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2010年3月

2010年3月31日 (水)

映画の話・223 「 リアル鬼ごっこ 」

20080110001fl00001viewrsz150x1  2007年の日本映画です。

 この映画、賛否両論・・・というか、どちらかというと評判悪いですよね。おまけに原作もよく読まれたようですが、読書好きの方々の間では評価散々のようですし。で、私もまったく期待せずにこの映画を観ました。

 ・・・それなりに面白いですやん。

 かなりハードルが低い状態で観たからでしょうが、それなりに楽しめました。こういう「追いかけっこもの」って、捕まるか逃げ切れるかって、観ている方はもう無条件でわくわくしてしまいますよね。その点において、私は「それなり」に楽しむことは出来ました。

 ・・・でも、設定等、もっとうまくすればもっともっと良くなっただろうなあと思います。いろいろな面でかなり無理がありましたからね~。けっこういいところ・面白いところに目をつけたなあという気はするのですけどね。「日常に潜む恐怖」とか「普通の生活のすぐ隣にある不条理」とかいったことを描こうとして描ききれなかったというところでしょうか

 私にとっては、なにかしら「残念」な映画でありました。

 私の評価:☆☆(5つが満点です。)

映画の話・222 「 世界の中心で愛をさけぶ 」

Pa110202  2004年の日本映画です。

 2004年か~。この年は本にドラマも含めて、まさに「セカチュー」一色でしたよね。まさに純愛ブームの代表作です


 お話自体はかなりベタで、「白血病」を扱うのはある意味「反則」という気すらしまPa110214 すが、それでもこの映画がそれなりの評価を受けているのは、やはり出演者のみなさんの「演技」というか「存在感」のたまものではないかと思います。特に長澤まさみさんと森山未來さん、このお二人のみずみずしい「存在感」なくしては、この映画は存在しえなかったのではないかとすら思います

 それとあとは、景色のきれいさ。香川県・庵治を中心にロケをされたということでPa110215 すが、まさにこの舞台にぴったりなんですよね。よくそんなマイナー(失礼!)な所を探してこられたなあと感心しきりです。個人的には赤い欄干の、神社の階段の下の三叉路(アキがサクを待っていた所・右写真参照)、そしてやっぱりあの堤防(最初の写真です)が気に入っています。これらの美しい風景がこの映画の魅力をUPさせているといっても過言ではないように思います

 あと、この映画(物語)がこれほどヒットした要因に、だれしもが自分の青春時代を思い出し、主人公に自分を重ね合わせたということがあったんでしょうね。もちろんこれと同じことを経験した人なんてほとんどいないと思いますが、ほんの一シーンを自分に重ね合わせるということは、誰しもがしたんじゃないでしょうか。それから、こんな恋愛がしたかった(もちろん悲劇的な最後は経験したくありませんが)という希望的な気持ちで観る人も多くいたのかもしれませんね。


 この映画、よくTVドラマと比較されますよね。比較すること自体にあまり意味はないような気もするんですが、比較するならば私も(世間でよく言われているように)TVドラマのほうがよかったように思います。それはズバリ、映画で柴咲コウさんが演じた少女の存在。厳しいことを言って申し訳ありませんが、あの子、いらないでしょ。映画では、あの子が存在することでテーマが分散し、逆に深みがなくなっているように思います。あの子のエピソードを入れようとした意図はわかるんですけどね~。
 長澤まさみさんと綾瀬はるかさんは、それぞれに魅力的でそれぞれの「アキ」を演じきっていたと思いますけどね。でも、TVドラマのほうがより丁寧に物語を描いていて、より好感が持てました

 それでも、映画は映画で、やっぱりそれなりには仕上がっていたと思いました。悪く言えば「べた」、よくいえば「王道」。一つの時代を作った映画ではありました

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

 写真は、私が昨年行った、ロケ地めぐりの時のものです。

2010年3月30日 (火)

又兵衛桜を観てきました

P3300122_4  今日は奈良・大宇陀にあります、又兵衛桜を観に行ってきました。今までにも観たいと思いながらも、家や職場から比較的近くにあり「いつでも行ける」と思い、結局なかなか足が向きませんでした。けれどそれではいけないと思い、今日行ってきましたよ。

 今日は久々にとってもいい天気。桜を観るには絶好の日和でした。余談ですが、空にはひこうき雲がいくつも出来ていました。駐車料金500円(桜そばにも駐車場はあったのですが私はそれを知りませんでしたので、少し遠い所に停めてしまいました)と桜を守るための協力金100円を支払い、桜のそばへ。実際どの程度咲いているかちょっと心配していたのですが、このとおり(写真)。6分咲きといったところでしたが、観るには十分でした。見事な桜でした

 平日ではありましたがそれなりにたくさん人は来ていました。お店もたP3300121くさん出て おり、にぎわっておりましたよ。夜にはライトアップもされているようですので、それはそれで美しいんだろうなあと思いました。そして今週末あたりには満開になるかと思いますが、満開になればよりいっそう美しく見事な桜になるんだろうなあと思いました。今週末あたり、観にいける方は行ってみてください。お薦めです。わざわざ行く価値はありますよ

 さまざまの こと思いだす 桜かな (芭蕉)

 年齢を重ねれば重ねるほど、桜を観て思うことは増えてくるように思います。できることならば「よいこと」をたくさん思い出せるように、これからもしっかりと生きていきたいと思います。

 

 

2010年3月29日 (月)

映画の話・221 「 紙屋悦子の青春 」

20060628006fl00006viewrsz150x1  2006年の日本映画です。

 静かな静かな反戦映画です。戦闘シーンや刺激的なシーンは一切ありません。けれど、それがかえって「戦争」というものをよりリアルに私たちに感じさせます。戦場で戦う兵隊さん方にとっても、確かに戦争は大変なものだったでしょう。けれど、国内で、いわゆる「銃後を守る」人たちにとっても、やはり大変なものだったようです。ありきたりな表現ですが、その当時に生きたすべての人の人生を狂わせてしまったといっても過言ではなかったようです
 そのような、「戦争がいかに一般の人々の人生を狂わせたか」ということを、この映画は、そして出演されておられる方々はよく表現していると思います。


