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2010年9月

2010年9月30日 (木)

『悪人』(吉田修一・著)読みました・1

Akuninn

 今話題の「悪人」(吉田修一・著)読みました。なにか、重苦しい、切ないお話でした

文庫本で上・下巻、決して短いお話ではないのですけど、先が気になって「すいすい」・・・というほど軽々しくはありませんが、「ずんずん」読み進めてしまいました。お話自体もわりとわかりやすく、人間関係もさほど複雑ではなかったので、すぐに読み終わることができました。以下、ネタバレありですので、これから本を読もう・映画を観ようと思われている方は、その後にまた読んでいただけたらと思います。では、本文を・・・。

 このお話、登場人物一人ひとりの性格・個性が非常にわかりやすく書かれていましたね。ステレオタイプという言い方をするとまた違ったニュアンスになってしまいますが、それでも、「この人はこういう人」というのが、はっきり書かれていました。だから、お話全体のテーマもわかりやすくなっていましたし、読まれた方の感想も(細かいところでは違った点はあるでしょうが)だいたい同じものになっているのではないかと思います。

 具体的に書くと、まず殺された保険外交員石橋佳乃・金持ち大学生の増尾圭吾は「イヤな奴」。そして、実際に殺人を犯した清水祐一は「本当は悪い人ではない・かわいそうな人」。そして一緒に逃亡した馬込光代も悪い人ではなく「寂しい人」。等々・・・。読まれた方のほとんどがこのような視線で物語を読んでいったんじゃないでしょうか。もちろん、作者の吉田修一さんが読者にそういうふうに思わせるように書いているのだと思います。

 だから、この作品を読み終わった人は「殺された石橋佳乃、そして増尾圭吾の方が本当の『悪人』じゃあないのか?殺してしまった清水祐一、そして馬込光代は本当の意味では『悪人』ではないのではないか?」という感想を持つようになるのでしょうね。読まれた方、このような感想、持たれたでしょ

 

 私ももちろん、同じことを思いました。佳乃に対して「こんな奴、そんなふうになっても当然じゃ~(いえ、言い過ぎなんですが・汗)」とか、増尾圭吾に対しては本当に「なんて嫌なやつなんだ!許せん!(特に佳乃の父親の一生懸命さをバカにして笑い飛ばすシーンは、本当に我慢なりませんでした・怒)」なんて、思いましたもん。そしてやっぱり、清水祐一・馬込光代に対しては、一言で言うと「同情」を禁じ得ませんでした。光代の、今までの生活に対する「充たされない感」もよくわかりますし、何よりも祐一の生い立ちの恵まれなさには同情してしまいます。「同情」という感情は上から目線からきているのかもしれませんし、そうだとしたらその「同情」という感情は非常に「鼻持ちならないもの」かもしれませんが。でも、祐一が小さいときに、母親にフェリー乗り場に置き去りにされるシーン、そのときの祐一の気持ちを考えると、かわいそうで本当に涙が出てきます

 ただね、それでもやっぱり何があっても「殺人」を犯してはいけません人を殺してはいけません。力ずくで(いや、薬物等でも同じことですが)人の一生を奪うことは、何人たりとも許されません(刑法の死刑制度については、別です)。祐一がいくらかわいそうでも、佳乃がいくらイヤな女でも、殺してしまうことは絶対にダメです!それをやってしまったら、「おしまい」なんでしょうね・・・。

 このお話は、このあたりがテーマなのでしょう。誰が「悪人」か?誰が本当の「悪人」か?佳乃か、圭吾か、祐一か・・・。でも一つ言えることは、いくら腹が立っても、何があったとしても、「殺人」を犯してしまったらダメだ・・・ということでしょう。

 まだまだ書きたいことはあるのですが、長くなってきましたので今回はこの辺で。次回は祐一と光代の関係について思うところを書かせていただきたいと思います。よろしければ、またよろしくおつきあいください

2010年9月29日 (水)

映画の話・299 「 帰らざる河 」

4_382541 1945年のアメリカ映画です。

 マリリン・モンロー出演作を、初めて観ました。演技についてはこの一作だけではなんともいえませんが、噂に聞くとおりなかなか魅力的でしたね。その歌も、なかなかお上手でした。さすがに「マリリン・モンロー」でした。
 ただ、製作者側の意図として、映画としてのお話やモンローの演技よりもそのsexyさを前面に押し出そうとされているような気がして、そのあたりにはちょっと嫌な気もしました。かつて、エルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(あの、ダイアナ妃の曲の元歌です。)をよく聴いていたのですが、あの曲に歌われたモンローの気持ちがよくわかったような気がしました

