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2010年12月

2010年12月30日 (木)

2010・今年観た映画ベスト1

20081204004fl00004viewrsz150x11  先日から、今年観た映画の中で、”極私的”人生を考えさせられた映画ベスト10、ラブストーリーベスト10、衝撃を受けた映画ベスト6・・・などといろいろ発表させていただきましたが、今夜は昨日も予告させていただきましたように、私が今年観たなかで一番「観てよかった」と思った映画を発表させていただきます。

 それは・・・・・・「大阪ハムレット」です(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-4edd.html)。何が一番よかったかというと、この映画に「元気をもらった」という点でしょうか。この映画を観て「人生いろいろあるけれど、明日からもまた頑張って生きていこう」という気にさせられました。(影響を受けすぎた私は、その後、舞台になったところを歩きに行ったくらいですhttp://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-710f.html

 世の中に優れた映画はたくさんあると思います。私が今年観た150余作品の中には、映画としてはこの作品よりもすぐれた作品もあっただろうと思います。ただ、私にもっとも勇気・元気をくれたのはこの作品です。きっと私はこの後の私の人生の中で、何度もこの映画を観直すことになるんだろうと思います。私にとってはそういう大切な作品です

 ・

 今年もたくさんの映画に出会い、その感想をここで発表させていただきました。読んでいただいたみなさん、そしてコメントをいただいたみなさん、本当にありがとうございました。来年もいろいろな映画を観て、また感想を書かせていただこうと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。それから、またいい映画がありましたら紹介してくださいね。

 それでは本年の「映画の話」は今回で最終回にしたいと思います。ありがとうございました

2010年12月29日 (水)

2010・”極私的”衝撃を受けた映画ベスト6

20070216003fl00003viewrsz150x11  先日の「”極私的”人生を考えさせられた映画ベスト10」、「昨日の”極私的”ラブストーリーベスト10」に引き続きまして、今回は「”極私的”衝撃を受けた映画ベスト6」を発表させていただきます。昨日は「ベスト10」と予告しましたが、都合により「ベスト6」にさせていただきます。

 何度も書かせていただいておりますように、公開年に関係なく、あくまで私が「今年観た」というくくりで、まったく個人的な基準で選ばせていただいております。なお、今回は「衝撃を受けたで賞」という感じで6作品発表させていただいて、その中から最優秀賞を発表させていただきます。それではまずノミネート作品を・・・。

 ・トイ・ストーリー3(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/07/post-1cd8.html)  ・殺人の追憶(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/08/post-70ac.html)  ・絶対の愛(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/09/post-db0a.html)  ・ミッドナイト・ラン(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/12/post-f509.html) ・愛のむきだし(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/08/post-1134.html)  ・サウンド・オブ・ミュージック

 様々なジャンルのものが含まれておりますが、これらの作品はそれぞれに私の心に衝撃を与えてくれました。それではこれらの中で、私が今年もっとも衝撃を受けた作品を発表したいと思います。その作品は(ドコドコドコドコ・・・ドラムロールです)・・・

 キム・ギドク監督作品「絶対の愛」(原題=TIME)です。詳しくは以前書かせていただきましたレビューを読んでいただければと思いますが、この映画は衝撃的でした。

 このブログを以前から読んでくださっている、特に映画好きの方の中には「あれ、あの作品が出てこないなあ」と思われている方もいらっしゃるはず・・・。そうなのです。今回まで様々なくくりでいろいろなベスト10、もしくはベスト6を発表させていただきましたが、私が今年観た150余の作品の中で、もっとも「観てよかった~」と思った作品は他にあるのです。その作品名は・・・・・・明日、発表させていただきますね。もしおわかりの方は、コメント欄に予想を書いてくださいね。それでは、また明日

映画の話・341 「 言えない秘密 」

20080703011fl00011viewrsz150x1  2007年の台湾映画です。昨日記事にさせていただいた、私が今年観た映画・ラブストーリーのなかで最もよかった映画です。では、その感想を・・・。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いや~、いい映画でした。私、台湾映画はほとんど観たことがありませんし、名作のタイトルも知りません。けれど、知らなかったのが功を奏したのか、観ていてとっても引き込まれました

 恥ずかしながら、ジェイ・チョウさんのこともまったく知りませんでした。監督(脚本)をされて主演もされるというのはよくありますが、音楽まで担当されるとは!(でも、かのチャップリンや大林監督もされてましたっけ・・・。)本作が名作たり得たのには、その「音楽」が大きなウエイトを占めています。その時々に流れる音楽がその場の雰囲気を盛り上げ、言葉以上に気持ちを伝えます。そしてあのピアノ・・・。ジェイ・チョウさんの才能に圧倒されてしまいました。
 シャオユーを演じたグイ・ルンメイさん。私にとってはまさにどストライク!単なるルックスだけではなく、話し方、その雰囲気。彼女の存在を知っただけでも儲けものでした(でも、この映画の魅力はもちろんそれだけではありませんけどね)
 ついでにシャンルンのお父さん、どこかで見た顔だなあと思って観ていて「はっ」と気付きました。インファナル・アフェアのウォン警部じゃないですか。本作では派手な役ではありませんが、十分に存在感のある、渋い役柄を演じておられました。

 途中までは私の大好きな韓国映画「イルマーレ」を思い出しながら観ておりましたが、ラストまで来て話は急展開。そのラストについては賛否両論あると思います。もっといい終わり方もあっただろうとは思いますが、私としては「まあこれもよしかな」とも思っています。突っ込みどころもないではありませんし、少女マンガっぽい展開が性に合わないとおっしゃる方もいらっしゃるだろうとは思いますが、いろいろな意味で私の琴線にはビンビン響きました(笑)

