フォト
無料ブログはココログ

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月30日 (日)

映画の話・247 「 甘い人生 」

20050221003fl00003viewrsz150x1  2005年の韓国映画です。

 一言で言うと、非常に惜しい映画だなあという印象を受けました

 主演のイ・ビョンホンさんは文句なくカッコいいです。設定もテーマもストーリーも、あとひと工夫(いや、ふた工夫かな・笑)すればそれなりにいいものになる予感がするのに・・・。でも、なにかしらすべてが中途半端に終わってしまっている感じがしました。あんなにかわいがっていたソヌ(イ・ビョンホンさん)に対して、あんなことだけであんなふうな仕打ちをしようとするボスの気持ちがよくわかりませんし、ソヌがボスの若い愛人に惚れてしまうところも、なにかしらよくわかりませんでした。そりゃ、人を好きになるのに理由はいりませんけど・・・
 指を潰されて穴に埋められて・・・けれどそこから出られて、復讐を始めて・・・そのあたりの流れも、いま一つしっくりこないんですよね。そうなってくると、ちょっと感情移入がしにくくなってしまいます。ラストも、救いのないものになっていますし・・・


 何度も言いますが、イ・ビョンホンさんは文句なくカッコいいです。これは嫌味でもなんでもなく、イ・ビョンホンさんの大ファンの方なら、きっと満足できる映画だと思います。アクションシーンもなかなか見ごたえがあります。見るべきところはきちんとある映画だと思います。だからこそ、先ほど書かせていただいたような点で、ちょっと残念だなあと感じました。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。本当は☆2つ。でもイ・ビョンホンさんのかっこよさにひとつ追加。)

2010年5月28日 (金)

映画の話・246 「 続・エマニエル夫人 」

202468viewrsz90x1  1975年のフランス映画です。

 いや~、あの有名な映画の続編です。ここに紹介するかどうかちょっと迷ったんですが、まあ、これも映画史に残る作品ということで

 

  この映画が公開された頃、私は小学校の高学年だったんですよね~。ちょうど思春期にさしかかった頃。私も普通の健康な男子でしたから、この映画の宣伝がTVなんかでなされていると、もう興味津々(恥)。よくわからないながらも、親の目を盗んでTVを観ていたのを思い出します(照)。


 で、先日CSでこの映画が放送されるとのことで、実際どんな映画だったんだろうと興味を持ち、観てみましたよ。う~~ん、こういう映画だったのね。ストーリーはとにかくエッチだらけ。まあ大変です(笑)。なんじゃこりゃ・・・って感じ(笑)。正直これはやっぱりVシネマ・・・いや、やっぱりAVですよね~。AVとしてはなかなかよくできている気もします(笑)

 フランス映画っぽい、紗がかかったようなソフトな雰囲気はなかなかよかったですし、今回はバリ島などのアジアが舞台ということでエキゾティックな雰囲気もまたいい感じでした。そしてやはり音楽もイイですよね~。フランス語の響きによく合ったアンニュイなムードは、映画によくマッチしておりました。

 この映画、ソフトAVとして観れば☆4つくらいつけてもいいかなあと思いましたが、映画としてはどうかといわれると、う~~ん、難しいです・・・。やっぱり☆2つくらいかなあ

 私の評価:普通の映画として☆☆(5つが満点です。)

2010年5月26日 (水)

映画の話・245 「 ナビィの恋 」

4_88621  1999年の日本映画です。

 

 楽しくて・切なくて、そしてすっきりさせられる映画でした。ナビィ(これが西田尚美さんではなく平良とみさんのことだったので、私も少しびっくり)の恋の行方については、必ずしもハッピーエンドではないのかも知れませんが、それでも映画のラスト西田尚美さんのエピソードについては、ハッピーエンドでよかったです。

 ナビィの恋の行方については、必ずしもハッピーエンドではない・・・と先ほど書きましたが、それはまず「おじぃ」の気持ちを思えばそんなに喜んでばかりもいられないと思ったのと、おばぁ(ナビィ)たち二人の今後をそれほど楽観視できないというふうに思うからです。少々現実的すぎてすみません
 でも、おじぃは本当に可哀相だと思うのですが(でも、おじぃも覚悟しているふうではありましたよね。むしろ、長い間そばにいてくれてありがとうよいう感じでしょうか)、おばぁにしても、今後の現実はどうであれ、長い間の望みが叶ったんだから、それはそれでやはりハッピーエンドととらえるべきなのでしょうね