 原田知世さんは本当にこのような役がよく似合ってらっしゃる。当時の日本人の美徳である「我慢」や「健気さ」など、よく表現しておられました。それだからこそ、ラスト近くの「号泣」のシーンがなお際立っておりました


 同じ黒木和雄監督の「父と暮らせば」と同じような印象の映画ではありました。正直私は「父と暮らせば」のほうにより感銘を受けましたが、それでもこの映画も「一般庶民に対する戦争の悲哀」といったものをよく表現していたと思います

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年3月26日 (金)

映画の話・220 「 連理の枝 」

20060221008fl00008viewrsz150x1_2  2006年の韓国映画です。

 よくある「お涙ちょうだい映画」ではあります。ただ、そういう映画の中では、結構がんばっていたんじゃないかなとは思っています。以下、ネタばれありです。注意してください(笑)。


 私は正直、チェ・ジウさんが観たかっただけなので、映画自体に対してはまったく期待せずに観ていました。主人公(チェ・ジウさん)が不治の病でというお話になった時には、「来た来た・・・(苦笑)」と思ったのですが、彼氏の方まで脳腫瘍とはちょっとびっくりしました。それからラスト、チェ・ジウさんが亡くなった(?)あと彼女から予約動画が届くあたりは、なかなか手が込んでいるというか、ひとひねりされていてちょっとだけ心を動かされました。ちょっとだけね


 元々のテーマとしてはもう古~~くからあるパターンなので、☆ひとつ。ただ、その「古臭い」テーマをそれなりに仕上げたという点は評価できると思います。私は☆ふたつにしておきます。こういう悲恋ものの映画を観たいときにはお勧めです。良くも悪くも大筋においては期待通り(予想通り)です

 私の評価:☆☆(5つが満点です。)

2010年3月25日 (木)

映画の話・219 「 となりのトトロ 」

4_56441  1988年の日本映画です。って、知らない方はいないですよね

 もう何回観たでしょうか。観るたびに感動し、最近では「レビュー書かなきゃ」といつも思うのですが、これがなかなか難しい・・・。いざ書こうとすると、この映画の「よさ」がうまく表現できないような気がして、「また今度・・・」ってなっちゃうんですよね。でも、先日長男(高2)と何度目かの視聴をしたので、これをきっかけに今日は書いてみようと思います。


 この映画、日本のアニメ映画史に残る名作なのは誰もが認めるところなのですが、どこがそんなにいいのでしょう?正直ストーリーだけを言えば、別段どうということもないんですよね。ではなにがこんなにも人々を惹きつけるのか?結局この映画は、一言で言うと「雰囲気がとてもいい」んですよね。世界観といいましょうか、空気感といいましょうか、この映画を観るとすべての人が(特に日本人なら)ホッとできる、そんな空気・雰囲気がこの映画には漂っているのです。この映画を観ながら、その世界観にどっぷりとつかってみる。癒されるとはまさにこのことかと思います

 
 本当にこの映画には、日本人が「失くしたくないけれど、失くしかけているもの」にあふれているように思います。お互いを思いあう仲のいい家族(家族愛)・ご近所の助け合い・日本の原風景とも言える山や田んぼに囲まれた環境、そして、トトロのような「妖怪」の存在を認める「余裕」のある心・・・
 
 私たちがこんなにもトトロに魅せられるのは、毎日の生活に追われ心に余裕を無くしていきつつある私たちに、本来あるべき「日本人の姿」を思い出させてくれるからかもしれません。「トトロの前にトトロなし、トトロの後にトトロなし」などと勝手にそれらしい格言を作ってしまいますが、本当に唯一無二の名作であるということは、間違いないと思います。これまでにもう何度観たかわかりません。そして、これからも何度も観てしまうのでしょうね、きっと

 私の評価:☆☆☆☆☆(そりゃやっぱり、満点でしょう。)

2010年3月22日 (月)

映画の話・218 「 フレフレ少女 」

20080626003fl00003viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

 

 いや~、とにかくガッキーがかわいい。この映画はそれでいいんじゃないでしょうか。この映画を観る時に、たとえば「砂の器」や「生きる」もしくはその他の黒澤作品などと同じような感動を期待して観られる方もいらっしゃいませんでしょうし


 私も正直、内容的にはまったく何の期待もせずに観ました。ただガッキーのかわいい姿が見られればいいなあと、ただそれだけでした。もともとそんな風にかなりハードルが低い状態で観はじめましたから、けっこう楽しむことができましたよ。私、とくにファンというわけではありませんが、最初にも書きましたようにガッキーのいろんな表情は本当にかわいかったですし(中盤あたりのお風呂のシーンの泣き顔は特にかわいかったなあ。昔の「天国に一番近い島」の原田知世さんを思い出しました)、お話も少女マンガ等にありがちなベタなストーリーで、ある意味安心して観ることができました


 いやみな意味ではなく、こんな映画も必要だと思います。頭の中を空っぽにして「ガッキーかわいいなあ・・・」って思いながら観る。私にとってはこれもまたけっこう有意義な時間でしたよ

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。でも、お話を期待したらダメですよ。あくまでガッキーの可愛さを観てください。)

2010年3月20日 (土)