 お話自体は特に見るべきところはありませんでしたね。まあ、細かいところは置いておいて、「古きよき時代の西部劇」といったところでしょうか。今の時代に見れば非常に違和感を覚える表現も次から次に出てくるのですが、あの時代はそんな時代だったんだなあと、ある種の懐かしさすらおぼえました。いや、誤解のないように書かせていただいますが、もちろんあのような表現は絶対によくないのですよ。それによって誰かが傷つくような表現は、絶対に避けなければいけません。そのような意識を持つことも。でもその当時は、そんな意識すらなく、たとえば“インOィアン”なんて言ってたんでしょうねえ・・・。そして白人は絶対に“善”、ネイティブアメリカンは無条件に“悪”なんて思ってたんでしょうね。本当に浅薄な考え方です

 はじめに書きましたが、この映画の最大の見所はやはり「マリリン・モンローの魅力」に尽きるのでしょうね。歌、その表情、しっかりと魅力を堪能させていただきました。特に、普段着、たとえばジーンズ姿なんかがいちばんよかったな・・・

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月28日 (火)

映画の話・298 「 禅 」

20081110004fl00004viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 タイトルも「禅」ということで、宗教色の強い堅苦しい映画なのかなあと思って観はじめましたが、そんなことはまったくありませんでした。簡単・・・とはいきませんが、それでも道元禅師について、そして「座禅」について、非常にわかりやすく、とっつきやすく描いてくれています。専門的なことを求める方にはこのわかりやすさが「物足りなさ」につながるのかもしれませんが、いわゆる「素人」の私にはちょうどよかったです。時折、ちょっとしたお色気シーンや、「それはいらんやろ~」と思わせるような過剰なCG(私としては、棚田の所に月がずら~~っと写ってるやつ・・・)も、一般の宗教素人向けの演出として、微笑ましく観せていただきました

 主演の中村勘太郎さん。賛否両論あるようですが、私は好感が持てましたけどね。あの話し方も含めて(確かに、いかにも「歌舞伎」ですが)、よく演じられているなあと思いました。この映画を一言で言うならば「凛」。その「凛」とした感じをよく表現されておられました。

 普段なにげなく生きている私ですが、たまには「人生」や「死」について考えることがあります。この映画を観てその答えがわかった・・・とは言いませんが、何かしらのヒントはいただけたような気がします。これから先、人生に悩んだり迷ったりすることがあったら、また観てみたいと思います。いい映画でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月25日 (土)

映画の話・297 「 不機嫌な果実 」

41gbzqgy74l_sl500_aa300_1  1997年の日本映画です。現・渡辺謙婦人(この時はまだ辻仁成夫人かな?)、南果歩さん主演です。

 なにかしら、ベトナム映画を観ているようでした。それは画面の中の「光」や「風」そして「色彩」の感じによるものでしょう。そういえば南果歩さんが乗っている車も、なんだかそんな感じでしたね

 お話自体は「ふ~~ん」という感じ。昔から「男脳」「女脳」などといわれているように、男と女では分かり合えない部分があるのでしょう。この映画、女性目線の映画のようですので、男の私にはあまりよくわかりませんでした。

 結婚生活は「現実」、不倫は「かりそめ」。かりそめが現実になったとたんに、いやなところも見えてくる。生きていくということは、きれいごとじゃありませんからね。そういう意味では結構リアルなところを伝えているとも思いますが、まあ、それだけかな。

 南果歩さんは(思いのほか・・・と言っては失礼ですが)おきれいでしたが、R-18にするまでもありませんでしたね。男にしても女にしても、人間の愚かさを感じさせる映画でした。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

 追伸:TVシリーズ主演の石田ゆり子さん、sexyだったな~。このドラマで一回り大きくなった感じがします。

2010年9月24日 (金)

映画の話・296 「 ヨコハマメリー 」

20060324004fl00004viewrsz150x1  2005年の日本映画です。

 なかなか味のあるドキュメンタリーでした。メリーさんを通して、戦後のある時期の(そして今はもう過ぎ去ってしまった)「ヨコハマ」の歴史の一面を教えていただいたような気がします。メリーさん自身(失礼ながら)とても「変わった人」ですが、「本当にいた人」であるというのがすごいですよね。まさに「事実は小説より奇なり」「どんなに作り込んだフィクションも、真実には勝てない」という感じです

 メリーさんももちろんですが、元次郎さんやその他の方々も、とても魅力的な方々でした。他人になんと言われようと自分の思い(こだわり)を貫いた方というのは、やっぱり魅力的に感じられます。まあ、周囲にいた人には多少迷惑だったこともあったでしょうが(汗)。

 「メリーさんの本質・真実に近づききれていない」とおっしゃる意見もあるようですが、私はその撮り方が心地よく感じられましたよ。周辺の所をしっかり掘り下げておいて、核心の部分には想像の余地を残す・・・。そうやって「伝説」は形成されていくようにも思いましたし。