 この映画の中で特に評価したいのが、主演の西田尚美さん。西田さんはどうしても脇役の印象が強いですよね。でも、この映画の中ではしっかりと存在感のある演技を見せておられました。彼女の持つ中世的な部分・爽やかなお色気といったものが、ナナコさんの持つ魅力とうまくはまった感じがします。この映画、本当に西田さんの代表作といった感じですね。

 それから、島の方々の演技がとてもよかった。いえ、演技がお上手だったといっているのではありません(汗)。しかし、その存在感はどの方もしっかりしておられたように思います。特に歌のシーン(ある種のミュージカルのようでした・笑)は、本当によかったです。沖縄の方々の生活には、本当に歌が大きく根付いているのですね。最近よくある、取って付けたように沖縄を賛美する映画ではなく、本当に沖縄の魅力を伝えている映画だと思いました。全編から、沖縄愛が溢れており、観ているこちらの胸もあたたかくなりました

 楽しくて切なくて、けれどすっきりとした気分にさせられました。ハイビスカスの花が、そして沖縄の青い空が似合う、いい映画でした。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年5月23日 (日)

映画の話・244 「 海は見ていた 」

4_599271_2  2002年の日本映画です。

 黒澤明氏が監督ではなく、脚本を担当されておられるんですね。いつかご自分で・・・と思っておられたのでしょうねえ。そういう事もあって、熊井啓さんが監督をされていますが、全編黒澤色が漂っておりました
 その心は・・・いわゆる社会的弱者対する暖かい・優しい目です。名作「七人の侍」や「生きる」そして「どですかでん」などにも見られた、「目立たないけれど毎日一生懸命、誠実に生きている人に対する人間賛歌」が、この作品にも溢れています。山本周五郎さんの原作作品だということも、それを助けていますよね

 最初、観はじめた時は、「お新(遠野凪子さん)と房之助(吉岡秀隆さん)との恋物語なのね」と思っておりましたが、それは一時間くらいで終わり(世間知らずのボンボンは恐ろしい・・・)、結局三話くらいがオムニバスのような形で同時進行で進んでいくといった印象を受けました。最後はよく考えると「ハッピー・エンド」でもないのですが、それでもけっこう爽やかな気持ちで観終わることができました。良介のエピソードも「勧善懲悪」のような感じですし。

 世間ではあまり知られていない映画ですが、なかなかの佳作だと思いますよ。特にいわゆる時代劇がお好きな方や「日本の心」に関心を持たれている方は、観ていただいて損はないと思います。

 私の評価:☆☆☆(3.5くらいかな~。5つが満点です。)

2010年5月20日 (木)

映画の話・243 「 天国はまだ遠く 」

20080908003fl00003viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 今回は、ネタばれありです。これから観ようと思われる方は、また観てからお読みくださいね

 それでは・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一言で言えば、都会での生活に疲れ自殺を決意した若い女性が、死に場所を求めて自然に恵まれた「田舎」にやってくる。けれどそこで大自然に癒され人々に癒され、元気を取り戻し再び都会に帰っていく・・・というお話です。 


 よくあるお話といえばそうなのですが、その「よくある感じ」が逆にリアリティをもって観ているこちらに迫ってきます。そして出てくる人々の様子が押し付けがましくなくていいんです。これはその「演技」にもよるのかもしれませんが、徳井さん演ずる「田村」さんを含め、村の人々の押し付けがましくない、さりげないやさしさが見ているこちら側にも伝わってきて、主人公千鶴(加藤ローサさん)だけではなく私も癒されました。毎日を何気なく暮らしているようで、本当はみんないろいろなことを抱えて生きているんですよね。だから他人に対しても優しく(それも押し付けがましくなく)なれるんですよね。そのあたりの距離感が、本当に心地よかったです。(特に「田村」さんのそれを含めこのあたりの一人ひとりの事情を、必要以上に説明していないところがよかったです。これもまた押し付けがましい説明にならなくてよかった。)