映画の話・217 「 スクール・ウォーズ / HERO 」

20040709001fl00001viewrsz150x1  2004年の日本映画です。

 いや~、懐かしい。私、ラグビー大好きでTV版も(2も含めて)すべて観た世代であります。


 ストーリーはTV版とほぼ同じ。非常に劇的で単純で、「こんなこと本当にあるのか?」と疑いたくなってしまうほどですが、この映画(ドラマ)のすごいところは、これがほぼ実話だということですよね。NHK「プロジェクト・X」でも紹介され、ご存知の方も多いお話です。もちろん、二時間に収めるために細かいエピソードは省略されたりしていますし、細部では様々な脚色(さすがに伏見稲荷をあんなふうに走ったりしないでしょうし、学校で教師があんなふうに火をつけられたり吊るされたりということはなかったでしょう・苦笑)がなされているはずですが。それでもやはり「事実」には特に心を揺さぶられます


 そして、この映画を観て思ったことがもうひとつ。この映画、大げさに、そして単純に見えますが、教育の原点はこういうところにあるのではないかということです。今の時代の先生方、親、いえ世のすべての大人たちにとっては耳の痛い、けれど参考になる言葉がたくさんあったように思います。大切にされている・大切に(必要に)してくれる人がいる・・・このことがいかに自分の支えになるか。そしてその人を裏切ってはいけないという思いが自分を大切にし、きちんと生きるということにつながっていくんですよね。時代は変わっても、人間が生きていくうえで大切なことは変わらないと痛感させられました。


 大八木さんや薬師寺さんなど、ラグビーファンにはちょっとうれしいサービス出演もあったりして、ほっとさせられました。
 
 とにかく、単純だけれど素晴らしい。忘れかけていた大切なものを思い出させてくれた映画でした。

 
 追伸:私、「弥栄のシンゴ」のモデルになった方をすこし知っています。現在、某高校のラグビー部の監督としてがんばっておられます。その県では強豪校が二校ありますのでなかなか花園出場の夢は叶いませんが、それでも強くなってきております。明日から奈良県で行われる近畿大会にも出場します。山口先生のまいた種が高知県で滋賀県で、そして上記の県でも花咲こうとしております。「思い」がこうやって受け継がれていく、これがまさに「教育」なんだと思います

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。本当は4つにしたいんですけど、まあ、昔からよく知っている物語ということで3つにしました。)

映画の話・216 「 不良少年(ヤンキー)の夢 」

20050914001fl00001viewrsz150x1  2005年の日本映画です。

 まず、何をおいても松山ケンイチさんです。彼、すごいですわ。近年とっても売れておられて、次から次から映画に出演されておられますが、この映画を観て遅まきながらようやくその理由がわかったような気がします。この映画に出ておられたときはまだずいぶんとお若い印象なのですが、でもしっかりとオーラを漂わせていらっしゃいます。う~ん、かっこいい。若き日の彼を観るだけでも、この映画を観る価値はあるんじゃないかと思います。


 私はこの映画を観ながら、ず~っと、「自分の居場所」ということについて考えていました。世の中のいわゆる「不良」と呼ばれる人たちは、自分の「居場所」が見つけられないんでしょうね。そして自分が何をしなければならないのかよくわからない・・・。そしてもてあましたエネルギーを間違った方向へ向けてしまったりする・・・。何もこれはその若者たちだけが悪いんじゃありません。むしろ「居場所」を教えてあげられなかった、もしくは「居場所の見つけ方」を教えてあげられなかった「大人」のほうに問題があるのではないかと思います。義家君(ヤンキー先生)はよかったですね。北星余市高校の先生方に出会えて、居場所を見つけることができて

 思えば「幸せ」とは「自分の居場所があること」「自分の居場所を見つけられること」なのかもしれません。そして、その「自分の居場所」を見つけるきっかけを与えてくれる人といかに出会えるか、というのが人生の大きなテーマなのかもしれません。
 親は、教師は、すべての大人は、子どもたちとしっかり向き合って、子どもたちに「居場所」を与えてあげてほしいと思います。世の中には様々な子どもがいます。そのいろんな子どもたちに「居場所」を与えるためには、いろんな「大人」が必要です。いろんな大人がいろんな子どもに「居場所」を与え、「ここにいていいんだ」と思わせることができる。この世の中がそんな懐の深い世の中になってほしいなあと思いました。私自身も「居場所」を見つけ、そして次の時代の人たちが「居場所を見つけられる」その手助けができるよう、しっかりと生きていきたいと思います

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。本当は3.5くらいの感じですが、マツケンさんに免じて4つです。)

2010年3月19日 (金)

『終末のフール』(伊坂幸太郎・著)読みました

2010031608040000_2  ・・・八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語・・・(「BOOK」データベースより)。

 この作品、いつもの伊坂さんらしく、「隕石が本当に衝突するのか」とか「何とか衝突させない方法はないものか」などということとはまったく無縁にお話が進んでいきます。結局はそのような状況に置かれた人々の生き方を描くことに、ポイントが置かれています。そのような状況下での生き方が8篇、いわば短編集のような感じで描かれているのですが、もちろんその登場人物は少しずつつながっておりますよ。私は特に「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」が気に入りました

 このように、いつもの伊坂さんらしい面も残しながら、けれど少し違う印象も持ちました。いつも以上にあたたかいいつも以上にハッピーエンド。いや、正確には「ハッピーエンド」ではないんでしょうけれど。だって「地球が滅亡する寸前」なんですから。あと3年したら人類は滅亡するのですから。けれどそれでもこの作品には不思議な「あたたかみ」があるのです。この感じは読んでいただかないとお分かりいただけないでしょうが

 上記の解説にもありますように、「終末」を3年後に控えた人たちの、それぞれの生き方が8編描かれております。一通りのパニックも暴動も通り越して、人々はそれなりに落着きを取り戻しております。私だったら、どう生きるかなあ・・・。「あと3年で地球は滅亡します」なんて言われても、結局は今と変わらない生き方しかできないと思います。このお話の中では、人々は仕事をやめたり学校が閉鎖されたりして2010031608040001 いますが、もし隕石がぶつからなくて地球が滅亡しなかったときのことを考えると、それなりのことはしておかないと・・・とも考えてしまいますし。私は結局、今まで通りにしか生きられないんでしょうねえ