 「メリーさん」は故郷に帰った後どうなったのかなあと思っていると、最後のカラー映像の中に登場されました。最後のメリーさんの笑顔は本当にいい笑顔で、こちらまで癒されました。なにかしらホッとしました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月23日 (木)

映画の話・295 「 ラストラブ 」

20070418002fl00002viewrsz150x1  2007年の日本映画です。以下、ネタばれありです

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 トホホ…これはちょっとご都合主義が過ぎましたね~。朝のごみ出しで「最悪の出会い方」をしたのに、飛行機でばったり会って、そしてニューヨークであんなにすぐ心を開きあいますか?そして奥さんが倒れたことによってトラウマになっていたステージも、ユンソナさんに言われたからといって、すぐにトラウマを振り切って復帰できますか?そのほか、いろんなことが都合よくいきすぎて、リアリティーのなさにまったく感情移入できませんでした
 最後の、田村さんの病気のことに関しても、あまりに「お涙ちょ~だい」過ぎです。恋に落ちた二人があんな風に病気に引き裂かれるって、失礼ながらちょっと古臭いでしょう

 同じようなお涙ちょうだいものでいえば、「オータム・イン・ニューヨーク」の方がニューヨークの景色がきれいだという点において上ですし、世のお父さん方に希望を与えるという点においては「恋と花火と観覧車」の方が上です
 映画というものはどんなものであってもいろんな方の思いがこもっていると思いますので、基本的にけなすのはイヤなのですが、この映画、お話にも景色にもその演技にも見るモノがない、ちょっと「どうしたものか・・・」というような映画でした。強いて言えば、森迫永依ちゃんの演技と、田村さんご自身が吹かれているというサックスだけが見どころといえるでしょうか

 私の評価:☆(5つが満点です。)

2010年9月21日 (火)

映画の話・294 「 突入せよ!『あさま山荘』事件 」

4_177701  2002年の日本映画です。

 この事件、私はリアルタイムで見ていました。とはいっても当時小学校の3年生くらいだったので事件の細かい背景までは知りませんでしたが、なんといてもあの鉄球があさま山荘を破壊するTV映像は、今でも脳裏に焼き付いています。小学校の教室のTVでみんなで見たような記憶があります。あれから30年以上経った今でも、自分の中の「衝撃的な事件」として痛烈に覚えています

 この映画はあの事件をあくまで警察の側から描いたものです。ですから「あさま山荘」を含めた「連合赤軍」の内幕を描くといったものではなく、あの事件に際しての警察内部の混乱・内紛などなどを描いております。

 今、「混乱」と書きましたが、この映画を一言で言いあらわすならばまさにこの言葉がぴったりだと思います。セリフが聞きづらい・画面が見にくい等視聴におけるいろいろな不具合はありましたが、あの日あの雪山で起きた事件、それを解決しようとした警察内部のいろんな意味での「混乱」が、それらも含めてよく表現されておりました。

 合わせて、体面を保とうとする人間の情けなさみたいなものも、よく表現されておりましたね。警視庁でも長野県警でも、どちらが目立とうがいいんじゃないの?事件が解決すれば・・・などと一般市民の私などは思ってしまいますが、当事者にとってはそういうわけにはいかないんでしょうねえ。でも、やっぱり、情けない・・・

 最初にも書きましたように、この映画はあの時代、連合赤軍の起こした事件を総括しようとして作られているわけではありません。ですからそのようなつもりで観ても、あまり意味はないように思います。ただ、あの事件当時、警察はどのように動きどのように事件を解決したのかということについては、その空気を感じることはできると思います。

 余談ですが私は、警察の側からの物語だけではなにかしら不十分のような気がしますので、次は「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を観てみたいと思います。自分の中でもあの事件について、自分なりに結論付けたいと思いますので。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月20日 (月)

『 模倣犯 』(宮部みゆき・著)読みました

Photo  いや~、ついに読みました。現代ミステリーの代表作、宮部みゆきさんの『模倣犯』。かなり以前からその評判も聴き、ぜひとも読んでみたいと思っていたのですが、何といってもその分厚さ(本の暑さ3センチくらい)・長さ(上下巻各700ページほど。各ページ上下段構成。ゆえ、なかなか手が伸びなかったのです。でもね、今回なぜだか気分が乗って、ついに読みました。以下、できるだけネタばれなしで感想を書いてみたいと思います

 まず、一言で言うと、とってもおもしろかったです。ただでさえこれほどの大作を読みましたら、読み切った感・やりきった感(いわゆる充実感ですかね?)があると思いますが、この本の場合はとにかく内容も濃かったので、読み終わった後の余韻がすごかったです。2・3日はずっと(はい、3日ほど前に読み終わりました)この本のことばかり考えていました