 徳井さん、いいですよね。漫才も好きですが、この映画での演技もよかった。いつもの漫才をされている感じからすれば、もっとしつこい演技(失礼!)をされるのかと予想していましたが、むしろまったく逆。いろいろと思いを抱えた青年の役を「さらっ」と演じておられて、とてもよかったです。そして加藤ローサさんも、このところどんどんよくなっておられる感じがします(上から目線ですみません)。自殺まで考えるほど繊細でありながら、その実自分で思うよりも結構図太い(こういう人、結構いますよね・笑)女性を、しっかりと存在感を持って演じておられました。今後も期待できる女優さんの一人だと思います。そして、師匠クラスの芸人さんも多数出演。映画自体に対する影響はどうだかわかりませんが、まあそれもご愛嬌でしょう。私、個人的にはチャンバラトリオの南方師匠が出ておられたのがうれしかったです。先日お亡くなりになられて、とっても残念です


 千鶴も田村もそして村の人々も、次第に前向きな気持ちを取り戻していき、また次に向かって歩き出そうとするあたりは、しみじみとした中にも見ごたえがありましたね。田村が時計の針を進めようとするあたりは、感動的でありました

 ラストあたり、田村と千鶴のやり取りは切なくて、引き込まれましたね。最後、どうなるんだろうと気をもみました。あそこ(駅の場面)で田村がさらっと帰ってしまわなければ、そして千鶴をもっと引き止めておけば、また違った展開になったかもしれないんですけどね。でも、田村は考えがあってわざとそうしたのかもしれませんね。そして、マッチ箱が示すように、千鶴と田村の関係はこれで完全に終わりというわけでもなさそうですし

 いろいろ書きましたが、このお話の中で千鶴を、そして観ている私たちを癒してくれたのは、本当は「大自然」だったのかもしれません。本当にきれいな山々、そしてそれを含めた「大自然」でした。人間も本当は「自然」の中の一部分ですから、自然の中に帰るだけで元気になれるのかもしれませんね。ロケ地は私の住んでいるところからもそう遠くない京都・宮津あたりですので、また巡ってみたいと思います。

 本当にきれいな大自然、そして押し付けがましくなく優しい人々、その中で癒されていく千鶴、そして田村、そして私たち。余韻を残した終わり方も、本当に素敵でした。正直、期待せずに観始めただけに、よりいっそう「いいものを観せてもらった」という気持ちでいっぱいです。ありがとうございました

 私の評価:☆☆☆☆(本当は4.5くらいの感じです。5つが満点です。)

2010年5月18日 (火)

Catch The Rainbow・・・ロニー・ジェイムス・ディオ死去

41dnxvrmgnl_sl500_aa300_1  今朝、新聞を見てびっくりこんな記事(知る人ぞ知る人といった感じでしたので)が新聞に載るんだ~ということにもびっくりしましたが、何よりその内容

 ロニー・ジェイムス・ディオさんが、胃がんのために亡くなられたそうです。ロニー・ジェイムス・ディオと言ってもお若い方はほとんどご存じないと思います。私と同年代の方でも、ロック好きの方でなければ、ご存じないですよね。でも、それはそれは素晴らしいボーカリストだったのですよ

 ブリティッシュ・ロック大好きな私は、当然ディープ・パープルにも影響を受けていたのですが、その中心メンバーであったギターのリッチー・ブラックモアがパープル脱退後結成したのが”RAINBOW”というバンドなのです。ブリティッシュの影響を色濃く残したこのバンド、たくさんの名曲がありました。”catch the rainbow”や”kill the king”、"Light in the Black ”も大好きでした。本当に挙げきれないくらいです。で、そのバンドでVoを務めていたのが、このロニーだったのであります。

 このロニーのボーカル、独特でした。ハードロック~へヴィーメタルのボーカルといえば、ハイトーンボーカルが主流ですが、多くは線の細いいわゆる「金切り声」ですよね。でも、このロニーの声はハイトーン(高い)なのですが、野太いのです。このような声の持ち主はロニーと、同世代のデビッド・カバーディル(元ディープ・パープル、ホワイトスネイク)くらいしか、私は知りません

 それに、歌い方も独特の節回しがある。「夕刊フジ」によると「へヴィメタ界のサブちゃん」だそうです。でも本当に、先述のリッチーに「俺がもしボーカリストなら、ロニーのようになりたい」と言わしめたほど、素晴らしい歌いっぷりだったのです

 ただその後、リッチーと決別したロニーは数年の後、今度は”ブラック・サバス”のボーカリストとして名盤”ヘブン・アンド・ヘル」を出します。このアルバム、初めて聴いた時はぶっ飛んだなあ。オープニングのリフがとってもかっこいい。そして、名曲「ヘブン・アンド・ヘル」にもほれ込み、もう何度ベースを弾いたかわかりません(元ベーシストだったもので)。