 伊坂さんらしい面と伊坂さんらしくない面を持ち合わせた、またアンハッピーなのにハッピーな面を持ち合わせた、不思議な作品でした。

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

 後の写真は、おまけについていた「しおり」です。あまりに可愛いのでシャメってしまいました。本に挟んで顔だけ出すと、本当に可愛いんですよ

 

2010年3月18日 (木)

ついでに・・・「大阪で生まれた女」ロングバージョン

 ついでに探してみたらありました。でも長すぎて一度にアップできなかったようです。よろしければ夜中にお酒でも飲みながら聴いてみてください。非常に泥臭いですけど、私は好きです。昔のフォークにつながるところもありますよね。

2010年3月17日 (水)

やっぱりおすすめ・・・『トイレの神様』(植村花菜さん)

 この曲、関西では少し前からかなり話題になっておりました。で、あまのじゃくな私としてはあえて触れずにいたのですが、今日夕方MBS毎日放送TV「ちちんぷいぷい」の「トイレの神様特集」を観て再感動し、触れずにはおけなくなりました(笑)。この歌、素直に「いい」ですわ。関西の方・特に大阪の方には言葉からして「すっ」と心に沁み入ってくると思いますが、それ以外の地域の方にも同じような体験はあるはず。

 10分ほどのかなり長い曲ですので、お時間と心に余裕があるときに、一度じっくりと聴いてみてください。関西以外の方がどのような感想を持たれるか、もしよろしければ教えてくださいね

 余談:これはあまり賛同いただけないと思うのですが、私はこの歌を聴くと、BOROさんの「大阪で生まれた女」34分バージョンを思い出します。ひとつの人生を歌い上げているという点で、同じ匂いがするのです。

 でも、植村花菜さん、べっぴんさんにならはったなあ。トイレをしっかり磨かはったからでしょうか(笑)。

2010年3月16日 (火)

映画の話・215 「 四月の雪 」

4_770471  2005年の韓国映画です。

 一言で言うと、不倫の物語ということになるのでしょうねえ、やっぱり

 「不倫こそ純愛」とおっしゃる方もいらっしゃいますし、その心もわからないではないのですが、やはり「人の道(倫)を外れる」ということに対する後ろめたさというか、暗い感じがこの映画には始終つきまとっています。その「暗い感じ」を良しとして「しっとりとしていい雰囲気」と感じられる方にはいい映画、じめじめとしてすっきりしないと感じられる方には悪い(面白くない)映画、ということになるんでしょうねえ


 私にとっては、「惜しい映画」だったかな。この映画、基本的にはハッピーエンドなんですけど、ラストまで観てもそれほどすっきりした感じはないんですよね。その理由はやはり根底に「不倫」があるからでしょうか?お互いの連れ合いが先に不倫をしていたということで、主人公の不倫に対する「罪」の感じを薄めようとしているのはわかるんですが、何かしらごまかされているような感じも否めませんし。

 
 主演のお二人ははまり役だったと思いますし(ペ・ヨンジュンさんはもちろんですが、ソン・イェジンさん、はかなげで、揺れ動く女心を好演されてました。二人がはじめて結ばれるホテルのシーンは目が釘付けになってしまいました・笑)、雰囲気も嫌いではなかったのですが、何かしらいまひとつ感が残る、すっきりしない作品でした

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年3月14日 (日)

映画の話・214 「 中国の植物学者の娘たち 」

20071103003fl00003viewrsz150x1  2005年のフランス・カナダ合作映画です。でも、中国が舞台ですけどね。(でもロケ地はベトナムですけど。)

 美しくエロチックな映画でありました。いや、誤解のないように書いておきますが、けっしていやらしい映画ではないのです。そのものずばりの直接的な場面・映像はほとんどないのですが、それがまたエロチック。むせ返るような、匂いたつような温室での秘め事のシーンは本当に美しく・エロチックでありました。この感じ、「真珠の耳飾りの少女」によく似ていたようにも思います。そのものズバリを見せるのがエロスではなく、その雰囲気を感じさせるのがエロスなんでしょうねえ


 植物学者の娘役リー・シャオラン、美しかったです。彼女の美しさがこの映画に「エロチックではあるがいやらしく下品ではない」という雰囲気を漂わせ、成功に導いたといっても過言ではないように思います。特に最初の方、妖しい薬草の匂い(?)で蒸せかえる温室で寝そべるその姿は、本当に魅力的でした


 ただ、ラストは衝撃的でした。少し唐突な気もしましたが、同性愛が元で死刑になるなんて。人間愛という広い視野で見てみれば、世の中にはそういう愛もありかなと私個人的には思っておりますが、歴史的・地域的には許されない場合もあるんでしょうねえ。風紀を乱す、といったところなんでしょうか。


 「小さな中国のお針子」のダイ・シージエ監督作品ということで、全体的な雰囲気はよく似ていましたね。中国・西欧・そしてロケ地ベトナムのいいところがミックスされたような雰囲気でした。悲しく、そして匂いたつほどに美しい映画でした

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年3月13日 (土)

『幻の光』(宮本輝・著)読みました

2010031114010000  先日読んだ『泥の河』がよかったので、同じ宮本輝さんの作品で今度は『幻の光』を読んでみました。以前見た映画もよかったですし(http://ichi-papa.blog.eonet.jp/default/2010/02/post-dc63.html