 評価の方、普通につけましたら☆4つといったところなのですが、グイ・ルンメイさんの雰囲気とジェイ・チョウさんの才能、特にそのピアノに☆1つ追加、結局少し甘めの☆5つとさせていただきます。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

 

2010年12月28日 (火)

2010・”極私的”ラブ・ストーリー・ベスト10

20080703011fl00011viewrsz150x1  先日の「”極私的”人生を考えさせられた映画ベスト10」に引き続きまして、今回は今年観た映画の中でのラブストーリーベスト10を発表させていただきたいと思います。公開年に関係なく、あくまでも私が「今年観た」映画の中から極々個人的な視点でえらんだベスト10であります。ここですでに感想を発表させていただいた作品には、その時のURLもつけさせていただいております。また、まだのものにつきましては、これからまた発表させていただきます。前回も書きましたが、まったく個人的な趣味で選んでおりますので、他の方が20081204001fl00001viewrsz150x1 観られたら「なんじゃこりゃ~」な映画もあるかと思いますが、ご容赦ください。ではでは、発表を・・・

 1位は同率で二作品あげさせていただきました。

①言えない秘密  ①愛のむき出し(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/08/post-1134.html)  ③砂時計(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/08/post-8868.html)  ④ラスト、コーション  ⑤ゴールデンスランバー(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/01/post-da7a.html)  ⑥容疑者Xの献身(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/07/post-8dfa.html)  ⑦カフーを待ちわびて  ⑧悪人(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-fb38.html)  ⑨ノッティング・ヒルの恋人(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/06/post-1922.html)  ⑩ハルフウェイ(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-9543.html

 改めて順位を観てみると、う~~~ん、こういうランク付けは難しいですね~。正直、どれも順位なんてつけられないくらい気に入った映画です。ラブストーリーにもいろいろありますしね~。それを同じ土俵で評価するのは難しかったです。あと、このランキングを観ると、私の邦画好き・アジア映画好きがよく表れております。洋画でランクインしたのは「ノッティング・ヒルの恋人」だけですし、1位の「言えない秘密」は台湾映画です。この作品の感想、すぐにアップさせていただきますね

 これを読んでいただいた方、苦情は困りますが、感想などお寄せいただけたら嬉しく思います。そして次は”極私的”今年衝撃を受けた映画ベスト10を発表させていただきます。またよろしくお願いいたします

 写真は上が「言えない秘密」、下が「愛のむきだし」です。

2010年12月25日 (土)

2010・”極私的”人生を考えさせられた映画ベスト10

20060201004fl00004viewrsz150x11_2  今年も押し迫ってきましたね~。TVをつければ今年一年を振り返るような番組が多く放送されております。で、私も今年一年間に観た映画を、様々に振り返ってみたいと思います。まだここで感想を発表させていただいていないものも多数ありますが、それらについてはおいおい発表させていただきますので、またよろしくお願いいたします

 今年は韓国映画「ラブ・ストーリー」から昨日観た「大洗にも星はふるなり」まで、152本観せていただきました(12/25現在)。年内にまだあと数本は観ると思いますが。ほんの5年ほど前までは映画に対してさほど興味もなく、一年で1本観るかどうかだったのに、不思議なものです。でも、映画を観るようになって、確実に私の人生は豊かなものになりましたよ。で、公開された年ではなく、あくまで私が今年観た映画について、そして、あくまで私個人の視点・感覚で様々な観点でベストテンを発表したいと思います。

・ 

 まず今回は今年観た映画の中で、「人生を考えさせられた映画ベスト10」を発表させていただきます。

 ①力道山(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/09/post-c7e1.html)  ②切腹  ③ゴールデンスランバー( http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/01/post-da7a.html)  ④劔岳 点の記  ⑤禅(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/09/post-2fe6.html)   ⑥悪人(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-fb38.html)   ⑦トウキョウソナタ(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/11/post-5153.html)  ⑧ココニイルコト(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/10/post-94a8.html)         ⑨太陽を盗んだ男 ⑩陰日向に咲く(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/12/post-062b.html

 いや~、こうやって改めてみてみると、本当に”極私的”ですね~。他の方には「なんじゃこりゃ?」っていう映画も含まれております。観賞の参考には、余りなさらないでくださいね。今回の「人生を考えさせられた・・・」に入れようかどうか迷って、結局はずした映画が、実はもう一本あります。「ああ、あの映画か~」と思っておられる方もいらっしゃるはず。これは後日他の分類で発表させていただきます。

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 でも、こういうベストテンを考えるのって、楽しいですわ~。次回は「2010・”極私的”今年観たラブストーリー・ベスト10」を発表させていただきます。   

2010年12月24日 (金)

映画の話・340 「 スマイル 聖夜の奇跡 」

20071003002fl00002viewrsz150x1_2  今夜は”イヴ”ということで、今回はこの映画です。2007年の日本映画です。

 世間ではけっこう評価が高いんですけどね~、正直私、いま一つでした。森山未来さんの妙にテンションの高い演技とか、弱小チームが急にやる気を出して強くなったりとか、「それはあり得ないだろ~」という思いの方が強くて、あまり共感できませんでした。まあ、「映画」というよりは「漫画の実写版」といった感じですかね。そういうふうに観れば、それなりには楽しめるんでしょうけど。それに「あり得ないことを描くから、夢があっていい」という考えも、理解できるんですけどね