 ロック界での評価は、それほど高くないのかもしれません。けれどやはり唯一無二のボーカリストだったと、私は思います。これからは、まさに「虹の彼方」で、歌を歌い続けてほしいと思います。ご冥福をお祈り申し上げます。

 写真は、私の気に入っているアルバム「Rising」のジャケットです。あと「on stage」もよかったなあ

2010年5月17日 (月)

映画の話・242 「 道 」

4_85291 1954年のフランス映画です。フェデリコ・フェリーニ監督の超有名な作品ですよね

 まず、この映画で秀逸なのは、ジェルソミーナ(写真の彼女です)の表情。なんと”くるくる”とよく変わる表情なのでしょう。その感情表現豊かな表情は本当に魅力的です。この表情が映画全体の魅力の源となっています。
 特にその「目」。「目は口ほどに物を言う」と昔からよく言いますが、まさに言い得て妙という感じでした。道化を演じている時のとても嬉しそうな目、悲しい時・切ないときの目、本当にそのときごとに訴えてくるものがありました。(この映画の作品紹介に、よく「白痴の女」と書かれていますが、この表現にものすごく違和感を感じました。)
 
 作品自体はとってもシンプル。かなり以前の作品ということもあり、淡々とお話は進むといった感じです。よくできた作品だとは思いますが、ストーリーとしては、正直それほど心に響いては来ませんでした。いや、上に書かせていただいたジェルソミーナの表情はよかったですし、いいお話だとは思うのですが、高評価を得ているほどは響かなかったという意味です
 
 ある種、現在の映画に撮っての教科書的な作品であるとは思うのですが、私の感性と微妙にあわなかったのかもしれません。あ、そうそう、例の「曲」は心に響きました。憂いを含んだ、いい曲でしたね。

 *この曲の主題曲は、バンクーバーオリンピック・フィギュアスケートで高橋大輔選手が使ったあの曲です。あの時の演技はこの映画のストーリーを元に構成されています。この映画を見てからあの演技を観ると、本当に趣深いです

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)辛口ですみません。世間では満点評価なのですが、私としては☆3つにさせてください

2010年5月15日 (土)

映画の話・241 「 ハンサム★スーツ 」

20080425011fl00011viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 あまり期待せずに観たからというのもあるでしょうが、私にとっては、大変面白かったです。かなりの「拾いもの」だったように思います。ストーリーも、時折織り込まれるギャグも、時々に流れる音楽も、すべてが私の「ツボ」でした。確かにありきたりといえばありきたりなテーマなんですけれど、それもまた小難しくなくていいじゃないですか(笑)

 よっぽどそのお顔に自信のある方はともかく、ほとんどの人が一度は考えたことがある「ハンサム(この言い方も前時代的でいいですよね。今ならさしずめ「イケメン」ですか)になってみたい」という願望。それをかなえるスーツが存在するというところから始まるこのお話、まったくいいところを突いてますね~。そして細かい事を書きますが、それを制作しているのが。実在する「洋服の青山」だというのがまたいいですよね。ハンサム☆スーツ自体も実在しそうですもん。いや、そんなもの、「ない」のは十分わかっているのですけどね。
 
 出演陣もとってもいいですよね。主演の塚地さん・大島さんはもちろん、やっぱり谷原さんのはじけ方、その熱演ぶりに本当に楽しませていただきました(笑)。北川景子さんもほぼノーメイクで好感度の上がる役を好演されてましたね。佐田真由美さん、美しかったな~(惚)
 
 お話については疑問点がないわけではありません。だいたい昔助けてもらったにしろ、寛子(北川景子さん)ほどのべっぴんさんが、どうして琢郎(塚地さん)に惚れたりするのでしょうか?このあたりもう少し説明、というかエピソードがほしかったです。

 けれど、心の琴線に響くいいエピソードもいろいろありましたね。私は特に、元気のない琢郎に対して本江さんが言った、「小さな幸せを探して歩く」というのが一番心に響きました。思えば人生なんてそんなものですよね。そうそう大きな幸せなんてありません。小さな事に幸せを感じ、それを積み重ねて生きていくんですよね。このシーン、私、かなり感動して泣きそうになってしまいました。

 「顔よりやっぱり心」というのは、もう本当に使い古されたテーマですし、現実的にはやっぱり顔のいい方が得だというのは明白な事実です。ハンサム☆スーツがあるなら私も着たい!けれどもこの映画を観て「嘘ばっかり」とか「きれい事だ」などと必要以上に不愉快になったりしないのは、観始めたときから「一種のおとぎ話である」ということが分かっているからでしょうか。そういう意味では「現実と一線を画した娯楽作品」として十分に楽しむ事が出来ました。うん、おもしろかった!! 満足でした!!