 よかったです。というか、考えさせられました。以下、少しネタばれありですので、これから読もうと思われている方はまた後ほど読んでくださいね

 再婚してそれなりに幸せに暮らしているゆみ子ですが、その心の奥には常に大きな穴が開いています。実は前の夫が突然自殺してしまったのです。それも初めての赤ちゃんが生まれてすぐ、幸せの絶頂であると思われるときに。それ以来「あの人はなぜ死を選んだんだろう?」という問いが、常にゆみ子の心を離れないのです。そして、その思いを心の中に隠しておくことができなくなり、極限まで苦しくなった時、夫がその答えを与えてくれます。その「答え」によって、ゆみ子はようやく前を向いて歩いていけるようになります・・・。

 生きるということはどういうことか?死ぬということはどういうことか?誰しも考えたことがあると思います。そして、夫が「自殺」してしまったゆみ子にとっては、本当に「なぜ?」という疑問が常に心を離れないというのも理解できます。そしてそれは時として「自責の念」となって自分を苦しめることでしょう

 問題はその「答え」ですよね。これについては、賛否両論あると思います。決して論理的な「答え」でもありませんし。ただ、映画評のところにも書きましたが、一見つじつまが合っていなくても、その一言で救われるということが人間にはあります。ゆみ子にとって民雄(新しい夫です)の一言はまさにそれだったんだと思います。夫が自殺したことをともすれば自分のせいにしがちであったゆみ子は、その一言でその自責の念から解放されたのでしょう

 人間関係がうまくいかないとき、他人のせいばかりにするのもどうかとは思いますが、真面目な人ほど自分のせいにしてしまいます。自分を責めて責めて、しんどくなってしまうがあります。けれど、「人間関係がうまくいかないのは自分のせいばかりではない」と誰かに言ってもらえれば、それだけで救われた気になります。本当に自分ではどうすることもできないことって、人生にはありますよね・・・。

 あと、舞台が奥能登であるということも、このお話の成功において重要な要素であったと思います。「生」と「死」の問題について、ゆみ子の「思い・悩み」について、奥能登の風情は本当にマッチしておりました。

 

 原作を読んで、改めて映画のことに触れておきますと、よくまとめてあったと思います。原作の空気感・雰囲気を壊すことなく、多少端折っているところもありましたが、十分合格点を出せる映画だったと思います。映画の最大の功労者は、やっぱり奥能登の自然ですけどね

  

 私は新潮文庫版で読みましたが、あと、同時収録の「夜桜」や「こうもり」なども非常に情緒的でしみじみと読ませていただきました。『泥の河』もそうでしたが、舞台が大阪もしくは関西ですので、大阪人の私にとっては非常に親しみやすい。そして言葉もしくはその土地の持っている細かいニュアンスもよくわかる。宮本輝さんの伝えたいことが読んでいる私の身体に沁み入ってくるようにも感じました。ただ、それだからこそ、他の地域(関西弁を使われない地域)の方にとってはどうなんだろうとも思いましたが。また他の地域の方の感想もお待ちしております。

 初期の宮本輝さん、今は昔となってしまった時代の、はかなくもかけがえのない「生」を、せつなく美しく描いているといった感じがします。読み終わった後、しみじみとした気持ちにさせられました

私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年3月12日 (金)

映画の話・213 「 ハッピー・フライト 」

20080818004fl00004viewrsz150x1  2008年の日本映画です。

  ”ウォーターボーイズ””スイングガールズ”の矢口史靖さんが監督をされたとのことで、かなり期待して観ました。公開当時TVでやたらと流されていたCMも楽しそうでしたし


 でも、TVCMを見る限りでは綾瀬はるかさんが主役かと思っていましたが、そうでもありませんでしたね。むしろ主役はパイロットのお二人、・・・いや寺島しのぶさん演ずるCAのチーフか、いやいや岸部一徳さん?案外田畑智子さんかも、整備工の男の子かな・・・いやいややっぱり綾瀬はるかさん・・・?結局、空港で機内で働く人々すべてが主役といった感じでしたね(個人的にはピンチになってからの生き生きとした岸部一徳さんがかっこよかったです)。いろんなことをうまくいかせるために、いろんなところでいろんな人が一生懸命働いているってところでしょうか(これは何も空港に限ったことではありませんね。一般の社会でも同じです。)。人間生きている限りどこにでもドラマはあるんですねえ
 一人ひとりに焦点をしぼって描いてもそれはそれで面白い映画が撮れたんじゃないかとは思いますが、この映画はこの映画でバラエティーに富んでいて楽しく観ることができました


 映画のタイトルは”ハッピーフライト”。観終わってまさに”ハッピー”な気持ちにさせられました

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

2010年3月11日 (木)

『ラッシュライフ』(伊坂幸太郎・著)読みました

2010031116090000  たとえばたまたま同じ電車に乗り合わせた人。全然知らない人ばかりですが、考えてみればその人々にもそれぞれ背景がありドラマがある。そういう、もともと縁もゆかりもない人々の人生が、本人たちも知らないところで奇妙なつながりを見せていく・・・、そんな物語でした。

 この物語に登場する人々、巻末解説の池上冬樹さんの表現をお借りすると・・・

 ・拝金主義者の戸田と、彼に振り回される新進の女性画家志奈子。

 ・泥棒の黒澤。

 ・新興宗教の教祖に惹かれている画家志望の河原崎と、指導役の塚本。

 ・それぞれの配偶者を殺す計画を練る女性精神科医京子と、サッカー選手の青山。

 ・40社連続不採用の目に遭っている失業者の豊田。

 はじめは全然関わりのなかったそれぞれの人々の人生が、思わぬ形でかかわっていくようになっていきます。思えば人生なんてそんなものなのかも知れませんが。伊坂さんお得意の、はじめはつながりのない断片が、物語が進んでいくにしたがって少しずつつながっていき、最後にはひとつの結末を迎えるという「気持のよさ」がしっかり味わえます。その結末も、ハッピーエンドと言えるかどうかはわかりませんがそれなりに気持ちのいいものになっており、読後感もそれなりにすっきりといったところです