 少年時代の昌也を演じた立花裕大くん、礼奈を演じた岡本杏理ちゃん、お二人とも美しかったですね~。今後の活躍に期待したいです。

 高評価のみなさんに大変申し訳ないのですけど、「映画」としては☆2つってことで。お気を悪くさせたみなさん、どうもすみません。

 私の評価:☆☆(5つが満点です。)

2010年12月23日 (木)

映画の話・339 「 ロシュフォールの恋人たち 」

Shd289212 先ほどの「シェルブールの雨傘」の感想に対していただいた”古市のかんさん”のコメントの中に「ロシュフォールの恋人」に話題が出ましたので、次はこれについて書かせていただきます。 1966年のフランス映画です。

 私が心惹かれたのは、まずその音楽。M・ルグランの憂いを含めた名曲の数々、そしてそれらを歌いこなす出演者の方々の確かな歌唱力、本当に素晴らしかったです。そしてそれらの楽曲の歌詞もウイットに富んでいて(私は字幕版で観ました)、映画の魅力をより一層引き立てておりました。
 それから、色彩の妙。「シェルブールの雨傘」でもそうでしたが、この映画はより一層、色彩というものをよく考えて撮られています。とってもおしゃれです。

 出演者はもう本当に豪華ですね。当代の世界中のミュージカル・スターを集めて撮ったといった感じで、その演技=歌唱・ダンスは安心して観ていられます。というか、観ていてワクワクしてしまいます

 はじめ、どうしても歌・ダンスに気がいってしまい、それらの素晴らしさに比べてお話のほうはどうなんだ?と思っていたのですが、お話が進んでいくにつれてその構成の巧みさにもびっくり。それぞれの恋愛がすれ違ったり交差したりしながら、やがて結末へ。様々なハッピーエンドがある中、主役ともいえるデルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)の恋は・・・と思っていたら、これも最後の最後に「答え」を感じさせるものが用意されておりました。感服!お見事!

 歌・ダンス・色彩・画面。どれをとっても非の打ちどころがない。まさにミュージカルの王道。本当にお見事でした

 追伸:デルフィーヌの姉役で出演していたフランソワーズ・ドルレアック、カトリーヌ・ドヌーブの本当のお姉さんですが、この映画が公開された翌年、交通事故で亡くなってしまわれたそうです。生きていればどのような大女優になっていたことか・・・。今さらですが、ご冥福をお祈り申し上げます。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

2010年12月22日 (水)

映画の話・338 「 シェルブールの雨傘 」

20081204012fl00012viewrsz150x1  1963年のフランス映画です。

 私が高校生の時、担任の先生が大の映画好きで、いろんな映画について語って聞かせてくれました。その中の一本がこの映画でした。「タイトルバックで開く色とりどりの傘が本当に素晴らしくて・・・」というお話が特に印象に残っており、名画といえばこの映画というふうにすら、私の脳裏に刷り込まれておりました。「いつかは観たい」と思いながらその後ずっとその機会がなかったのですが、このたびようやく観ることができました

 「名画」の代名詞ということで、クラシカルなお話がクラシカルな映像で描かれているんだろうなあと思っていたら、びっくりなんと実験的な映画なのでしょう(噂の)タイトルバックに開く色とりどりの傘、その斬新な色遣いに象徴されるように、色彩的にも本当に斬新。そして素晴らしい音楽。そしてなんといっても驚かされたのは、全編を通してセリフがその素晴らしい音楽に乗せた、いわゆる「歌」になっているということ。ミュージカル好きの私も、ここまで徹底されるとびっくりしました。ただ、はじめは違和感を感じていた私も、始まって30分も経つとむしろ心地よさすら感じてしまいました

 お話も、シンプルといえばシンプルですが、単なる「夢物語」に終わらなかったのがいい。いわゆるリアリティがありました。リアリティにあふれた、少しビターな物語を、斬新な「セリフ=歌」と斬新な色彩で表現した、映画史に残るまさに革新的な映画でありました。

 私の評価:☆☆☆☆+☆(映画の斬新さに☆1つプラスです。5つが満点です。)

『すばらしい新世界』(池澤夏樹・著)読みました

41k1wv7fm7l_sl160_1  ・・・途上国へのボランティア活動をしている妻の提案で、風力発電の技術協力にヒマラヤの奥地へ赴いた主人公は、秘境の国の文化や習慣に触れ、そこに暮らす人びとに深く惹かれていく。留守宅の妻と十歳の息子とEメールで会話する日々が続き、ある日、息子がひとりでヒマラヤへやってくる…。ひとと環境のかかわりを描き、新しい世界への光を予感させる長篇小説。(Amazonの本紹介より)

 ・・・ですって。

 文庫本にして700ページ超。厚さ約3センチくらい。読みごたえがありましたよ。先述の本紹介にもありましたように、エコをテーマにした作品です。これも同僚に貸していただきました。こう言ってはなんですが、自分からはたぶん読まなかっただろう作品です。そういう意味では時々は人に本を薦めてもらうのも読む作品が広がって、なかなかいいものですよね。もちろんおもしろかったですよ

 今はやりのエコをテーマにした作品です。これを読んだら「風力発電っていいなあ」と単純に思ってしまいますよ。ちなみにうちではもう10年ほど前から太陽光発電(あ、ちょっと自慢してしまいました。すみません)。でも、この作品は2000年に発表されています。今ほどエコが叫ばれていなかった時代にこのような作品を書くなんて、その先見性にびっくりです。