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年5月13日 (木)

映画の話・240 「 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS 」

20080313001fl00001viewrsz150x1 2008年の日本映画です。

 原版はまだ観ていません。けれど、黒澤明監督作品は大好きですから、この作品も大変興味をもって観ることができましたよ。ただ、どうしてもまだ観ぬ黒澤作品を意識しながらではありましたが。

 この映画、世間ではあまり評判は良くないようですが、それなりには面白かったと思います。リメイクでなければ(つまりこれが原版であったなら)もっと評価は高かったはずです。
 ただ、どのシーンを観ても、少しそこの浅さというものを感じるんですよね。セットも、(厳しいようですが)演技も(ただ、眉毛のない椎名桔平さんは怖かった~)。長沢まさみさんも頑張ってはおられましたが、どちらかというと現代劇の方が向いてるのかなと思いました。それもこれも、やっぱり知らず知らずのうちに黒澤監督版を意識しているからかも知れませんが。まだ観ていないながらも、「このシーン、黒澤監督ならこう撮るだろうなあ」とか「黒澤映画の俳優さんなら、こんな風に演技するんだろうなあ」とか、結局そんなことばかり考えながら観てしまいました

 これ、監督さんをはじめこの作品にかかわった方々に対して失礼な話ですよね。どうもすみません。けれど、私にとってはそんな風にしか観られませんでした。実際に黒澤監督版を観てしまったら、また違った感想になるとは思いますが。もう一度書きますが、この作品も決して面白くなかったわけではないのですよ。けれど結局、黒澤監督版を観るための予告編のような感じで観てしまいました。すみません。

 私の評価:☆☆(5つが満点です。)

2010年5月12日 (水)

映画の話・239 「 潜水服は蝶の夢を見る 」

20071205002fl00002viewrsz150x1  2007年のアメリカ・フランス合作映画です。フランス映画の色が濃いですけど。

 

 「突然の病気で全身が麻痺してしまった。それでも希望を捨てずにリハビリに励む・・・」言ってみればそういう映画ですが、それがまったくお涙頂戴になっていないのは、この主人公がこのような状態になってなお失わない「遊び心」「茶目っ気」のせいではないかと思うのです

 はじめは事態の残酷さに絶望感もたっぷり味わいますが、そのような状態の中でも主人公であるジャン・ドーはやがて自分らしさを取り戻していきます。もちろん「心の中で」ですが悪態もつきますし、好色さもとりもどしていきます。言語療法士の女性が美人だったりすると、それだけで元気が出てきたりもします。ちょっと不真面目なようですが、このようなことがよりいっそうの元気を与えてくれることって、実際にありますよね。とにかくそのような「遊び心」「茶目っ気」が、主人公にも元気を与え、観ている私たちを厭味なく映画の世界に引き込んでいきます

 そしてその「遊び心」「茶目っ気」が「想像力」となって、主人公に大きな力を与えていきます。身体はまったく動かなくても、その想像力によって主人公の世界は無限に広がります。このあたりのエピソードは、主人公だけではなくすべての人間に夢と希望を与えてくれるように思いました
 どんなときでも、いや、苦しい状況にあればあるほど、「遊び心」「茶目っ気」は必要なのだということを、再認識させてくれた映画でした。


 あと、この映画を観て感じたことをいくつか・・・。やはり、「事実」というのはそれだけで重いですね。「実話である」ということが圧倒的な迫力を持って画面のこちら側にいる私たちに伝わってきます
 それから、さすがにフランス映画だからでしょうか、それぞれの場面の撮り方がとっても美しくお洒落でした。特にラスト、エンドロールのバックで流れる、崩落する氷河を逆回しにした映像は、べたといえばべたな映像ですがいかにも象徴的で、美しく迫力がありました。

 そういえば「潜水服は蝶の夢を見る」・・・このタイトルからして、とってもお洒落です。非常に深い内容を、斬新かつお洒落な映像で表現した、いい映画でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。本当は4.5くらいかな。)