 とっても重い・暗い内容でお話が始まりますので、はじめはこちらも重苦しい気持ちを抱えながら読み進めていくことになるわけですが、だんだんとお話に引き込まれていき、下巻の半分を過ぎるころには、「このあとどうなるんだろう・・・」との思いに引かれて途中で止めることはできず、一気にラストまで読んでしまいました

 ミステリーとはいっても、犯人は初めのあたりでもうわかっているのです。ですからお話の興味は、「真犯人」が最後はどうなるのか・・・です。このまま逃げおおせるのか、最後にはつかまってしまうのか・・・。この一点が私には本当に気になる点でした。「まじめに生きてる人には、幸せがやってきてほしい・悪いことをした人には、罰が下ってほしい」と、やっぱり思いますから。結果、どうなったかは、ここでは書かずにおきますね

 この作品を読んでいてとっても感心?したのは、その人物描写の巧みさ、です。小説家さんからしたらあたりまえなのかもしれませんが、たくさんの登場人物、その一人ひとりをしっかりと描き、その人物の生き方・周囲の人との関係などなどを丁寧に描いて、まさに(そこで生きているような)立体的な人物として描いております。被害者一人ひとりについてもそのように描かれているので、被害者本人の苦しみ・悲しみ、そして残された人々の苦しみ・悲しみが、読んでいるこちらにも痛いほど伝わってきます。宮部みゆきさんが特にすごいのかも知れませんが、私はやっぱり小説家にはなれないなあと思いました(笑)

 あと、もうひとつ。お話の中の重要な人物として「ピース」という人が出てきます。どういう人か書きたいのですが、ネタばれを避けるため、それはやめておきます。お話の中では、すべての人物が「氏名」でしっかりと書かれているのですが、この「ピース」だけなかなか氏名が明かされません。それが不気味なんですね。この「ピース」の描写をみていて、私は夏目漱石の名作「こころ」の中に「K」という人物を思い出しました。KはいつまでたってもKで、人間らしい部分を心の奥底にひた隠したまま「自殺」してしまいます。その遺書にも「本心」は明かされません。その「K」の不気味さに通じる「ピース」の描写でした。宮部みゆきさんもKを意識して書かれたんじゃないかと思ったりしました。

 読み終わっての感想をもっと突っ込んで書いてしまうと、ネタばれになってしまうのでここではこのへんにしておきます。ただ、とにかく凄かった・衝撃を受けたということは書いておきますね。長いですが、一気に読んでしまえます。読んで、時間の無駄であったというようなことは絶対にありません。特にミステリー好きでなくても(私もそうではありません)、普通に本が好きとおっしゃる方なら、満足できる作品であると思います。読まなきゃ、人生における損であるとさえ、言い切れるように思います。大・大・お薦めです。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

2010年9月18日 (土)

映画の話・293 「 秘愛 」

183166viewrsz90x1  2005年の韓国映画です。

 ソン・ヒョナさんが観たくて、この映画を観ました。「スカーレットレター」や「絶対の愛」で不思議な存在感を見せつけていたソン・ヒョナさんですが、この映画ではまた違った魅力を見せてくれています。ソン・ヒョナさん、日本で言うと島谷ひとみさんやMBS毎日放送の八木早希アナウンサーにちょっと似てますよね。え、賛否両論ありますか?でも、そのおふたかたをちょっと意地悪にした感じの美人で、私、結構気に入っております。(お二方のファンのみなさま、誤解しないでくださいね。そのお二方は性格がよさそうと言っているのですよ。)

 お話は、結婚を控えた女性の、いわゆるマリッジブルーからくる「一時の恋」そしてその結末といったところでしょうか。正直に言って特にどうこうということはありません。まあ、映像はなかなかシャープで美しかったように思います。あと、ハードなシーンが多いですから、そういう(ハードなラブ)シーンに嫌悪感を抱かれる方は観ない方がいいかも

 最初にも書きましたように、私はソン・ヒョナさんを観たかったので、その意味では満足させてもらいました。ただ、お話はいまひとつですので、ソン・ヒョナさんをはじめ出演者が目的でない場合は、あまりお勧めはしません。評価の方、ソン・さんの魅力は☆4つ、お話は☆2つ、トータルで☆3つにさせていただきます。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月15日 (水)

映画の話・292 「 プラダを着た悪魔 」

20060908005fl00005viewrsz150x1  2006年のアメリカ映画です。

 何事もはじめから出来ないと言わず、まずはしっかりと取り組みなさいそうすれば新しい可能性が広がるから。・・・自己啓発本あたりによくありそうなセリフですよね。この映画はまさにそれを地で行く作品