 それからこの作品の主な舞台はネパール奥地の「ナムリン」という小王国です。この国は架空の国らしいですが(でもね、読んでるうちにノン・フィクションのような気がしてきますよ。そこが作者の力量なのだと思いますが)。私はネパールやヒマラヤあたりの国に少し興味があるので、読んでいて本当に行ったような気になりました。実際に行くのは大変だと思いますが。でも、行ってみたいなあ

 あと、チベット問題についても少し触れられていましたね。北京オリンピックの時にクローズアップされた問題です。いろいろと複雑な問題が絡んでいるのでここで軽々しいことを書くのは控えますが、大国が小国を力でねじ伏せるのはやめていただきたいです。地域地域の文化を大切にしてほしいです

 主人公の家族関係が理想的過ぎて「実際そんな家族はないだろう」なんて思ってしまいましたが、それを割り引いても、なかなかおもしろかったです。最後に映画「ナビィの恋」の話が出てきて、ちょっと嬉しかったです。

 私の評価:☆☆☆☆(本当は3・5くらい。5つが満点です。)

2010年12月20日 (月)

映画の話・337 「 TATTOO(刺青)あり 」

21zh3m78y3l_sl110_1  1982年の日本映画です。

 事件を知らない方にはまた別の観方があるのだと思いますが、40代を半ばにして例のあの事件を知っている私には、どうしても映画だけを独立させて観ることはできませんでした。どうしてもあの事件の犯人として観てしまうので、どんなにその人柄や「いいところ」を掘り下げられても、主人公=犯人に共感をすることはできませんでした。

 実際の事件の頃にも「実は非常に几帳面であった」とか「真面目なところがあった」「自分の健康にとっても気を遣っていた」など、犯人の意外性は報じられていました。この映画の中にもそのような一面が散りばめられていましたね。

 非常にこだわりの強いところ、そして不器用なところ、そのような主人公の性格が「生きにくさ」を生み、やがて犯行に走らせる・・・。そのあたりだけをみれば十分に「犯人」に共感が持てそうなのですが、なんといっても実際の「事件」の印象が強すぎて、なにを見せられても心が動きませんでした。あの事件によって悲惨な目に遭い、人生を大きく変えられてしまった方がたくさんいらっしゃるのですから、今更なにを言ってもダメ・・・って感じです

 宇崎竜堂さん・関根恵子さんは、好演されていたと思いますけどね。あと、渡辺美佐子さんの「お母さん」が切なかったです。

 私の評価:☆☆(5つが満点です。)

2010年12月18日 (土)

映画の話・336 「 マンデラの名もなき看守 」

20080402004fl00004viewrsz150x1  2007年のフランス・ドイツ・ベルギー・南アフリカ合作映画です。

 まず、感想を一言で言うと、「優秀なサイド・ストーリー」といったところでしょうか。この作品だけを観て、ネルソン・マンデラの偉大さを「ズシーン」と感じることはできません。ただ、偉大な「雰囲気」を感じることはできますが。そしてその看守・グレゴリーの良心のめざめ・苦悩・葛藤は十分感じることができますが、グレゴリー自体が主役ではありませんので(いえ、主役といえば主役ですが、映画自体の中心はやはりマンデラだと思いますので)「グレゴリー、すごい!すばらしい!」というふうにはなりません
 ですからこの映画は、南アフリカの歴史およびネルソンマンデラを描いた他の映画(たとえば「インビクタス」のような)を観た上での、それをより理解・感動するための映画と位置づければ、一番存在感を示すような気がします。もちろんこの映画の制作者はそんなつもりは毛頭ないでしょうし、ある意味失礼な位置づけだとは思いますが

 グレゴリーを演じたジョセフ・ファインズ(この人、絶対に他の映画でも観たのですが、何の映画だったか思い出せません。何だったかな~?同じような感じの映画だったと思うのですけど。)まさに適役でした。繊細な心の動きをよく表現されていましたね。マンデラと棒術の試合をするシーンは、グッときました

 実は私、「インビクタス」の方はまだ観ておりません。それを観たらまたこの映画の評価も変わるかと思いますが、まず現段階での(この映画単独の)評価としては、☆3つとさせていただきます。ちょっと辛口かも。ファンのみなさま、すみません。

 追伸:原題は”GOODBYE BAFANA”。この”BAFANA”とは「少年」という意味だそうですね。グレゴリーがマンデラに共感するようになる大きな要因として、少年時代に黒人の少年と仲良くしていたことがあげられると思いますが、それと関係があるのでしょうか。少年時代のその友だちとサヨナラしたことが、マンデラに対する共感につながったとか。そして、現在行われているワールドカップにも出場している南アフリカ代表チームの愛称が ”BAFANA BAFANA”であるということから考えて、もっと違う意味があるのでしょうか?もっと何か情報をお持ちの方、教えてくださいね。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年12月17日 (金)

映画の話・335 「 陰日向に咲く 」

20071121005fl00005viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 原作を先に読みました。原作も大好きですが、この映画はそれをうまくまとめてあったように思いましたよ

 ダメダメな人がたくさん出てきて、ダメダメなことを繰り返していくお話。「ダメだなあ」と思いながらも、なんだか共感してしまう・泣けてしまうのは、私も本当はダメダメな人間だからでしょうか。でもね、このお話(原作本)がこれだけ世間で受け入れられたということは、たくさんの人の心に「ダメダメな自分」がいるってことでしょうね。このお話の中でダメダメな人たちに出会い、自分だけではないと安心し、そして「また頑張ろう」って勇気・元気をもらうって感じでしょうか

 このお話の中で一番好きなのは、「オレオレ詐欺」のお話。原作本を読んだ時にもグッときましたが、映画でもキッチリ泣かされてしまいました(泣)。
 出演されている俳優さん方はみなさんもう本当にお上手で、その点は安心して観ていられました。岡田くんも、なかなか上手でしたね。個人的にはあまり出てこられませんでしたが、ジュピターさんの緒川たまきさん、イメージ通りでよかったです

 この映画、それほど評価は高くありませんねぇ。確かに小品かもしれません。けれど、私にはかなり響きました。日々の暮らしのなかで、私もよくへこんだりしてしまいます。よく、「もういやだ~」となってしまいます。けれどこの映画はそんな私に、「あなただけじゃないよ」と寄り添ってくれているように感じます。そして、「また明日からも頑張っていこう」っていう勇気をくれたりします。私にとっては、元気をくれる、いい映画です。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年12月14日 (火)

映画の話・334 「  チェ・ゲバラ ~人々のために~ 」

Cq7xrlc8ula1  1999年のアルゼンチン映画です。

 この映画を観ただけでは、チェ・ゲバラという人の素晴らしさはわからないだろうと思います。そういう意味では「28歳の革命」や「39歳 別れの手紙」の方がチェを知るためにはいいように思います。もちろん「モーター・サイクル・ダイアリーズ」も忘れてはいけませんよね。「映画」という意味では先にあげた3作の方が上のような気はしました
 ただそれでもこの作品、他の作品にはない素晴らしい点があります。それは本物のゲバラがそこにいて、動いていること!デルトロの「ゲバラ」も素晴らしかったですが、やっぱり「本物」には負けます。本作品では本当のゲバラが動き、語っています。それだけで本当に圧倒されてしまいます

 本作品は、ゲバラをよく知っている人(知っているどころではありませんが)がゲバラについて語るというのが柱になっています。それに実際のゲバラの映像がかぶせられます。何度も書きますが、映画としては先ほどあげた作品の方が「上」だと思いますが、この作品はまた別の意味で、大変貴重な「資料」だと思いました。「映画を楽しむ」というよりは「ゲバラを知る」という意味で、観てよかったと思いました。評価は、資料として☆4つとさせていただきます。(映画としてなら2つかな

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

I君のこと(2009.3.31記事の転載)

2008121616270001  私もこの歳になるまで本当にたくさんの人と出会ってきました。「いい人」もいれば「そうでない人」もいて、そのさまざまな方々から影響を受けて今日の私が形作られたと言っても過言ではないと思っています。その私がいままで出会った中で一番「いい人」、というか「できた人間」として思い浮かぶのが、I君なのです 

 高校を卒業し京都の大学に進学した私は、大学の寮で初めて親元を離れて暮らすこととなります。その寮はまだできて3年目、大学の方針で先輩はおらず、そこで生活できるのも一年限りとなっておりました。二人一部屋、いや四人二部屋というのが正しいのでしょう。ひとつの扉を開けて部屋に入るとそこには六畳の間が二部屋ありました。四人同室で二人ずつ六畳の部屋に入りました

入学式を前にした4月のはじめごろ、少しの荷物と不安を抱えて初めて寮に行き部屋に入ったとき、その私を笑顔で迎えてくれたのがI君でした。私より少しだけ早く部屋に到着していたI君は笑顔で話しかけてくれ、新生活に向けて不安だった私の気持ちはずいぶん楽になったものです

 それ以後、寮を出た後も(ほんの数ヶ月を除いて)I君とは同じアパートに下宿し、大学4年間をほぼ同じように過ごしました。

 彼のどんなところが素晴らしいのかと考えると、まず「人の悪口を言わない」。いや、悪口を言わないどころか、考えてみると彼の怒ったところを観たことがないようにすら思います。彼はいつも穏やかな微笑をたたえているのです。そして、何か困ったことがあっても、「まあ、こんなこともあるわ。」と特に拘泥はしないのです。

 それから、自分から進んで他人のために尽くせる人でありました。思えば彼の利己的なところを見たことがありません。そのくせ私も含めて周りの友人たちのためには、本当になんでもやってくれるのです。私の乗っていたバイク(250CC)が寮から40キロほど離れた宇治でパンクしたことがありました。私は仕方なくバイクを沿道のお店の裏に置かせてもらって寮に帰ったのですが、その晩、彼は自分の乗っていたトラック(当時彼はオフロードの三輪バギーのレーサーもしていましたので、その運搬用にハイラックスに乗っていました。)で、私のバイクを引き取りにいってくれたのです。合わせて言いますと、かれは何かするときに、絶対にいやそうな顔をしませんでしたし、恩着せがましいことは言いませんでした。

 細かいことに拘らない人でもありました。彼は自分の人生を充実させるためにいろいろなことをし、それにより大学を一年留年したのですが、目先のそんなことにはまったく拘る様子も見せませんでした

 

私は、人との出会いが人間を作ると思っていますし、いい人と出会いその方々から少しずつでも何かしら吸収することにより成長できると思っています。その意味では、私にいい影響を与えてくれる人物が、大学時代にすぐそばにいてくれたことになります。けれど、I君には申し訳ないのですが、私はこの歳になってもまだまだ現在のI君はおろか、あの当時のI君の足元にも及ばないような生き方をしています。立ち止まりふと思い返せば、本当に恥ずかしい気さえしてきます