2010年5月10日 (月)

映画の話・238 「 夜と霧 」

4_536841  1955年のフランス映画です。

 たった32分の作品。けれどその「真実」の「迫力」はまさに圧倒的なものでした。押しつけでもなく、過剰な演出もなく、事実を淡々と映像で追っていくというものでしたが、その事実が重すぎて、何とも言えない気持ちになりました。

 人間は、自分にとって都合の悪い記憶は忘れようとします。「戦争」そして人類史上最悪の「ホロコースト」という記憶は、同じ人類として私も忘れたいです。・・・けれど、覚えておかなくてはならないのでしょうね。もちろん私だけでなく、すべての人が。人間は同じ過ちを何度も繰り返しがちな生き物ですから、「戦争」という同じ過ちを繰り返さないために覚えておかなくてはならないのでしょう。

 ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺をテーマにした映画は数々あります。「ライフ・イズ・ビューティフル」や「シンドラーのリスト」など、名作も多いですよね。けれど、それらの作品もすばらしいですが、この32分間の映像は本当に圧倒的な迫力で観ているこちらの心に訴えかけてきます。この32分間の映像を見おわって、私は言葉をなくしてしまいました。簡単な言葉では語り尽くせない32分間です。

 この作品を評価をするということに違和感を感じますが、せざるを得ないのなら☆5つ以外つけようがないと思います。

 私の評価:☆☆☆☆☆(満点です。)

2010年5月 6日 (木)

映画の話・237 「 転校生 ~さよならあなた~ 」

20070608005fl00005viewrsz150x1  2007年の日本映画です。

 以前の「転校生」のリメイクと聞いていたので、舞台も尾道・設定もそのままかと思っておりましたら、これがまったく違っていました。舞台も信州に移し、設定もふとした拍子に男女が入れ替わるということ以外はまったく違うものでした。私には、まったく新しい映画として楽しめましたよ。

 のっけからカメラワーク・登場人物・そのせりふにいたるまで大林ワールド満開でありました(笑)。以前の「転校生」や「あした」「ふたり」の頃はそうでもなかったんですけどね。はじめはとっても違和感を感じながらも、これがそのうち慣れてきて、やがてそれなりに快感になってくるから不思議です。で、快感になってくる頃・約一時間ほどたったころからお話もだんだん深刻になってきて、スクリーンから(と言いながら、私はDVDで観たのですけど・汗)目が離せなくなってきます。一美と一夫がお互いに別れを言うところはかなりグッときてしまいました。そしてラストシーンも。人生は出会いと別れの繰り返し。その切なさ・寂しさを乗り越えて人は成長していくのだと再確認させてもらいましたが、この「もう一人の自分」との別れは、本当に切ないですよね。

 信州の美しい風景とあわせて、この映画で特筆すべきなのは、やはり主演のお二人ですね。蓮佛美沙子さん・森田直幸さん、本当にお見事でした。お互いが入れ替わっているところでは、本当にそうにしか見えませんでした。そして元に戻ってからのその変わりよう・・・。名演技でした

 ちょっとしたシーンに大林監督ゆかりの俳優・女優さん方が出ておられて、それを見つけるたびにほほえましい気持ちになりました。以前の「転校生」と比べても、見劣りのしない作品に仕上がっていると思いますし、比べること自体意味のないことのような気すらします。まあ、同じタイトルですので、比較されるのは仕方ないとも思いますが。とにかく、かわいく・切なく・ほろ苦く・・・、賛否両論はあるようですが、私にとってはまさに大林映画の王道といえるような、いい作品でした。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)
 

2010年5月 5日 (水)

NHKドラマ『八日目の蝉』(最終回)観ました

2009032616170000111  昨夜、NHKドラマ『八日目の蝉』最終回、観ました。いや~、切なかったですね

 私が一番グッときたところは、小豆島・草壁港で希和子(壇れいさん)が捕まり、薫と引き離されるところで警察に向かって「もう少し待って。その子は、朝ごはんを、まだ食べてないの・・・。」と叫ぶシーン。ここは、本当に切なかったですね~。自分が捕まってしまうというその瞬間になっても、自分の子ども(いえ、正確に言うと自分の子どもではないんですけど)のことを考えてしまうその母性。本当に薫が希和子の子どもだったらよかったのに・・・と、本当に胸が締め付けられました