 

 私、これまで伊坂さんの作品では「魔王」「アヒルと鴨のコインロッカー」「重力ピエロ」「ゴールデンスランバー」と読みましたが、その中では、この作品が一番おもしろかったように思います。読んだことによって「人生に希望が持てた」とか「人生に多大な影響を受けた」というようなことはないのですが、娯楽作品として大変楽しむことができました。これぞエンターテイメントといった感じがしました。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

2010年3月 9日 (火)

名作復活・・・『ちびくろサンボ』

2010022412370000  先日ふと立ち寄った図書館で発見。『ちびくろサンボ』です。この絵本、ある程度以上の年齢の方は必ず知っている、名作絵本ですよね。

 有名名作絵本といえばほかに『ぐりとぐら』『てぶくろ買いに』『腹ぺこ青虫』なんかがありますが、この作品はほかの作品と2010022412370001_3 違ってある年齢層から下の方々はきっと知らないはず・・・

 それはなぜかというと、ある時期(今から20年くらい前だったでしょうか?)に差別的だという理由で廃版・絶版になったんですよね。もちろん差別的なこと・誰かを傷つけることはよくありませんが、この作品を「差別的な作品」と位置づけるのは間違いだろ~と、当時腹が立ったり情けなくなったりしたのを覚えています。

2010022412380000_2  

 でも、いつの間にか復活してたんですね~。よかったよかった2010022412380001

 お話自体は細かいところまでは覚えていないんですけどね、でも、とても好きなシーンがあります。何頭かのトラが木の周りをぐるぐるまわって、バターになってしまうところ。このあと確かそのバターでホットケーキを焼くのですが、それがまたおいしそうだったむかし見た「ロンパールーム」のおやつの時間に、子どもたちが飲んでたココアとおなじくらいおいしそうに見えて(もしくは「はじめ人間ギャートルズ」の骨付き肉くらいおいしそうに見えて)、本当に食べたかった

 

 今は当然実際のホットケーキを食べたことはありますが、この「ちびくろサンボのホットケーキ」は、思い出すと今でもほっぺたが落ちそうになります

2010年3月 8日 (月)

映画の話・212 「 夕凪の街 桜の国 」

20070521017fl00017viewrsz150x1  2007年の日本映画です。

 世の中に反戦映画は数知れずありますよね。そして反原爆映画も。熱を持って声高に戦争・原爆がいかに悪いかを訴えるもの、残酷なシーンを見せて戦争・原爆に嫌悪感を持たせるもの、もしくはいかにたくさん人が死んだかを強調し涙を誘うもの・・・。でも、この作品は、このどれでもありません。静かに静かに、物語は進行していきます


 ただ、この静けさがあればこそ、この映画は心の中に、そしてその奥深くにより浸透していきます。私もそれなりにたくさんの反戦・反原爆映画を今までに観てきましたが、実際このような角度から原爆の悲惨さを訴えた映画は初めてみ観たような気がします。


 この映画を観て、改めて気づかされたのは、戦争による・原爆による悲劇はその場限りではないということ。たとえば昭和20年8月6日、「あの日は怖かったね」とその日が過ぎれば過去のことになるのではなく、その日からずっと、もしかしたら未来永劫に「あの日」から悲劇が続いていくということ。その日からいわゆる「普通の幸せ」を望むこともできず、生き残ったことに対する「うしろめたさ」といつか来るかもしれない「死の影」におびえながら命ある限り生きていかなければならないというのは、本当に悲惨なことだと改めて痛感させられました


 「夕凪の街」と「桜の国」との二部構成も賛否両論はあるようですが、私はおもしろいと思いましたよ。ラストあたり、二つの物語がひとつに収束していく演出も、なかなかよかったように思います。

 麻生久美子さん、田中麗奈さんはじめ、出演されておられた方々の自然な演技もよかったと思います。けれどこの映画の場合はやはり原作の勝利でしょうねえ。私、原作をずっと以前に読みましたが、この映画はほぼそのままでした。それでも特に麻生久美子さんは原作の雰囲気をよく表現し、その透明感にあふれた演技は評価されるべきだとは思いますが。


 とにかく、押し付けがましいところがまったくなく、それがゆえに心の奥深くまで染み透る、しみじみとした映画でした
 
 追伸:私はこの映画を観るときに、「反戦」と「反核・反原爆」を同じようにとらえて鑑賞し、このレビューを書かせていただきました。それら二つはまったく違うものだ・分けて考えるべきものだという主張をお持ちの方には、失礼いたしました。

 私の評価:☆☆☆☆(5つに近い4つです。5つが満点です。)

『プロ論・2』読みました・・・2

P2140106  先日に引き続き、『プロ論2』より。リリー・フランキーさんの言葉。

 農家は田んぼに稲を作り、農協に納めてお金をもらう。でもこれは「仕事」ではない。これは「生業(なりわい)」である。「仕事」というのは、あぜ道の草を抜いたり、まだ荒れているところを耕したり、すぐにはお金にならないことをやること、つまり先のために働くこと。結局いい仕事をしている人というのは、「生業」ではなく「仕事」をしていた人だと思う。

 リリーさんといえば多方面において活躍されていますが、そのお人柄は結構いい加減というか、あまり深く考えて行動されていないような印象があるのですが、なかなかいろいろと考えておられるのですね。非常に蘊蓄のあるお言葉だと思いました。

2010年3月 6日 (土)

映画の話・211 「 ルワンダの涙 」

20061219001fl00001viewrsz150x1  2005年のイギリス・ドイツ合作映画です。

 「ホテル・ルワンダ」を観て以降、本作のことがずっと気になっていました。感想は・・・ただただ圧倒されました。こんなに衝撃を受けた、そして考えさせられた映画は久しぶりです。見終わったあとのこの気持ち、私にはうまく言い表す自信がありません。ただ、それでもこの気持ちの一端を言葉で残しておかなければ・・・という何かしらの強迫観念(?)のようなものが私を突き動かしますので、少し書かせていただきます。本当にうまく表現する自信はまったくないのですが・・・


 本作を観て、先ほども書きましたが、本当に圧倒されました。俳優さん方も熱演であったと思いますし、実際に虐殺がおこなわれた学校をロケ地として使っているということもリアリティーを増すことに一役買っていることには間違いありません。でも、それよりも何よりも、映画の中で展開するストーリー、それがすべて事実であるということに、本当に苦しくなりました。途中から本当に胃が痛くなってきました。ドキュメンタリーではありません。けれど、この映画で語られているお話がすべて「事実」として私の胸に迫ってきました。


 人間はこんなにも残酷に・残虐になれるものなのか・・・


 ツチ族とフツ族、私たち日本人は「同じ人間だし、どうして仲良くやれないのかな~」などとすぐに考えてしまいます。でも、出来事の根本は、私たち日本人にはとうてい理解できないような深いところにあるのでしょうね。きっと彼らにはフツ族とツチ族は「同じ人間」ではないのでしょう・・・
 フツ族を「ナタ」で次々と殺していくフツ族、本当に恐ろしかったです。そして殺した後の「してやったり」のような顔も。これが人間なのか?いや、これも人間なのですね。目をそらしてはいけません。そして国連軍が撤退するとき最後にあのランナーの少女のお父さんが言った最後の願いの、なんと悲しいことか。もう本当に最期のぎりぎりの願いといった感じでした。辛かったです。


 このお話がフィクションなら、その後トラックを運転していた神父さんが殺されることもなかったでしょうし、その後の学校での大虐殺もなかったでしょう。でも、その後の結果がよりいっそうこの映画の中で起こったことが「嘘」ではないことを私たちに突きつけてきます。


 私、以前「ホテル・ルワンダ」を観たときのレビューで、「なんとか仲良くできないものか?」といったようなことを書いたように記憶しています。けれど、今回この作品を観て、そのようなことはもう言えなくなってしまいました。悲しいことですが、このような現実に対して、私にできることが見つかりません。そのような私がこの現実に対して何か言うことは失礼のような気がするのです。


 ルワンダのみなさん、すみません。それから世界中の、もっともっと悲惨な目に遭っている方々、すみません。私には、何もできそうにありません。


 ただひとつ私にできることといえば、このような現実から目をそらさないこと。そしてたとえばひとりでも多くの若い人たちに、世界各地で起こっているこのような現実を伝えていくこと・・・でしょうか。
 とにかくひとりでも多くの方にこの映画を観てもらいたい。そして、口はばったい言い方ですが、この私のレビューを読んで「観てみようかな」と思ってくださる方がひとりでもいらっしゃれば、私もほんの少しだけですがルワンダの方々のお役に立てたようで、うれしいです。


 観終わった後しばらく、殺されたツチ族の人々の死体の山が脳裏を離れませんでした。殺した後のフツ族の人々の顔、国連軍が去った後に残された人々の顔が忘れられません・・・・・・

 私の評価:☆☆☆☆☆(満点です。評価するのもおこがましいですが・・・。)

2010年3月 4日 (木)

『泥の河』『蛍川』(宮本輝・著)読みました

2010030416020000  宮本輝さんの作品、初めて読みました。『泥の河』はデビュー作にして太宰治賞受賞作。『蛍川』は芥川賞受賞作。思えばどちらの作品もず~~~っと前から知っていましたし、その評判も聞いていたのですが、きっかけがなくてこれまで読まなかったんですよね。きっかけを与えてくれた生ハムメロンさん、ありがとうございました。

 感想を一言で言うと、切なかったやるせなかった。私は『泥の河』の方により深く心を動かされましたけれど。

 『泥の河』は昭和30年の大阪の中心部が舞台です。戦後10年経っているとはいえ近代化はまだまだ遠い、前時代的な雰囲気が漂っています。馬に曳かせたリヤカーに鉄くずを集めてお金を稼ぐ男・船の上で生活する家族など、その登場人物や町の風情は今ではもう失われてしまったもののように思えます。「古き良き・・・」とは決して言えませんが、このような世界観に私は一種のノスタルジーを感じずにはいられませんでした。結局このお話に心を動かされるかどうかは、この世界観を「良い」と感じるか「悪い」と感じるかによると思います。

 

 そして、このお話の中で描かれる「生と死」。このお話の中では、さまざまな人の「生」と「死」が描かれています。日常の中に突然あっけなく訪れる「死」、そして貧しさ極まりない中でのけなげな「生」。この死生観にも、なにかしらとても惹きつけられてしまいました。舟の上で生活する少年が健気に生きる姿には、痛いくらいの切なさを感じました。

 宮本輝さんが訴えたかったことが何なのかは、いまだよくわかっておりません。けれど、この作品のなかで描かれた世界観に打ちのめされてしまいました。あの家族を乗せた舟の行くえをいつまでも見送っていた少年のように、私もいまだにあの舟を見送っているような気持ちです。本当に切なくやるせない物語でした。

 『蛍川』は、思春期の少年の繊細な思いと人間の「性」というものを、「蛍」の乱舞という官能的なシーンとマッチさせて、うまく描いているなあと思いました。そういえば昔読んだちばてつやさんの漫画「蛍三七子」(こんな字だったでしょうか?)は、この作品にインスパイアされて書かれたのかなあと感じました。

 両作品の感じ、どこかで読んだことがあるなあと思い、思い出したのが鷺沢萠さんです。何かしら鷺沢萠さんの作品に感じが似ていると感じました。賛否両論ありそうですが。この感動をあまりうまく表現することができなくて自分でもとっても残念なのですが、両作品ともとても心に残りました。両作品とも映画化されているようですので、まず『泥の河』の方を観てみたいと思います。

 私の評価:☆☆☆☆☆(5つが満点、つまり満点です。)

映画の話・210 「 哀愁 」

4_949251  1940年のアメリカ映画です。1940年って

 非常に雰囲気のある映画でした。そういう意味では、モノクロ映画であるということも、その「雰囲気」に一役買っている気がします。俳優さんもヴィヴィアン・リーにロバート・テイラーという美男美女、そしてお話もベタと言えばベタ。まさに恋愛・悲恋映画のお手本といった感じがしました。1940年の作品ですから、その後この作品をお手本にして様々な恋愛映画が世界各国でつくられたんでしょうね


 出会いの場面、あんなに簡単に恋に落ちてしまっていいの?ということが、私にとってはずいぶん尾を引きながらこの作品を観ましたが、それでも「最後はどうなるんだろう」とそれなりにハラハラとしましたよ。ただ、個人的な希望を言えば、ラストはあのような形ではなくロイが「それでも(すべてを知った上で)君を愛しているよ」などといってハッピーエンドになって欲しかったなあと思います。でも、純潔・清らかさを求める時代背景などが、それを許さなかったのかもしれませんね。日本でも「男女七歳にして席を同じうせず」の時代ですから。世界的に観ても、マイラの過ち(それでも、生きるためには仕方なかったんですけどね)を許すようでは映画的に受け入れられなかったのでしょう。


 舞台設定がロマンチックで、出演者が美男美女で、役どころも真面目な人ばかりで、そして切ない終わり方をする。まさに恋愛・悲恋映画のお手本のような映画でした。一度は観ておく価値有りといったところでしょうか。そういう意味ではやはり、映画史に残る名作ですよね


 追伸:物語の中で効果的に登場する「お守り」。あれって大阪は新世界・通天閣の「ビリケンさん」ですよね。この映画の雰囲気と、普段からよく知ってる「ビリケンさん」とのギャップに、大阪人の私としてはホッとさせられました。ビリケンさん、こんな映画にも出て、すごいなあ

 私の評価:☆☆☆☆(5つが満点です。)

2010年3月 2日 (火)

『プロ論・2』読みました・・・1

P2140106  先日来紹介させていただいていた『プロ論』、それの続編です。ここからもまた琴線に触れた言葉を紹介させていただきますね

 まずは弘兼憲史さんのお言葉。ご存じ「課長(今は出世したんでしたっけ)島耕作」の作者さん・漫画家さんです。

 ・出世する人は次の3つのことができている人

  ①モノマネのできる人  ②コメントのできる人  ③みんなの持っていないスキルを持っている人

 う~~ん、なるほど。①は結局、言われなくても人のまねをしながら自分の技術等を磨く人ということですよね。②は自己表現 ③は確かに重宝がられると思います。

 私は別に出世しようとは思いませんが、それでもみんなの役に立つ仕事はしたいと思います。この3つ、胸に刻みたいと思います。

2010年3月 1日 (月)

祝・卒業・・・「卒業写真」by柴田淳・大江千里

 今日3月1日、奈良県では全県的に高校の卒業式のようです。私は大阪府在住ですが仕事は奈良県でしているので、卒業したてらしき高校3年生をたくさん見ました。どの生徒も新しい生活に向けて、不安と希望に胸を抱いているんでしょうね。がんばれ、みんな

 ところで、卒業ソングは世の中に数々あれど、定番中の定番といえばやっぱりユーミンの「卒業写真」。その、柴田淳バージョンを見つけたので、よかったら聴いてみてください。ちなみにピアノは、大江千里さんです。私、大江千里さんも好きなんですよね。私が通っていた高校と同じ駅の、向こう側の高校に通っておられました。そういう意味でも親近感があります。

 余談ですが、私、ず~~っと以前の職場の同僚に、大江千里とそっくりな方がいました。同い年でしたが私なんかよりずっと立派な人でした。元気にしてるかな~

映画の話・209 「 海辺の家 」

4_293301_2  2001年のアメリカ映画です。

 喪失と再生の物語・・・とでも言いましょうか、なくしたものを取り戻しそして新たに築いて行く、そんな物語でした。今まで住んでいた「海辺の家」を壊し、新たに自分の理想の家を建てる・・・もちろんそれがこの物語の中心ではありますが、本当に壊したかったのは「うまくいかなかった家族・うまくいかせることができなかった自分」であって、新しく作り上げたものは「本当の家族の絆」なんでしょうねえ。「新しく作り上げる」というよりは、「取り戻す」という方が正しいのかもしれませんが。古い家を壊す・新しく家を建てる、その過程のなかでジョージとサムとの親子の絆が再び紡がれていくさまは、確かに感動的でありました


 ただ、ジョージに「なくしたものを取り戻そう」と決心させたものが、「自分の命が残り少ない」という事実であったとするならば、少し悲しいなあとも思います。もし自分の命が残り少なくなければそういう行動には出なかったということでしょうから。「命が残り少なくなくても、何かをきっかけにしてそういう行動に出る」っていうのだったら、どうなったんでしょうか?でもそれならラストシーンにつなげられないからダメか(笑)。


 あのラスト、賛否両論あるのではないかと思いますが、私は意表をつかれて、感動しました。あの家をあの少女にあげるとは、名案です。亡くなったジョージも納得だと思います


 いろいろ突っ込み所もありますし、ムダなお話も結構あったとは思います。それでも、この映画、なかなかの名作だと思いますよ。父と子の確執といった誰でも経験がありそうな、それでいてなかなかお話にできそうにない少々地味な事柄を、うまく映画として仕上げていると思います。隠れた名作といったところでしょうか

 おまけ:作品紹介によると、主人公ジョージは42歳らしい。私より年下じゃないか~(汗)。複雑。

 私の評価:☆☆☆(5つが満点です。)

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