 元々ファッションに興味のなかった主人公アンドレア(アン・ファサウェイ)が、ひょんなことから超一流ファッション業界誌の編集部で働くことになり、業界でも超有名人・やり手のミランダ(メリル・ストリープ)のもとで無理難題を押し付けられ鍛えられ、挫折しそうになりながらも成長していくという、まあ、ありがちといえばありがちなお話です。ただ、さえない女の子が次第に成長し、美しくなっていくというお話にしたかったんでしょうけど、アン・ファサウェイははじめから美しいんですけどね

 ラストについては、正直私は「それでよかったのかなあ」という思いもあるのですが、まあ、アンドレアもあそこまで一応の成功をおさめたら、あとはどちらをとってもそれはそれでOKといった感じもします。「アンドレアはそっちを取ったのね~」って感じです

 映画としては、まあ、佳作といったところでしょうか。好きな人は好きでしょうけど。私は、とっても感動した、というほどでもありませんが、それほどファッションに興味も知識もない私でも、それなりに楽しむことはできました

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月14日 (火)

映画の話・291 「 力道山 」

20060201004fl00004viewrsz150x1  2004年の韓国・日本合作映画です。

 この映画は様々な視点で語ることができますよね。「戦後の日本最初のヒーロー物語」「ヒーローを陰から支えた奥さんの物語」「昭和30年代を懐かしむ映画」「戦中戦後の在日朝鮮の人に対する差別を描いた作品」等々・・・。「力道山」という日本の戦後史に確実に名を刻んだ一人の「男」の物語ですが、観る人によってその観方はさまざまだと思います。そしてその観方によって感動もさまざまだと思いますが。

 私は「自分の思いに正直に生きた男の物語」として観せていただきました。民族的なひどい差別を受け、それでも自分の「運」と「力」を信じて身を立てていき、そして相撲からプロレスに転身してからも自分の「信念」のもとに行動していく。正直に正直に、敵を作ることをもいとわずに。あまりにも自分に正直に生きようとするがゆえに周囲からだんだん人がいなくなり、どんどん孤独になっていく・・・。その時々に挟まれる菅野(藤竜也さん)の言葉(人間には信頼が大切だ・出る杭は打たれる、などなど)が非常に象徴的でした。力道山の正直さゆえの悲しさに、痛々しいほどの切なさを感じてしまいました。個人的に私も思い当たるフシがありますので・・・

 最終的に、力道山は自分の人生を幸せだと感じていたのでしょうか?(私には、綾=中谷美紀さんと出会って一緒に暮らし始めたあたり、そう、あの写真を撮ったあたりが一番幸せだったんじゃないかと思いますが。)

 ソル・ギョングさんは本当に見事に「力道山」を演じられていて、これぞ「役者」というものを見せてくれましたし、藤竜也さんもさすがの存在感でありました。そしてやっぱり中谷美紀さん、いろいろな作品によく出ておられますし、どの作品に出られてもその存在感たるやお見事です。ここ最近では男性では香川照之さん、女性では中谷美紀さんが本当に「役者」として輝かしい活躍をされているように思います。

 あと、この映画について触れておきたいことは、韓国映画(日韓合作ではありますが、監督は韓国の方)でありながらそれを感じさせないということ。たとえば「硫黄島からの手紙」がそうであったように、制作国の色を感じさせません。作中に「俺は日本人でも朝鮮人でもなく、世界人だ」というセリフがありましたが、この映画もまさにそのような感じを受けました

 本作品、映画として客観的に評価するならば☆3つ~4つというところだと思いますが、私は個人的にかなり思い入れを持って見ました。この作品で描かれた力道山の生き方と私の生き方に重なる部分を多く見出したからです。もちろん私はヒーローでもありませんし強くもお金持ちでもありませんが(笑)。ただ、その不器用さにとても共感を覚えました。そしてこの映画に、自分の人生の今後の指針を示されたようにすら感じました。ですから、私個人としてはこの映画の評価をあえて☆5つにさせていただきたいと思います。

 私の評価:☆☆☆☆☆(私にとっては満点です。)

2010年9月11日 (土)

映画の話・290 「 青い鳥 」

20080908004fl00004viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 舞台となる「学校」の中に見られる、特に管理職の事なかれ主義に対して、本当にへどが出そうでした。実際にこんな感じの学校、そして管理職は残念ながら多いんでしょうね。まったくどちらを向いて(何を・誰を対象に)教育をしている事やら。そんな学校教育に一石を投じているのが、阿部寛さん演ずる「村内先生」なんでしょうね

 村内先生がおっしゃったこと。「人が真面目に話していることは、真面目に聞かなければいけない」「人の心を踏みにじったものは、その重みを感じ、責任を取らなければならない」等々、考えてみればこれらの言葉は、人として当たり前のことばかり。けれどそれらが心に響くということは、実際の学校で、そして社会でそれらのことがないがしろにされているからでしょうか
 本当に、村内先生のように、生徒にきっちり向き合うことのできる先生がもっと増えれば、いじめをはじめとする子どもたちの問題も、もっとなんとかなるんでしょうねえ。一向に解決に向かっている気がしない「教育現場の問題」に、その解決のためのヒントを与えてくれているような気がしました。