 こんなシーン、原作にあったかなあと、原作をぺらぺらとめくってみると、ありました。単行本336ページ。ただ昨日のドラマでは薫(本名は恵理菜)はその時の最後の言葉は忘れていて、文治(岸谷五朗さん)に教えられるという設定でありましたが、原作では薫は元から覚えているという設定でありました。

 ドラマと原作とどちらの方が素晴らしかったかと聞かれれば、それはやはり原作だと思いますが、それでもドラマの方もよく頑張っていたと思います。原作の持つ雰囲気を決して壊さずに、さまざまな景色・場面を具現化してくれていました。壇れいさん、好演されていました。でも、好演といえばなんといっても幼き日の薫を演じた小林星蘭ちゃんですね。

 希和子の望みは、本当に平凡な、子どもと幸せに暮らしたいということだけでした。ただ、最初にボタンをかけ違えたことによって、その平凡な幸せは二度と手に入らないものとなってしまいました。手に入らない「平凡な」幸せを、それでも必死に追い求める希和子の思いが、本当に切なくて仕方ありませんでした。エンゼルの家があった奈良県・生駒(ドラマでは中部地方の設定でしたが)、希和子の心のふるさと・小豆島、両方とも私がよく知っている場所だということもあり、この物語は私にとって特別な物語となりました

 この物語でかなり重要な場所となっている小豆島。私、以前も書かせていただきましたが、若き日に小豆島に3年間住んでおりました。そのような縁もあって、場面が心の中にスッと入ってきて、お話が本当にリアルに感じられました。本当にきれいなところですよ。希和子が、そして薫が特別な場所と位置づけるのもよくわかります。島を出てもう20年余り、私は小豆島を訪れていませんが、このドラマを観て、また行ってみたくなりました。この夏あたり、行ってみようかなあと、心を動かされました。

天王寺七坂めぐり・その三 (最終回)

P4290146  それではまたまた、続きを書かせていただきます。よろしくお願いします。

 清水寺を出て少し歩くと、次は「天神坂(てんP4290149 じんざか)」です。安居神社へと続く道です。この安居神社の境内は大坂夏の陣で真田幸村が戦士したところで、こんな碑と像がありました。

 この像、そばまで寄ってみると「どうぞ触って、幸村のパワーを受け継いでください」というようなことが書いてありましたので、私も触らせていただきました

P4290152  安居神社を抜けると、七坂の最後、「逢坂(おうさか)」P4290154 す。七坂のうちここだけはいわゆる主要道路で、完全に舗装され車もびゅんびゅん走ってます。う~ん、ちょっと拍子抜けかな「逢坂」から通天閣を望む景色は、なかなか美しかったですけどね。手前は一心寺です。

 このあと、一心寺を参拝して、帰路につきました。すぐそばには四天王寺もあったので寄ってみたかったんですが、時間的な問題もあり、今回は遠慮しました。七坂すべて、ぼちぼちとまわって、約二時間くらいでしょうか。なかなかいい時間が持てP4290156 たと思っています。大阪の人にもなかなか知られていない場所だとは思うんですけどね、それでも時間があれば(そんなに体力的にしんどいところでもありませんので)、一度寄ってみていただければと思います。なにかしみじみとした気持ちになれると思いますよ。最後に、一心寺を後にするとき、そのそばのお寺の門前に掲示されていた言葉をご紹介させていただいて、このシリーズ、おしまいにさせていただきたいと思います。ながながお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

天王寺七坂めぐり・その二

P4290135  それでは前回の続きです。よろしければお付き合いくださいませ

 「口縄坂」を登りきって少し南にいくと、『新古今和歌集』の撰者の一人でもある藤原家隆の墓と伝えられる、顕彰碑があります。家隆は大阪湾に沈む夕日が好きで、その夕日が見えるところに葬ってほしいとの希望を持っていたそうです

P4290136  そこからすぐ南に「愛染堂」があります。大阪に夏をP4290138_3呼ぶ 「愛染さん(夏祭りです)」が行われるところです。そしてその隣には「大江神社」。境内には「夕陽が丘」の碑なるものがあります。ここからの夕日は素晴らしいということなんでしょうけど、現在はビル等が建ってあまり見晴らしはよくありませんでした。神社奥には虎の狛犬(ん?虎の、犬?)がある社があって、阪神タイガース・ファンの隠れた信仰の対象になっているようでした