ただ、まだまだ私もあきらめてはいません。いまさらですが、少しでもI君に近づけるように、これからも希望と目標を持って生きていきたいと思っています

 ちなみにI君は現在、東海地方のお寺で、住職として生きています。彼は元々お寺さんの生まれで、家を継いだということです。私にとって現在の仕事が向いているかどうかはわかりませんが、彼にとって「お坊さん」というのは、本当に適職、これ以上向いている仕事はないなあと、いまさらながらに思うのでありました。

 今日は、私のつたない思い出話を、これまた長文で書いてしまいました。読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

2010年12月12日 (日)

映画の話・333 「 グーグーだって猫である 」

51dorz7rfl_sl500_aa300_1_2  2008年の日本映画です。

 大島弓子さんの作品は少ししか読んだことがありませんし、それほど猫好きでもありません。吉祥寺にも行ったことがありませんので、どれだけこの作品を楽しめるか、少し不安を持って観はじめました。それに・・・世間での評判もあまりよくありませんでしたしね。

 でも、結論から言うと、結構楽しめましたよ。お話の方は正直どっちつかずというか、悪い言い方をすると中途半端な感じも否めないんですが、全体を通して流れる雰囲気がとっても心地よかったのです。「癒された」と言ってしまえば簡単ですが

 主役・小泉今日子さんは本当に女優としてしっかりしてきたなあ(上から目線ですみません。アイドル時代に好きだったものですから。)と感じさせられましたし、上野樹里さん・森三中のみなさんも、いい味だしてましたね(この4人の起用で、この映画の方向性=シリアスではなく、ほのぼの系を狙った・・・が決まりましたね)。加瀬亮さんも、うまいですよね。そして何より、サバ、そしてグーグーのネコちゃんたち。あれ、演技なんですか、すごいですね。私、猫よりは正直「犬派」なんですけど、この映画を観て、猫もいいなあと思ってしまいました。

 原作を知っておられる方には不満もあるでしょうし、大島弓子さんのファンの方にはまた違った観方もあるでしょう。ただ、それらのこだわりのまったくなかった私は、結構いい時間を過ごさせてもらったと思っています。私には、いい映画でした

 追記:大島弓子さんは正直ファンではありませんが、かつて私がかなり好きだった槇村さとるさんが出てこられて、そこでちょっとうれしくなってしまいました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年12月11日 (土)

映画の話・332 「 ミッドナイト・ラン 」

5190bkgz6wl_sl500_aa300_1  1988年のアメリカ映画です。

 いや~、おもしろい映画でした。少し前の映画なんですけどね、それがまたいい感じに「味」になっています。古くさい感じは受けませんでしたよ

 一言でいえば「逃げる」「追う」の「追いかけっこ」。よくあるといえばよくあるような設定なんですが、お話が進むにつれてどんどんその魅力に引き込まれていきます。主人公2人も元々は「追うもの」と「追われるもの」。そしてその2人をまた別の組織が追い、またまた別の人物も追いかける・・・。全米(は言いすぎかもしれませんが)を股にかけた壮大な追いかけっこです
 
 そして、そのような「追いかけっこ」のさなかにはぐくまれる友情。いいですね~。はじめは相性も良くなかった2人が、同じ時間を過ごすうちにお互いに「惹かれるもの」を感じ、やがて友情が芽生える・・・。いろいろなエピソードを織り交ぜて、クライマックスは空港のシーン。そしてそこからのラストは本当に名シーンでした。今思い出しても、心が震えます

 久しぶりに「映画らしい映画」を観たような気がしました。笑って・ハラハラして・ほろりとして・そして爽やかなラスト・・・。文句なく、いい映画でした。評価の方は、ちょっと甘めではありますが、☆5つ・満点とさせていただきます。お薦めです

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

2010年12月10日 (金)

『 約束 』(石田衣良・著)読みました

2010121016040000  私が本好きということで、同僚のNさんが数冊本を貸してくれました。まずはその中の一冊

・・・親友を突然うしなった男の子、リストラに晒され、息子に侮蔑されながらも日常に踏みとどまり続ける父、不登校を続ける少年が出会った廃品回収車の老人、女手一つで仕事を抱えながら育てた息子を襲った思いがけない病ーーー苦しみながら立ちあがり、もう一度人生を歩きだす人々の姿を鮮やかに切り取った短編集。たくさん泣いたあとはあなたの心にも、明日を生きるちいさな勇気が戻っているはず・・・(裏表紙の作品解説より)。

・・・ですって。

 うん、確かにいい作品でした。この裏表紙の作品解説、嘘偽りなしというか、言い得て妙といった感じでした。

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 どの作品も悲しい出来事が起こります。特に最初の「約束」や「天国のベル」「ハートストーン」のように、小さな子どもが不幸にさらされるといった話は、同じような年頃の子どもを持つ私としては他人事には思えなくて、もうそれだけで涙涙となります

 ただ、この作品集のよかったところは、どの作品も最後に「救い」が用意されているということ。単なる「お涙頂戴」で終わらずに、傷ついた人がまた未来に向かって歩き出す姿が描かれていて、そのあたりが私の琴線にビンビン響きました

 私、たとえば「ダメダメな人」とか、不器用な生き方しかできないような人が出てくるお話が大好きです。それから前述の人には当てはまらないけれど、なにかしら人生がうまくいかないというような人が出てくる小説も。

 そのような人々が苦労し壁にぶつかりながら人生を切り開いていく。そのような姿を目の当たりにすると、私も、とっても元気・勇気をもらえる気がします。私自身(みなさまもご存じのように)かなり「ダメダメ」と言いますか、アウェー感漂う人生を送っておりますので、このようなお話に接すると「人生いろいろあるけれど、明日もまた頑張って生きていこう」と思ってしまうのです

 決して大作ではありません。けれど、特に「人生、なかなかうまくいかないなあ」と思うことが多い方には、かなりお薦めだと思います。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です)

 追伸:作者による「あとがき」によると、表題作「約束」は、例の大阪の池田小学校の事件にインスパイアされて書いた小説だということです。事件により心に傷を負った人々の、その傷を少しでも癒すことができる小説を書きたいということで書かれたらしいです。

2010年12月 8日 (水)

あたたかいご飯が食べたい!

P1010132  私、新婚の一時期を除いて、職場でのお昼ご飯は出入りの業者さんのお弁当を頼んでおりました。何度も転勤しましたが、そこでの仕事よりもお弁当の注文システムをまず最初におぼえていたくらいです

 ところが、この4月にN県の山奥へ転勤になってびっくり。なんと出入りの業者さんが「ない」のです。田舎過ぎてまわりにお店が無いからだと思います。仕方ありませんのでこの4月からは、奥さんに頼み込んでお弁当を毎日作ってもらってます。ただし、夜勤でいない時と息子のお弁当が必要無い時は作ってくれませんが

 ただ、そうなると毎日とっても悲しいことがあります。それは、お昼になってお弁当を食べるとき、「ごはん」が冷たいことです。冷えちゃってるんですよ。特に先月あたりから、本当にご飯が冷たいのですよ

 いままであまり感じたことはありませんでしたが、温かいご飯のなんとおいしいことか

 私、今の職場にもなんとかそれなりに慣れてはきましたが、この「ご飯が冷たいこと」は、本当につらいです。なんとかまた、お昼に「温かいごはん」が食べられる生活に戻りたいです

 写真は先日もご紹介させていただきましたが、職場近所の「妹山」です。歌舞伎などで有名な「妹背山」の片方です

2010年12月 7日 (火)

映画の話・331 「 オリヲン座からの招待状 」

20070912010fl00010viewrsz150x1  2007年の日本映画です。

 はじめは、昨今はやりの「昭和を懐かしむだけの映画」かと思って観はじめました。けれど、それだけではありませんでしたね。確かに過ぎ去りし「昭和」に対するノスタルジックな感じはありましたが、単にそれだけではなく、軸になるお話がしっかりとありました。
 そのお話とは、映画館「オリヲン座」を中心としたトヨ(宮沢りえさん)と留吉(加瀬亮さん)の恋物語です。私、映画を観る前はこの二人が普通に恋愛をして結婚をして、そしてさびれていく映画館をいわゆる「映画に対する愛」で守っていくというお話かと思っていたのですが、そうではありませんでしたね。ネタばれになりますので、詳しくは書きませんが。
 トヨと留吉の純愛、理解できない人には理解できないと思いますが、私は結構グッときましたよ。特に留吉の苦悩、痛いほどに理解できて切なくなりました。子どもたち(後の樋口可南子さん・田口トモロヲさん)と楽しそうに過ごすシーンはとっても印象的でした。ああいうふうに過ごしながら、それぞれの人がそこに得られることのない「家族」を見ていたんですよね。楽しそうにしている心の中を思いはかると、本当に切ないです。そしてラストの閉館上映会の映写室のシーンは積年の思いが成就されて、「今更」の感はありますがスッとしました

 思えばこの映画は「間」がいいですね。いや、ゆったりとしているのです。静かなシーンが多いのです。でもそれが、二人の間の微妙な心の動きをよくあらわしています。音楽もとてもいい

 刺激的なシーンはまったくありません。退屈と感じる方もいらっしゃると思います。こういうストイックな思いに対して「馬鹿じゃないの?」と思われる方もおられると思います。けれど私は、このような純愛、特に留吉(加瀬亮さん)の気持ちがよくわかって、本当にグッときました(涙)。全編を通しての空気感とともに、心にしみわたるいい映画でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

映画の話・330 「 電送人間 」

31kcadj8wcl_sl160_aa160_1  1960年の日本映画です。

 私が生まれる前の映画なんですよね~。でも、子どものころ持っていた「怪獣大図鑑」になぜかこの映画のことも載っていて、電送機(?)の中の中丸忠雄さんの顔がとっても怖かったのを覚えています。で、その映画をそれからうん十年経って、初めて観ることができました。

 映画自体は、おもしろいといえばおもしろかったですが、それでも???なところが多くて(なぜ須藤兵長と博士は生きていたの?、なぜ中条(白川由美)さんは呼ばれるまま牧場に行ったの?最後、須藤兵長はどうなったの?などなど・・・)、正直「絶賛」するところまではいきませんでした。詰めるべきところをもっとしっかりと詰めれば、もっと面白くなったんじゃないかとは思うんですけどね

 でも、映画の中に流れている「世界観」「空気感」は興味深かったですよ。戦後10年以上経っても、まだまだ戦争を引きずっている、まだ次の時代に進めないでいる・・・その、人々の「迷い」のようなものがよく伝わってきました。それを象徴しているのがキャバレー「大本営」なんでしょうね
 
 電送人間・中丸忠雄さんの不気味な演技は秀逸、そして鶴田浩二さん・平田昭彦さんの前時代的ではありますが爽やかな演技にも好感が持てました。現代の目で見ると「あら」の目立つ作品ではありましたが、それでも見るべきところはたくさんある、それなりに楽しめる作品ではありました。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2010年12月 6日 (月)

『 F 』(鷺沢萠・著)読みました

2010120518270000  ・・・恋において、友情において、仕事において・・・。人生のなかで何かに「落第」してしまった女の子たちへ贈る、短編集。(裏表紙の作品解説より)

 ・・・ですって。私、人生がうまくいかない人・ダメダメなひとが登場するお話(たとえば、劇団ひとりさんの『陰日向に咲く』とかね)ってけっこう好きなのですけど、この作品集はいまいちでした。まあ、鷺沢さんは好きですし、この短編集の中のどの作品もそれなりの水準には達していると思うのですが、鷺沢さんらしい「人生の機微」のようなものはあまり描けていなかったなあと思います。

 今回はちょっと辛口でしたが、ファンなればこその辛口とご理解くださいね。他にもっともっといい作品があるということを知っていただきたいので

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年12月 5日 (日)

映画の話・329 「 ハゲタカ 」

20090219004fl00004viewrsz150x1  2009年の日本映画です。

 元々のNHKドラマも観ていませんし、株やマネーゲームにもまったく疎い私ゆえ、観る前は「この映画、楽しめるかなあ?」と少し不安だったのですが結論から言いますと、まずまず、楽しむことができました

 そりゃ、出演者の関係や一人ひとりの奥にひそむ「事情」といったものは、元々のNHKドラマを観ていないとわからないことが多かったと思います。それから、企業買収の駆け引きなどはそのあたりの知識が少しでもあった方が、より「わくわく」しながら観ることができたのでしょうね

 ただ、そのようなことにまったく「無知」であった私でも、買収の駆け引きにはハラハラさせていただきましたし、主人公の苦悩にも共感することができました。役者さんた方もさすがに実力者ぞろいで、本当に安心して観ることができましたね。最近特に評判が上がっている大森南朋さんはもちろんのこと、遠藤憲一さん、中尾彬さんもさすがの存在感でした。そしてなにより私のお気に入り俳優の玉鉄さん、今回もクールな役をクールに情熱的に演じてくださいました。かっこよかったです

 スリリングな空気感の中で、熱い熱い「男の戦い」を感じることができました。

 余談:でも、実際にこのようなことが世間で行われていると考えると、ちょっと怖ろしいですね~。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

映画の話・328 「 神田川 」


YouTube: 河合奈保子神田川

 1974年の日本映画です。

 名曲「神田川」をストーリー化したような物語を期待して観たものですから、少々(というか、かなり)期待はずれになってしまいました。もっともっとしっかりと都会を舞台にして、「都会で純愛を貫きたい二人が、世間の厳しさの中、なんとか身を寄せ合って生きていく。生活は苦しいけれど、愛があればなんとかやっていける。けれど最後は・・・。」のようなお話を期待していたんですけどね。でも、内容は全然違ってました。堕胎の件もあんまりだし無理やりだし、最後の友人二人の心中もあまりに唐突・・・、う~~ん、このお話はちょっと・・・

 せめて70年代のノスタルジックな雰囲気が味わえれば・・・とも思いましたが、それもいま一つ。草刈正雄さんが男前なのと関根恵子さんがやっぱり美しいの以外は、あまり見るところのない作品でした。残念

 余談:70年代に愛と切なさと後ろめたさの象徴となっていた「同棲」、もう死語ですねぇ。今はなんの後ろめたさもなく、結婚前の男女が一緒に住むのが普通になってきてますから。いえ、良い悪いの問題ではなく、時代の変化をもっともよくあらわしているもののひとつだなあと思いまして・・・

 私の評価:☆☆(5つが満点です)

 おまけ:何を貼り付けようかと思って探していたら、you tubeで河合奈保子さんが歌っている「神田川」を発見。珍しいので拝借いたしました。河合奈保子さんは現在、オーストラリアに住んでいらっしゃるようですねぇ。

2010年12月 3日 (金)

映画の話・327 「 パコと魔法の絵本 」

20080509005fl00005viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 独特の世界観。同じような感じの映画をどこかで見たな~、そうだ「嫌われ松子の一生」に雰囲気が似てるんだと思ったら、監督は同じ中島哲也さんでした。最近では「告白」が話題を呼びましたよね。映画自体のテーマ・設定はかなり違うものでしたが、全体的な雰囲気が似ていて、いい味を出していたと思いますよ。本当に「日本のティム・バートン」といった感じでした

 映画自体の感想は・・・一言でいうと「おしい」といったところでしょうか。映像はきれい・役者さん方も頑張っておられる・テーマも感動的・・・でも、なにかしら詰め込みすぎといった感じで、どれも中途半端な感じがしました。私の好みとしては、お話を中心に据えて、映像・演技はちょっと抑えめにした方がよかったのかな、なんて思ったりします

 でも、最初にも書きましたようにその映像は魅力的ですし、役者さん方の演技も見ものなんですけどね。個人的には国村隼さんにMVPをあげたい!

 とにかく、すべてが中途半端な感じがして、惜しかったなあという印象でした。悪い映画ではないんですけどね・・・。世間的にはかなり評判のいい本作に苦言を呈して、すみません

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

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