 そしてもうひとつ、この映画を見て感じたことがありました。それは、いじめられている人は当然誰かにそのことを気付いてもらいたいし、いじめをやめさせてもらいたい。けれど、いじめている方も、実は誰かに(学校の場合はやっぱり先生でしょうねえ)止めてもらいたいんだろうなあということです。人間には「良心」があります。けれど、集団心理やその場の「ノリ」によって、悪いとわかっていてもやめられないこともあります。そして大体の場合、人間のやることは次第にエスカレートしていきます。取り返しのつかないことにならないうちに止めてあげることが、いわゆる加害者の方のためにもなるんだなあと感じました

 いままで、学校現場の問題に関していろいろと感想を述べてきましたが、これらのことは、実は社会全体の問題にも、いいヒントを与えてくれているように思いました。すべてひっくるめて簡単に言いますと、「自分のことを心配して気にかけてくれている人がいる」「しっかりと自分と向き合ってくれる人がいる」と自覚している人・子どもは、それほど間違った方向には行かないと思います。できる限り早い(幼い)段階で、どの子にも「誰かのかけがえのない自分だ」ということを実感させてあげれば、実際の社会でこんなにもさまざまな問題は起きないのではないかと、少し思いました。それを実感させてあげるのは、多くの場合「親」なんでしょうね

 最後に、主演の阿部寛さん、好演されていました。この作品での演技によって、また俳優としての幅を広げられたんじゃないかと思います。説明をせずとも、言葉にせずとも、村内先生の人となり・その背景が感じられるようでした。本郷奏多くんも繊細な演技がなかなかよかったです。

 やっぱり、「真剣に人と向き合う」って大切なことですよね。これが「誠実」ということなんですけど、毎日の生活の中で、いい加減になってきているんでしょうね。私ももう一度様々な人と誠実に向き合いたいと思います。そんな気持ちにさせてくれた映画でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月 9日 (木)

映画の話・289 「 シルク 」

20071003009fl00009viewrsz150x1  2007年のカナダ・フランス・イタリア・イギリス・日本合作映画です

  この映画、一言で言うと雰囲気を楽しむ映画でしょうね。日本・カナダ・フランス・イタリア・イギリスの合作映画ということで、おもにイギリス・フランス映画の影響を色濃く受けているように思います。フランスが舞台ですし(でも、監督はカナダ人なのね・汗)。
 
 この映画に出てくる日本の映像(山形ですか?)は本当に美しいですね~。主人公の心を奪う少女(芦名星)も長い黒髪の、ミステリアスな雰囲気の漂う美人さんですし、結局、西洋人の観た遠い地の果ての異国の美しさを堪能する映画なんじゃないかと思います。日本人の私が観ても、この映像の中の日本はミステリアスで美しいです

 ただ、お話はよくわかりません。いや、美しい妻がいながら異国の少女に心奪われた男の哀れな姿を描いているのはわかるのです。けれど、突っ込みどころもたくさんありますし(あんなに簡単に何度も日本に行けたの?あの少女はなぜ異国の人に体を許したの?等々)、気になりだしたら、お話にのめり込むことができなくなります。妻(キーラ・ナイトレイ)の苦悩は、可哀そうだとは思いますが。(でも、男って、心を奪われた女の人のことをいつまでも忘れられないっていうのは、ありますよね。)

 中谷美紀さんや役所広司さんが出てくる場面は、やっぱり心躍ります。堂々としたその演技に、胸がすく思いもします。けれど、映画としては、いま一つかな。本当は☆2つとしたいところですが、その映像の美しさと坂本龍一さんの音楽の美しさで☆プラスひとつ、計3つとさせていただきます。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

 追記:シルクといえば、吉本興業のシルクさん。最近注目されてきましたね~。漫才コンビ・非常階段でデビューされたころ、一番面白くない漫才師と言われ、相方のミヤコさんを病気で亡くし、いろいろと苦労されてきましたが、ようやくそれなりに人気が出てきて、何かしら私もうれしいです。私、地道に頑張ってこられた方が大好きですから。ちょっと異質な売れ方ですけれど、これからも我が道を行かれて、頑張ってください

2010年9月 8日 (水)

『待っていてくれる人』(鷺沢萠・著)読みました

2010090418320000  鷺沢萠さんのエッセイ集『待っていてくれる人』を読みました。いつもながら味のあるエッセイが盛りだくさんなのですが、今回は日常のいろんなことに対しての「怒り」「笑い」といったものではなく、もっと人生を大きな視点で見て、思うところを記したといった印象を受けました

 このエッセイ集の中で最も心惹かれたのは、表題作「待っていてくれる人」。ここには「幸せ」というもののひとつの本質が書かれているような気がします。「『自分を待っていてくれる人』がいる、というのは嘘みたいにありがたいことなのだな・・・」という一節には、大きく首肯する私なのであります

 あと、ちょっと悲しかったのは、「『おたま死』の恐怖」や「負け犬宣言」などで、一人暮らしにおける「死」の恐怖について述べておられるのに、結局は「一人で亡くなられる」ということになってしまったこと。「私は死を怖れる。生に対する未練がある。たぶんそれは自分の生が無に帰するのが怖いせいだと思う。そうならないようにするため、自分も存在を無に終わらせないようにするため、私は精一杯に他者を思い、他者を愛す。少なくとも、そうであるように努める。(「私」という「自分」)」と書いておられるのに、いったいどうしたんだよ~と、その死を改めて悼んでしまいました。何があったかはわかりませんが、個人的なわがままを言わせていただけるならば、もっと生きて、私に、私たちに人生のなんたるかをもっともっと教えていただきたかったです

 現在、宮部みゆきさんの大作『模倣犯』を読んでおります。現在、上巻の400ページくらいのところです。毎日少しずつ読み進めておりますが、大作ゆえなかなか読み終わりません。そのうちまた、感想を書かせていただきます。

 現在、読むたびに暗い気持ちになっております。この気持ち、最後にはすっきりするのでしょうか

2010年9月 6日 (月)

映画の話・288 「 ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ 」

20071105003fl00003viewrsz150x1  2007年の日本映画です。

 冒頭から、チェーンソーを持った怪人は出てくるわ、それに女子高生が立ち向かうわで、荒唐無稽な、よくわからない映画なんじゃないかと、とっても不安になったのですが、なんのなんの、観終わってみると、とってもいい映画でした

 あの、チェーンソーを持った男は、いわば「自分の中の弱い心」の象徴なんですよね。だから、それに打ち勝たなければ、幸せはやってこないんですよね。もしその「弱い心」に負けてしまったら、たとえば『山月記』(by中島敦)なら虎になってしまい、この作品なら「チェーンソー男にやられてしまう」ってところでしょうか。もし解釈が違っていたらすみません。でも、私はそんなふうに感じ取れました

 話は変わりますが、主演の市原くん、いいですね~。関めぐみさんもあの眼力はなかなかのものでしたが、いっちー(市原くんです)は本当に等身大の主人公を好演していて、本当に好感が持てました。最近の若い男性俳優さん、俳優としてみればたとえば瑛太さんや加瀬亮さんあたりにものすごい才能を感じている私ですが、市原くんは俳優としてというより(いや、もちろん俳優としてもいいのですよ・汗)、「男」として憧れを感じてしまいます。倍以上も年上の私が言うのもおかしな話ですが、彼、男として素敵ですわ

 青春時代の懊悩・煩悶、そしてその中でもがきながらも立ち向かっていこうとする姿を、よく描いていたの思います。途中の三浦春馬くん・浅利陽介くんとのバンドシーンは、なにかしらグッときましたよ。期待していなかった分だけ、よけいに感動しました。なかなかの拾いものだったと思います。なかなか良質の青春映画でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月 5日 (日)

『 フィッシュストーリー 』(伊坂幸太郎・著)読みました

2010090119080000  当代人気作家のおひとりであり、私の最近のお気に入り作家でもある伊坂幸太郎さんの作品です。短編・・・というか中編4作品が収録されております

 たしかに伊坂さんらしくおもしろかったですが、私の正直な感想としましては、「まあ普通だな~」ってところです。可もなく不可もなく・・・って感じでしょうか。表題作「フィッシュストーリー」もテーマ設定はなかなかおもしろかったんですけどね。でも、「それで終わり?」っていう感じもありました

 ただ、この作品が映画化されて、どんな感じになっているのかなあという興味は、とっても出てきましたよ。映画のほうの評判もかなりいいようですから、また観る楽しみができました。他の作品とミックスされて、映画化されたのかなあ?

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です)

2010年9月 3日 (金)

『 過ぐる川、烟る橋 』(鷺沢萠・著)読みました

2010090119090000  ・・・1970年代、東京。貧しくとも、ささやかな夢を分け合う二人の男がいた。九州から単身上京、中華料理店で働く篤志。身体がデカいのが悩みの彼は、店の先輩・勇のすすめでプロレスの世界に足を踏み入れる。運を掴む篤志と、見放される勇、その間で揺れるユキ。時を経て再会した三人は、何を得、何を失ったのか・・・?青春の記憶を手繰り、夜の博多に漂うノスタルジック・ラブストーリー・・・(新潮文庫、裏表紙の作品紹介より)・・・ですって。

 久しぶりに鷺沢萠さんの本格的な小説を読みました。最近は鷺沢作品では、エッセイばかりを読んでいましたもので

 でも、やっぱり鷺沢さん。読ませますね~。さすがに筆力があります。電車の中で読んだのですが、生き返りの3時間ほどで、一気に読んでしまいました。作品の中には、エッセイの中にも登場した鷺沢さんの人生観も垣間見られて、それはそれでほほえましく思いました。たとえば「『頑張る』だけでは追いつけないものがこの世の中には山ほどあって、それはもうどうしようもないほどの真実だ。」などというのは、先日紹介させていただいた『ありがとう』の中の「ケロヨン人形」のまさにテーマそのものですよね(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/06/post-de85.html)。

 この作品を読んで、気がついたことが一つ。これは本書の巻末解説でも語られているのですが、鷺沢さんは男性の心の機微を描くのがとってもお上手だなあと思いました。女性が女性の心の機微をうまくとらえる・描く・・・というのは、ある意味わかるような気がするのですが(たとえば角田光代さんあたりhttp://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2009/12/post-b8d5.html)、女性である鷺沢さんが男性の、それもある程度年齢を重ねたいわば中年男性の心のひだ・機微を描くというのは、考えれば奇妙なことだなあとも思います。でも事実そうなんですから、仕方ありませんよね(笑)。いろいろなかたとお酒を飲んだり交流をしたりする中で、もしかしたらご自分でも気付かないうちに細かく観察されていたんでしょうね。

 昭和の、高度成長期(よく、「昭和なつかし映画」で取り上げられる時代ですよね)を舞台にした、大人の男の物語です。成功した男と、いつまでたってもうだつの上がらない男。それぞれの人生の物語です。お話として「とても感動した~」というほどではありませんが、なにかしら懐かしい、ノスタルジックな気持ちにはなりました。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年9月 1日 (水)

映画の話・287 「 絶対の愛 」

20070216003fl00003viewrsz150x1  昨日の「サウンド・オブ・ミュージック」に引き続き、私がとっても衝撃を受けた作品をご紹介させていただきます。観たのは半年ほど前(これも、ケルビムさんのお薦めでしたよね。ありがとうございます)なのですが、今でも心の中に爪痕のようなものがしっかりと残されております

 2006年の韓国映画、キム・ギドク監督作品です。原題は”TIME"・・・意味深じゃ、ありませんか。それでは・・・ネタばれありです

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 とにかく本当に、観終わった後ものすごい衝撃を受けました。それから半年以上経った今でも、自分の中ではいまだに消化しきれていません。この感じ、なんと言ったらいいのか・・・。ひとつ言えることは、この感じがまさに“キム・ギドク“なんでしょうね。


 恋人が「愛している」といってくれているのにそれを信じることができず、「永遠の愛=絶対の愛」を求めてエスカレートしていくセヒ。その狂気の様は本当に怖ろしかったですが、本当に怖ろしかったのは、思い(不安?)の大きさの差こそあれ、その思いが誰にでもありそうだったこと。みんなぎりぎりのところで踏みとどまっていて、けれどもし何かの拍子に「たが」が外れたらああなってしまう可能性を秘めている?そう考えると本当に怖ろしかったです。もちろんあそこまではなかなかしないだろうとは思いますが
 セヒが思い余って整形外科医の門を叩き、このようにしてくださいと持っていった写真=顔の各パーツを取りとめも無く配列してあった写真は、その後のセヒを暗示するようで、本当にぞっとしました。それから、整形をしたむなしさに気づき正体を明かすあの喫茶店の場面での、お面をかぶったあの姿、本当に背筋が凍るようでした

 セヒが望んだ「絶対の愛」なんて、結局は存在しないんでしょうね。時が流れて人の気持ちも変わる・・・それが真実なんだろうと思います。けれど、「人間」は無いものねだりをしてしまう生き物・・・それでも、あまり無いものねだりしすぎると、最後に待っているものは「破滅」ということでしょうか・・・

 そして最後、最初のシーンに戻ったときは、これまたショックを受けました。こうやって(永遠の愛を求め、破滅へ向かっていく)「物語」は永遠に続いていくんだなあと、うちのめされました。後味がいいのか悪いのか・・・とにかくかなり「尾を引く」映画でした

 追伸:スェヒ役のソン・ヒョナさん、好きなタイプだな~と思ってみていたら、「スカーレットレター」で写真館の女主人役をやっておられた方ですよね。あのときも「いいなあ」と思ってみていたので、こうやってまた再会できてうれしかったです。でも、この作品での「鬼気迫る」というか「狂気」に満ちた演技、素晴らしかったです。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

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