P4290140   愛染堂から「愛染坂(あいぜんざか)」が大江神社の下P4290139_2 ま でつながっております(上右写真)。下りていると威勢の良い声が聞こえてきました。ちょうど隣にある星光学園の生徒たちがクラブ活動をしている声でした。坂を下から見上げるとこんな感じ。坂の下に、碑がありました。

P4290143  そこからまた南に少し行くと、今度は「清水坂P4290144(きよみずざ か)」です。短いですけれど、美しい坂です。右は、上から観た姿です。

 このあたりP4290142_2は昔から水のきれいなところとして有名だったそうです。左の写真は 泰聖寺の金龍清水の井戸です。このようP4290145 な施設・碑がいくつもあります。

 清水坂の隣には清水寺があり、その境内には「玉手の滝」もあります。京都の清水寺の「音羽の滝」を模しているらしいです。大阪市内唯一の滝らしいですが、「滝」・・・ですか?一応修行もできるそうですが・・・

 今回も長くなりましたので、ここまでにしたいと思います。七坂の残りふたつ「天神坂」と「逢坂」は次回紹介させていただきます。次回もよろしくお願いいたします。

2010年5月 4日 (火)

天王寺七坂めぐり・その一

P4290120_2  先日、映画「秋深き」(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/04/post-a1af.html)を観てから、久々に天王寺七坂めぐりに行きたくなって、先月29日に行ってきました。そうです。実はこれも先日ここで書かせていただいた「『秋深き』のロケ地に行ってきました」(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/04/post-7ae5.html)と同じ日に、ロケ地に行ったあと廻ってきたのです。世間ではあまり知られてはいませんが、大阪にもまだこんなに古き良き大阪の風情を残す場所があるということを、みなさんにも知っていただけたらなあと思い、今回は写真を中心に記事にしたいと思います。

 市営地下鉄谷町九丁目駅から空堀商店街を廻って、そこから生國魂神社へ向かう途中に、まず「真言坂(しんごんざか)」があります。この真言坂を登り切ると生國魂神社があります。

P4290128  生國魂神社を抜け銀山時を回り、次は「源聖寺P4290129坂(げんしょ うじざか)」に出ます。私は上から下りて行きました(写真左)。七坂の中でもけっこう長い坂です。ちなみに下から見上げるとこんな感じ(写真右)です。

P4290130  そこから松屋町筋(人形問屋街で有名です)を南にP4290131 少し下り、次は七坂でいちばん有名な「口縄坂(くちなわざか)」にでます。映画「秋深き」でもラストシーンに使われていましたよね。この坂は織田作之助さんの小説で有名になったんですよね。坂を登りきったあたりに文学碑もありました。

P4290134_2  有名だからか、坂そのものが美しいからか、坂後半の階段P4290133 部分では絵を描く人が多くいらっしゃいました。私が訪れた時はちょうどお昼時でしたので、ちょうど昼食に出かけられるところでしたが。ちなみに右は、坂を上から観たところです。

 七坂のうち、まず三つご紹介させていただいたのですが、文章も長くなってきましたので、今回はまずここまでとさせていただきます。続きはまた、後ほど「その二」で書かせていただきますね。しばしお待ちを

2010年5月 2日 (日)

映画の話・236 「 ラブストーリー 」

20031212001fl00001viewrsz150x1  2003年の韓国映画です。

 一言でいうと、ちょっと作り込み過ぎかな~。いいお話だとは思うのですけど、それから主役(二役)のソン・イェジンさんは可憐で本当にこの役に合っていたとは思いますけれど、ちょっと話が複雑すぎた感じがします。言い方を変えれば、「どんでん返し」をまさに返しすぎたといった感じでしょうか

 映画を観ながら、自分の予想が裏切られていくというのは一種の快感であるのですけど、この作品の場合、私にとってはちょっとやりすぎといった感じでした。この映画に感動された方にとっては、ちょうどいい予想の裏切られ方・どんでんの返され方(こんな言い方、あるのでしょうか・笑)だったのでしょうねえ。まあ、私にも、親の恋愛が子どもの代で成就して、よかったよかったというのもわかるんですけどね

 音楽だとか雰囲気だとかソン・イェジンさんの可憐なかわいい感じとか、観るべきものはたくさんある映画だと思います。ただ、私にとっては、もう少しシンプルな方が好みだでした。ちょっとお話が込み入りすぎていて、心が感じる前に頭でいろいろ考えてしまいました。ちょっと残念だったかな~

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »