたろうと思っててん。そのために、おれ、頑張って来てん。で、今回、同窓会で逢えると思って、おれ、張り切ってたんや。今回の同窓会、おれ、めっちゃ楽しみやってん。頑張ってる俺の姿を見てもらって、俺を振ったことを「ちょっとでもいいから」後悔してくれたらいいなあと思っててん。

 でもな、ふたをあけたらこうやろ・・・。俺は今回の同窓会で、素敵な男になったところを見せて、びっくりさせたろう・「やられた」と思わせたろうと思ってたけど、結局最後・最期まで俺のほうが「やられた」で終わったわ最後まで、俺の負けやったなあ・・・。」

 人生、思うように行かないことは山ほどあります。あきらめなければならないことも山ほどありますよね。今回のこの話も、そういうことのひとつかもしれません。でもね、最後にひとつ書いておきますが、Uくんはりっぱに「かっこいい大人の男」になったと思います。これからも頑張れ、Uくん

2012年1月23日 (月)

映画の話・464 「 ALWAYS 続・三丁目の夕日 」

20071012001fl00001viewrsz150x1 2007年の日本映画です。

 前作同様、今作も「どうだ~、懐かしいだろ~」というオーラは満開でしたね~(笑)。でも、前作以上にお話の方にはのめり込むことができましたよ。特に、なんといっても淳之介(須賀くん)も交えての、茶川(吉岡君)とヒロミ(小雪さん)の恋のゆくへ・・・。どうなるんだろうと、切ない気持ちを抱えながら観てしまいました

 でも、上記のエピソードも含めて、ほんのり、温かくなるお話がたくさん。まさに「夕焼け」のように、心が温かくなりました。特に、最後の「24色色鉛筆」には泣かされたな~(涙)。考えてみれば、一昔前の「松竹新喜劇」「吉本新喜劇」にも通じる、笑って泣ける人情喜劇といった感じもします。だいたい結論はわかってるんですけど、それでも「笑って」「泣いて」そして「ほんわか」したくて、やっぱり観てしまうんですよね~

 製作者側の「こうすれば、泣けるだろ~」「どうだ、懐かしいだろ~」「こうすれば、みんなが観に来るだろ~」という、あざとい部分は前作同様今回もとっても感じられてちょっとイヤなんですけど、そんなところを差し引いても、残念ながら、けっこう感動してしまいました

 現在公開中の「・・・64」、観に行こうかな~。それこそ、製作者側の策略に乗りまくってますけど(笑)

 追伸1:役者のみなさん、本当に好演だと思いますが、特に堤さん、こんなにコメディアン的な要素があったんですね~。時折見せる「髪芸」には笑いました。

 追伸2:前作のレビューにも書かせていただきましたが、吉岡くん、やっぱりウッチャンのコントに見えて仕方がありませんでした(笑)。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

映画の話・463 「 ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ 」

20090612012fl00012viewrsz150x1 2009年の日本映画です。

  名のある文学作品、とくに文学史に名を残すような純文学作品を映画化したものって、正直に書くと退屈なものが多いですよね。時間がゆっくり進んで、雰囲気だけは重々しく、でも、あまりよくわからない・・・

 この作品も、そうなりそうな気配は少しあったのですが、結論的にはそうならずに済みました。それはひとえに松たか子さんの存在感によるところが大であったように思います。原作の主人公の持つ、はかなくも力強い雰囲気、それを余すところなく表現されておりました。数々の映画祭で賞を受けられたのも納得の好演でした

 はじめにも書きましたが、駄作が多い純文学を原作とした映画の中で、本作品は数少ない成功作のうちの一つと言えると思います。なかなかの良作、太宰ファンの私も納得です

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2012年1月22日 (日)

新春時代劇、テレビ東京系「 忠臣蔵 ~その義 その愛~ 」ようやく観ました

P1010102 このお正月、1月2日にテレビ東京系で放送された新春時代劇「 忠臣蔵 ~その義 その愛~ 」、ようやく観終わりました。放送時間は7時間。CMを抜いても6時間ですから、観るのにはなかなか気合いがいりましたよ

 世の中にたくさんいらっしゃる「忠臣蔵」ファンのみなさんに先に言っておかなくてはならないのですが、私、忠臣蔵に関してはまったくの素人です。もちろんその「お話」は知っておりますが、それだけ。その背後のいろいろなエピソード・・・浅野のお殿さまの苦悩や赤穂浪士の討ち入りまでの苦労など、まったく知らないも同然でありました。ですから、このドラマを観て「なるほど、そううお話だったのね~」と初めて思った次第です

 たぶんこのドラマ、討ち入りにまつわるその周辺のエピソードを、全般的になぞっていった感じですね。ですから素人の私にはいろいろとよくわかりましたが、すでに忠臣蔵のことをよく知っているとおっしゃる「玄人」の方々には、少し物足りなかったのでは。「忠臣蔵」はずいぶん昔からいろいろと映画・ドラマになってきておりますので、今さらドラマ化するとなると、その切り口が難しいですよね。「玄人」のみなさまには、もっとテーマを絞り深く切り込んだドラマが観たかったんじゃないでしょうか・・・。

 先ほども書きましたように、さすがに6時間もかけて観ましたし、なかなか見応えもあり、忠臣蔵についてよくわかりました。これは確かに日本人の好きそうな物語ですねえ。特に「義理・人情」の薄れてしまった現代においては、もしくは「納得のいかないこと」が横行する現代においては、まさにこの物語の明快さは観ていて本当にスカッとしますよね。討ち入ればたとえ吉良の首をとっても、切腹を申しつけられるのは明白。それでも主君の無念を晴らしたい一心で、その行動に打って出る。その潔さ、本当に素晴らしかったです。

 ただ、このドラマを観ていて気になったことがいくつか・・・。お話をわかりやすくするための演出かもしれませんが、吉良の殿様(柄本明さん)って本当にあんなに「嫌な人・イヤミな人」だったのでしょうか?それからその他の登場人物、特に赤穂浪士のみなさんは、本当にああいうキャラクターだったのでしょうか?あと、架空の人物の登場もあるのでしょうか?このあたり、忠臣蔵の「玄人」のみなさんに教えていただきたいです

 上記のような疑問点や、物足りなく感じた部分もあるのですが、それでも「忠臣蔵・初心者」の私にもわかりやすく描いてくれておりました。これをきっかけに、他の(過去の)作品も興味を持って観ていきたいと思います。特に「玄人」のみなさま、この作品はお勧めだというのがありましたら、どうぞ教えてくださいね

 

 写真は、ドラマの一シーンです。この中のどこかにも私がおります。ちなみに大きく映っている後ろ頭は中村梅雀さんとベンガルさんです。

2012年1月20日 (金)

『さよなら渓谷』(吉田修一・著)読みました

2012012019420000 ・・・緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母の立花里美が容疑者に浮かぶや、全国の好奇の視線が、人気ない市営住宅に注がれた。そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介が、ある重大事件に関与した事実をつかむ。そして、悲劇は新たな闇へと開かれた。呪わしい過去が結んだ男女の罪と償いを通して、極限の愛を問う渾身の長編・・・

 ・・・ですって。(新潮社文庫、裏表紙の解説より)

 私はこの文章の最後の「極限の愛を問う渾身の・・・」というところに惹かれて、ないように関して予備知識なくこの本の買ってしまいました。

 幼児殺害事件を中心にお話が進むのかと思いきや、話は全く違う方向へ・・・。いや~、考えさせられましたわちょっとシリアスな話をしますが、この話の中では「レイプ事件」を中心に話が進んでいきます。やっぱり、この種の事件は、残酷ですよね。女性のほうが被害者なのに、その被害を受けた女性の方が悪いみたいな目で見られて、そして事件のそのあともその出来事を一生引きずって行かなくちゃいけない・・・。いえ、「引きずって行かなくちゃいけない」訳ではないのですが、結果的にそれを引きずらざるをえないような状況に追い込まれる・・・。「レイプ」は命を奪われた訳ではありませんので「殺人」ではありませんが、こうやって考えると、違った意味での「殺人」ですよね。本当にひどい話だと思います。私自身、当たり前ですが、こういうことは絶対にしないと改めて心に決めましたが(当たり前ですね)、うちの息子たちにも、絶対にこういうことはしてほしくないなあと、強く思いました。一時の出来心で女性の一生を「生きながらに殺す」ようなことはしてもらいたくありませんし、息子自身の人生も台無しにしてほしくはありませんので

 さてこのお話、確かに「極限の愛」を描いておりました。途中から「このお話はどこに向かって言ってるんだろう?」と思いながら読んでおりましたが、最終的にここにたどり着くとは

 吉田修一さんは、本当に様々なタイプの作品を書かれていますが、この作品は先年話題になりました『悪人』に似たテイストだなあと思いました。なかなか読みごたえがありました。

 私のような者が無責任に言えた柄ではありませんが、この物語の中の加害者「俊介」と被害者「夏美」、どちらも「幸せ」になってほしいなあと思いました。難しいことではありますが・・・。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

 

2012年1月18日 (水)

映画の話・462 「 Wの悲劇 」

33_4624871 1984年の日本映画です。先日のYOU☆さんのコメントに触発されて、記事を書かせていただきます。ネタばれありです。

 何十年かぶりに、2度目の鑑賞です。出演者のみなさんの、少々オーバーな演技は少々古い感じもしますが、それもまた良し。味わいとして感じられました

 でも、なかなかおもしろいですね~。劇中劇が実際のお話と交錯して、舞台の裏の人間模様を映し出す・・・なかなか凝ったつくりでした。ラスト近く、世良さんが刺されたあたりからはちょっと走りすぎ(細かいところがわかりづらかった・・・たとえば高木美保さんはどうやって真実を知ったか?とか)といった感も否めませんでしたが、それでも、最後まで飽きさせずに観客を引っ張りきれたことはよかったと思います。

 一時代を築きながらも、いろいろと物議をかもした角川映画。本作はその角川映画の中の、数少ない成功作のなかの一つと言えるのではないでしょうか。本作自体もそれなりのいい出来だとは思いますが、この映画を観ていると、角川映画の「やる気」のようなものが感じられて、少々ノスタルジックな気分になります

 追伸:「顔、ぶたないで!私、女優なんだから!」・・・なつかし~。このセリフ、この作品の中のセリフだったんですね。当時、よくバラエティ番組などで使われていたのを思い出しました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

2012年1月16日 (月)

映画の話・461 「 ALWAYS 三丁目の夕日 」

20051015007fl00007viewrsz150x1 2005年の日本映画です。

 二度目の鑑賞になります。先日TVでやってたもので(汗)。以前観たときは、「現在50歳前後の方が、ただ昔を懐かしむだけの映画。日本が一番活気にあふれていたころを懐かしむだけの映画。」だと感じておりまして、(世間の高評価をよそに)それほど高い評価はしておりませんでした。けれど先日再度観せていただきまして、少しだけ評価は変わりましたよ

 前回の鑑賞で感じた「昔を懐かしむための映画」という印象は変わっておりません。ただ、前回はそれをどちらかというと「否定的」にとらえていたのですが、今回は「肯定的」にとらえております。それもいいじゃないか!といった感じですかね

 この映画、悪い人は出てこない。出てくる人がすべて「いい人」なんですよね。本当はその点において「リアリティ」が、ない。けれど、この作品の場合は、それでいいんじゃないかと、今回は思いました。「いい人」たちが、いろいろありながらも、日々を精一杯生き、希望を持ってまた明日を迎える。そして、そのような人々が暮らしている「日本」という国も、未来に向かって「希望」(その象徴が「東京タワーですよね)に満ち溢れている・・・。この作品は「人々に希望を与える」もしくは「希望に満ち溢れていた時代を思い出させて、その思いを未来につなげていく・・・」つまり、希望のない「現代」において、人々にあのころの気持ちを思い出させ、希望と元気を取り戻すことが主題でしょうから、まあ、その主題のためには少々リアリティがなくったってOK!といったところでしょうか

 世間での高評価は、何かしら「雰囲気に流されすぎだなあ・・・(苦笑)」とも感じますが(もちろん私も今回は少し流されましたよ・笑)、この映画を観て多くの方が「元気」になったのなら、それも「あり」だなあと感じました

 いろいろと「斜め」から見てしまった感もありますが、私自身、登場人物たちのその後が気になっております。その段階でやっぱり、私もこの映画に引き込まれています(笑)。多くの方々と同じように、私も結局、この映画を作られた方々の「作戦」に負けてしまいました(笑)

 PS1:それでも「昭和を懐かしむ映画」としては、やっぱり「クレしん・大人帝国」のほうが上だと思います。

 PS2:ファンの方には失礼ながら、吉岡君が最初から最後まで「ウッチャンナンチャン」内村さんのコント姿と重なって仕方ありませんでした。何かしら、すみません。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2012年1月14日 (土)

映画の話・460 「 ぼくとママの黄色い自転車 」

20090417011fl00011viewrsz150x1 2009年の日本映画です。

 いや、確かにちょっとはグッときたのですよ。小豆島に渡って、真実を知ったあたりでは、やっぱりちょっと泣きそうになりました。でもね・・・。なにかしら腑に落ちないというか、感動(感傷)に浸りきれなかったんですよね。この感じ、かつて「私の頭の中の消しゴム」を観たときにも同じように感じたんですよね~

 なにかしら腑に落ちなかった理由・・・はっきりとは分析できていませんが、ひとつふたつ思うこと・・・。まずひとつめ、この病気に対して、あまりにも簡単に扱いすぎといった印象が否めなかったこと。表面的に触れているだけなので、「かわいそう~」の域を出なかったこと
 そしてふたつめ、ロードムービー風の部分のつくりがあまりにも雑なこと。たとえば西明石から岡山まであんなに簡単には移動できない!それも子どものこぐ自転車では!小豆島の中での移動はまさにめちゃくちゃ。土庄から寒霞渓へ行って坂手まで、そしてオリーブ公園へ行ってまた土庄(国際ホテル・余島)へって、高低から考えても距離から考えても、こどもがあの自転車であの時間で移動するのは無茶苦茶。正直、自動車でも大変ですよちょっとでも小豆島を知っている人からみれば(私は3年間住んでおりました)、あまりにも無茶苦茶で、バカにされたような気にすらなって、他のことまで感動できなくなってしまいました。真剣に映画を作っているのなら、こういうところまできちんとこだわって撮ってほしかったです。こういう「アラ」が見えると、「作ってる人たちはどうせ本気じゃないんでしょ?」なんて思ってしまって、観ていてなにかシラケてしまうのです・・・

 難病モノって難しいですよね~。一つ間違えば単なる「お涙ちょうだい」になってしまいますから。この映画の場合も、小豆島の景色の美しさにはかなり助けられましたが、それだけでは救い切れなかったようです。やっぱり「お涙ちょうだい」かな~・・・。阿部サダヲさん他脇を固めるみなさんが好演しておられただけに、やっぱりちょっと残念でした。

 評価の方、総合で☆3つにさせていただきますが、印象としては2つに近いかなあ・・
。 

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

 

 

2012年1月10日 (火)

映画の話・459 「 海がきこえる 」

516yg05t4jl_sl500_aa300_1 1993年の日本映画です・・・っていうか、ジブリ作品です。

 お話自体はどうということもなく、主人公の女の子(里伽子)もあまり魅力的な女の子じゃ、ない(笑)。でもね、観終わって、何かしら胸に残るものがあるんですよね
 それはきっと、この映画を観ると、誰しもが自分の高校時代・青春時代を思い出し、切なくなったりするからなんでしょうね。このお話自体に感動するというよりは、このお話をきっかけにして自分の青春時代のさまざまなことを思い出し、いわば観ている人それぞれが「勝手に」切なくなって、感動してくれる・・・。う~ん、不思議な映画です

 先ほど「主人公が魅力的じゃ、ない」と書きましたが、言い換えればまさに等身大。変に美化されていなくて、どこにでも居そう。「あの時(高校時代)、もっとこんな風に生きらることができてたらな~」なんて、誰でも後悔したりしますよね。だからこそ、観ているこちらとしては、自分の青春時代と重ねやすいのかも

 先ほども書きましたように、映画自体はどうということもない。けれど、なにか不思議な余韻が残る映画なんですよね。こういう感じ、個人的には、結構好きです。評価は・・・、よし、思い切って☆4つにしちゃおう。本当は3・5くらい、ね。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2012年1月 8日 (日)

映画の話・458 「 ハピネス 」

20081126007fl00007viewrsz150x1 2007年の韓国映画です。

 お話は、言ってみればよくあるお話。まじめにつつましく生きていればいいのに、浮気心を出してしまって、そして最後には後悔する・・・。とくにどうということのないお話を、それなりに魅力的な映画に変えたのは、韓国の田舎の美しい景色と、”ウニ”を演じたイム・スジョンさんの清楚な美しさ・・・かな。

 まあ、普通の映画ですけど、スジョンさんの飾り気のない、切ない演技は観る価値ありかな。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2012年1月 5日 (木)

映画の話・457 「 ダンサー・イン・ザ・ダーク 」

33_4615521_2 2000年の、デンマーク映画です。そうか~、この映画、デンマーク映画だったのね~

 私、元来ハッピーエンドが好きで、観終わって元気がもらえる・「明日もがんばって生きていくぞー」と思わせてくれるような映画が大好きです。・・・ですからそういう意味では、この映画はまさに私の好みとは正反対の映画でしたね。ごらんになられた方のほとんどがおっしゃているように、なんとも救いのない、後味の悪い映画でした

 ・・・でもね、不思議なことに、私、この映画、「嫌いじゃない」のです。むしろ、「かなり好き」かも

 その理由はと考えてみると、まず、ところどころに織り込まれるミュージカルがよかったから。このミュージカルシーン、この映画の中でかなり重要な役割を果たしていますよね。このシーンがなければ、本当に暗い・救いのない映画になってしまっていたと思います。日常のさまざまな場面で、いわば「空想」というか「現実逃避」というか・・・のような場面でミュージカルシーンが織り込まれるわけですが、どのシーンもセルマの折々の切ない思い・希望が表現されていて、観ているこちらの胸を打ちます。そしてやはり、歌がうまいんですよね~。「うまい」というか、「表現力」が違うなあという気がします。さすがアイスランドの歌姫・ビョークです。(ついでに書きますと、演技もお上手ですよね。優秀なアーティストは、何をさせても一流の表現者なんだなあと、思いを新たにしました。)

 それから、映画自体の構成も、私はよかったと思っています(なにか、上から目線な感じの言い方ですみません・汗)。お話自体は本当に救いのないものですし、ラストも非常に衝撃的ですが、特にそのラストに向かうミュージカルシーンやその歌、そしてそのあとに来るラストシーンは本当に見事な流れで構成されていて、「おみごと」とすら言いたくなりました。

 最初にも書きましたように、私の好きなタイプの映画ではありません。もう一度観たいとも、今のところ思っていません。けれどなぜか忘れることができない映画です。心の・・・といいますか、胃の奥底に溜まってしまった・・・といった感じでしょうか。好みのタイプではありませんが、名作であることは間違いなさそうです。

 私の評価:それでも☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

2012年1月 1日 (日)

映画の話・456 「 鴨川ホルモー 」

20081217003fl00003viewrsz150x1 2012年の映画の話、一作目はこの映画で・・・。浪人中の長男の合格祈願も込めまして

 2009年の日本映画です。

 とんでもない大ボラ話。最初から最後まであり得ない話のオンパレード。だいたい「ホルモー」って・・・。でも、これが結構楽しいのですよ。観終わった後は「げろんちょり~」なんてアクション付きで言ってみたりして(笑)。それに、私、大学時代を京都で過ごしたものですから、画面に映る場所がどこもそこも懐かしいところばかり。祇園祭も懐かしかったな~。ただ残念なのは、ホルモーをする4大学にうちの大学が含まれていなかったこと。伝統からいえばKS大よりも「うち」なんだけどな~。でも、方角の東西南北を考えれば、この4大学で仕方がなかったのかなとも思いますが(苦笑)。

 考えてみればこの映画、とんでもない「ほら」映画(ホラーではありません)ですけれど、実は「ほら話」を題材にした恋愛映画・青春映画ですよね。ちょっとしたことに傷つき・ちょっとしたことにこだわってしまったりして、素直になれない自分がいる。恋愛を含めたいろんな人間関係に傷つき、行き詰まり、それでも立ち直ってまた人生を歩み始める。それを繰り返しながら自分でも気付かないうちに少しずつ成長していってるんですよね

 原作に比べ、(時間の関係もあってか)エピソードが端折られているところも多々あって、少々分かりにくいところもありましたが、それでも観終わった後はほろ苦い・甘酸っぱい気持ちになりました。誤解を受けやすい(特に予告編を観た人には・笑)映画だとは思いますが(私もまったく期待しておりませんでした)、なかなか良質の青春映画ですよ。京都がお好きな方には、合わせてお勧めします

 私の評価:☆☆☆☆(5つに近い4つです。5つが満点です。)

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